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第50回

高齢者は低栄養と脱水症状が同時に起こりやすい!3つの指標で健康状態を把握しよう

最終更新日時 2022/06/08
#親の介護 #高齢者の健康
在宅介護では、要介護者の栄養状態を見極めることが大切です。中でも低栄養と脱水症状は同時に起こることがあり、重症化すると大変危険です。未然に防ぐためには定期的にBMIをチェックするなど、日頃から健康状態を観察するようにしましょう。

高齢者は身体機能や気力の低下によって、食事量が減るケースが多くみられます。食事量が減ると、低栄養だけでなく、脱水症状の危険も高まります。低栄養と脱水症状は一見関係がないようにみえますが、同時に起こりやすいのです。

今回は、低栄養と脱水症状が同時に起こる理由と症状、予防のための食事例について紹介します。

低栄養と脱水症状が同時に起こる理由

もともと、高齢者は脱水症状のリスクが高い状態です。高齢者は喉の渇きを感じる機能が低下しているため、脱水に気づきにくくなっています。

実際に喉の渇きを感じても、その後トイレに行くのが面倒だったり、尿失禁を心配して、水分を十分に摂らない可能性があります。

さらに、体にため込める水分量も減っているため、発熱や下痢などの体調不良で、水分が容易に失われてしまいます。

また、脱水症状が起こる際、同時に低栄養になっていることも多くあります。その理由を詳しく説明します。

食欲低下

食欲低下によって食事量が減ると、十分な栄養素が確保できず、低栄養につながります。また、水分摂取量も減りがちです。

一般的に、食事から摂取できる水分量は1日当たり約1,000mlとされています。しかし、食欲低下によって十分な食事を摂れない状況が続くと、水分摂取量が減り、脱水症状を起こしやすくなるのです。

身体機能低下

膝や腰の痛みなどで、動く気力が低下している高齢者も多くいます。すると、台所まで飲み物を取りに行くのが面倒だったり、食事を用意したりする気が起きなかったりして、低栄養や脱水症状につながってしまうのです。

低栄養と脱水症状で見られる症状

低栄養と脱水症状それぞれで見られる症状を説明します。

低栄養で見られる症状

  • 体重減少
  • 感染症にかかりやすい
  • 筋力低下
  • 下半身や腹部のむくみ
  • 傷(褥瘡など)の治りにくさ

低栄養と脱水症状に共通する症状

  • 皮膚の乾燥
  • 唇や口の中が乾燥している
  • 食欲不振
  • 唾液がねばつく
  • 無気力
  • ふらつきが見られる

介護をしている方は、要介護者に低栄養や脱水症状に該当する症状が見られないか、注意深く観察しておきましょう。脱水症状は放っておくと命の危険があります。

それぞれの症状を見極めることが大切

万が一、いつもより反応が鈍かったり、ぐったりしていたら、スポーツドリンクや経口補水液などで速やかに水分補給をしましょう。

ただし、症状が改善しない場合や、嘔吐、意識障がいなど中等度以上の脱水症状がある場合、早急に医療機関にかかってください。

低栄養を早期に発見する3つの指標

低栄養かどうかを判断する3つの指標があります。

1.BMI

BMIは肥満度をあらわす指数のことです。下記の計算式でBMIが算出できます。

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

『日本人の食事摂取基準2020年版』によると高齢者の目標BMIは以下のようになっています。

目標BMI

65~74歳:21.5~24.9

75歳以上:21.5~24.9

BMIが19を切ると、危険信号です。一度計算をしてチェックしてみましょう。

体重の減少率

体重の減り方によっても、低栄養のリスクがわかります。体重が6ヵ月で10%以上、あるいは1ヵ月で5%以上減少した場合、低栄養のリスクが極めて高いとされています。

普段から体重を測ることで、低栄養のリスクが高いかどうか判断しやすくなります。

血液検査の結果

血液検査のうち「血清アルブミン」「総コレステロール値」「総リンパ球数」などが、栄養状態を判断する主な指標となります。少なくとも1年に1回は医療機関で血液検査を受けてみましょう。

栄養状態を判断する主な指標
項目 数値
血清アルブミン 3.5g/dL以下
コレステロール値 160mg/dL以下
総リンパ球数 1200~2000
(軽度低栄養)
800~1199
(中等度低栄養)
~799
(高度低栄養)
出典:『公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 在宅医療テキスト』(第3版)

低栄養と脱水症状を防ぐための食事例

低栄養と脱水症状の両方を防ぐには、食事に気をつけることが大切です。そこで、どういった食事が適しているのか紹介します。

低栄養を防ぐ食事例

低栄養を防ぐには「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素をまんべんなく摂りましょう。

炭水化物や脂質は、体を動かすエネルギー源となるため、欠かせません。ごはん、パン、麺、油脂などは、毎食取り入れましょう。

タンパク質は体をつくる材料です。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などから摂りましょう。特に、肉はタンパク質の量が多く、積極的に食べてほしいところですが、加熱をすると固くなりやすいという欠点があります。

無理に食べさせるのではなく、「ひき肉を使う」「圧力鍋で調理をする」といった工夫をしましょう。

脱水症状を防ぐ食事例

1日の食事から摂れる水分量の目安は、約1,000mlです。飲み物だけで補うのではなく、水分が多い食事を意識して取り入れてください。

例:汁物、麵類、あんかけ料理、豆腐、トマト、きゅうり、なすなど

また、食後のデザートやおやつに、水分量が多いゼリーやヨーグルトなどを取り入れると良いでしょう。

両方を組み合わせた食事例

低栄養を防ぎ、脱水症状を予防するための食事の一例を紹介します。

  • シーフードあんかけチャーハン(炭水化物・脂質・タンパク質・水分)
  • 豆腐ハンバーグきのこあんかけ(タンパク質・水分)
  • なすと肉団子の煮びたし(タンパク質・水分)
  • トマトとオクラの納豆和え(タンパク質・水分)
  • フルーツヨーグルト(タンパク質・水分)

高齢者におすすめしたいのが、あんかけ料理です。だしで薄味のあんを作ることで、自然と水分補給ができ、のどごしもよくなるので一石二鳥です。

あんかけ料理などを積極的に摂取しよう

低栄養と脱水症状は、どちらも命にかかわります。こまめな水分補給はもちろん、食事を工夫して必要な水分量を確保しましょう。

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