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第26回

在宅介護の始まりはいつ?介護のスタートは自覚できないことも…。初期段階の介護疲れは予防が大切です

最終更新日時 2019/04/24
#親の介護
介護はどの段階からスタートするのかご存知ですか?1年前?3ヵ月前?それとも、まだ始まっていませんか?「う~ん」と眉をしかめながら考えているかもしれませんね。今回は、介護がいつから始まっているのか、そして介護が始まったときの心の疲れとその予防方法についてお話しします。

みなさん、はじめまして。合同会社「陽だまりのnekoの夢」代表で、認定心理士の井上百合枝です。

突然ですが、介護はどの段階からスタートするのかご存知ですか?

1年前?3ヵ月前?それとも、まだ始まっていませんか?

「う~ん」と眉をしかめながら考えているかもしれませんね。

今回は、介護がいつから始まっているのか、そして介護が始まったときの心の疲れとその予防方法についてお話しします。

介護がいつから始まるのか確認しよう

いつから介護が始まったか、改めて聞かれると、わかりにくいかもしれませんね。

では、介護生活を一緒に振り返ってみましょう。

あなたの身の回りで、下記のA~Fのようなことが起こっていませんか?

夫が転んで骨折。手術をして歩けるようになったが、なんだか怒りっぽくなって怒られてばかりいる
父親の耳が遠くなって、大きな声で話さないと聞こえなくなった。テレビの音もいつも大きくて、近所に迷惑をかけていないか心配
よく友達と出掛けていたおばあちゃんが、近頃何にもやる気がないようだ。家から外に出なくなったし、友達との交流も減っているようだ
母親が1人で病院に行くのが大変になってきたようだから、月に1回病院に付き添っている
義父が買い物に出かけると同じものばかり買ってきて困っている
堅実だった義母が、お金が足りないといって、よく借りに来るようになった。母の部屋には物があふれている

すでに介護が始まっている方も、上記のA~Fの状況について、どれが介護が始まっている状況か考えてみてくださいね。

考えましたか?実は、これらの状況は…

ズバリ!どれもすべての状況で介護が始まっています!

「えっ!?」と思われた方もいるかもしれませんね。

私は、介護の始まりを「それまでは、本人(被介護者)が自分自身でできていた日常生活に支障が出てきて、周囲や家族などが何かしらの手を貸し始めた状態」と考えています。

介護が始まったばかりのときは、周囲のひとが少し生活を変えて手助けすれば、本人も何とか日常生活を送ることができます。

そのため、介護がスタートしているにもかかわらず、介護をする側もされる側も気づかないことがあるのです。

場合によっては、何年もその状況が続いていくこともあります。

    介護をしている自覚がなくても、介護疲れは生じる

    介護をしていることに気づいていない、と言うと、あまり負担がない状態に思えますね。

    しかし、このような生活が続いてくると、「何で私ばっかりやらなくてはならないのか」「なぜ、他の家族は誰も手伝ってくれないのか」「これからどうなってしまうんだろう?」「私が介護できなくなったら、どうなるんだろう?」など、不安やイライラした感情を抱くことにつながります。

    多くの方が、この段階になったときにはすでに介護に疲れているのです。

    そして、介護に疲れた時間が長くなると、気持ちをリセットする時間も多く要するようになります。

    リセットできずに悪化してしまうと、介護の継続が困難になるほど、介護者の心が重篤な状態に陥ってしまうこともあります。

    心の疲れを予防する方法

    では、心が疲れることを予防するには、どのようにしたら良いのでしょうか?

    まずは、初期の段階から協力してくれる人を増やしておくことをおすすめしています。

    家族、友人、ご近所の方、職場の同僚、公的サービスや自費サービス…誰を頼っても良いのです。

    介護する側が頑張りすぎて疲れてしまい、介護を続けられなくなってしまう前に、介護のつらさや喜びを家族や周囲に知ってもらい、協力してもらう必要があります。

    「まだ、私だけでもできるから迷惑かけたくない」という周囲に対する優しい思いは、勿論理解できます。

    けれども、介護が大変になってから、いきなり「介護を手伝って!」と言われても、家族や周囲の人もどう受け止めればいいのか、どう手伝えば良いのか迷うものです。

    そうなると、介護者の方も「誰も私の大変さをわかってくれない」と思ってしまい、余計につらさを抱え込むことになりかねません。

    ですから、介護が始まったばかりのなるべく早い時期から、家族や周囲の人に「○○(被介護者となる人)の様子が変わってきたので、今後ご迷惑をかけるかもしれない」と声をかけておくと良いでしょう。

    仕事先には、介護休暇をとるかもしれないことを伝え、家族には自分が看られないときには何を手伝って欲しいかを、具体的に伝えておきましょう。

    具体的に伝えることが難しい場合は、地域包括支援センターなどの専門の方に、今後どのようなことが起こる可能性があるのか、何に備えておくことが良いのかを相談するのも良いと思います。

    介護のために自分を犠牲にしないで

    大切なことをもうひとつお伝えしますね。

    介護が始まったからといって、介護する人が自分を犠牲にして、介護に全身全霊を注いではいけません!

    当然ですが、介護する人も生身の人間です。自分自身も大切にしてほしいのです。

    介護する人の心と身体が健康でいるためにも、趣味をみつけたり、友人と食事をしたり、運動をしたり、この時期から介護と少し離れる時間を持っていくことをオススメします。

    もし介護する人に心身の不調が生じてしまったら、より良い介護の継続もできなくなります。

    介護は、育児と違って「○歳になると、△ができるようになるから負担が軽くなる」という目安や、見通しをつけることが難しいのです。

    “さようなら”が思いもよらず早い場合もありますし、介護が思っていたより長期化する場合もあります。

    ゴールが見えない中で走っていくには、無理せず長期戦に備えることが大切です。

    介護者自身の心身維持と介護のバランスを上手くとっていくことが、より良い介護を続ける秘訣。

    無理をせずに介護できる環境を整えるためにも、人を頼りにする準備から始めてみてくださいね。

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