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第346回

高齢者の事故が多発!ドライバーが知っておくべき道路交通法と思い込みの危険性

最終更新日時 2022/12/05
#親の介護
目 次

道路交通法には横断歩道のない場所でも歩行者が横断しようとしているときは、その通行を妨げてはならないと規定されていますが、皆さんはきちんと一時停止しているでしょうか。

多くのドライバーは「横断歩道じゃないから通行させなくても違反じゃない」「横断歩道を渡ってよ」という思いが頭をよぎっているのではないでしょうか?

近年は高齢ドライバーによる事故が問題視されていますが、高齢者は交通事故において加害者だけでなく被害者になることも多くあります。特に死亡事故につながりやすいのが道路の横断中に車と衝突する事故です。

今回は、高齢歩行者を守るために必要な知識をご紹介いたします。

高齢歩行者の事故の特徴

道路交通法第38条の2には「車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない」と規定されています。

歩行者は2車線以上ある交通量の多い道路の横断を禁止されていますが、そうでない限り、横断歩道がなくても歩行者が横断しようとしているときにはその通行を妨げてはいけません。

まずはこの法律の周知をもっと広げる必要性があると思います。ドライバーの全員が法律を理解し行動することで、多くの交通事故がなくなるのではないかと考えています。

警視庁の統計によると65歳以上の交通事故による歩行中の死者数は「横断歩道以外横断中」が最も多いとのことです。2021年は397人(45%)で、「横断中以外」が271人(30.7%)、「横断歩道横断中」(24.3%)と道路を横断している際の死亡事故は高い割合を示しています。

また、法令違反別の死者数(2021年)でも、65歳以上は「横断違反」が200人(38.4%)、「信号無視」48人(9.2%)、「違反なし」243人(46.6%)となっています。

皆さんも走行中に、信号や横断歩道のない道路を高齢者が横断しているのを見かけて、危険だと感じたことがあるのではないでしょうか。

2015年中の交通事故データでは、高齢歩行者の死亡事故は自宅から500m圏内で発生することが多く、事故直前の高齢歩行者の行動をみると、横断歩道以外の場所を横断中に車と衝突し、死亡したケースが半数を超えているとのことです。

さらに横断歩道以外の場所を横断中の死者数は、薄暗くなる16時頃から増え始め、17~19時台に集中して発生しています。買い物や友人宅からの帰りなど、通い慣れた道で事故に遭遇しているようです。

高齢歩行者の多くが、夕方に自宅付近の道路を横断した際に、車と衝突して死亡しているということです。

一方、ドライバーにとって日が暮れはじめる頃から夜間にかけては、前方が見えにくい状態になります。一日の疲労により集中力や視機能が低下する時間帯でもあるので、前方に現れた高齢歩行者を見落とす危険性が高くなります。

ドライバーが気をつける点

高齢者は視力や聴力の低下や判断力、身体機能が低下してきます。

しかし、自宅周辺では「今まで大丈夫だったから。いつもそうしているから今日も大丈夫」との判断でいつものように道路を横断します。

日常的な場面において慣れから判断が甘くなるのは高齢歩行者だけではありません。ドライバーにも同じことがいえると思います。

「まさかこんなところで道路を横断しないよな」「これだけ距離があれば渡り切るだろう」などのいわゆる『だろう運転』が判断を甘くします。

歩行者、ドライバーの双方の見込み違いが悲惨な交通死亡事故をもたらすといっても過言ではないでしょう。

時速40㎞で走行する車両は1秒間に11.11m進みます。わずか3秒で33.33m。そして乾燥したアスファルト舗装の道でブレーキをかけても停止するのに17.33mを要します。

これが仮に時速60㎞だと1秒間に16.67m進み、3秒間では50.01m、車両停止には32.75mを要します。

つまり、たった1秒の判断の遅れでも歩行者と衝突してしまう可能性は極めて高いのです。また薄暗くなってからや、雨の日の夜などはさらにリスクが高まります。

道路を横断しようとしている高齢歩行者を発見したとき、「車が見えているはずだから横断しないはず」と思い込まないようにしてください。

年齢とともに視野が狭くなり、聴力も弱って聞こえにくくなるため、近づく自動車に気づいていない可能性があります。

高齢者は、周囲の状況を把握する注意力が低下していると認識することが大切です。体力が落ちている高齢者は遠くにある横断歩道を渡ることを躊躇し「目の前の道路を横断したい」と考えがちです。

また、高齢者は危険が迫ったとしても臨機応変に回避行動がとれないと捉えることも重要です。

ドライバーは自身の身を守るためにも法的なリスクマネジメントとして「歩行者が横断しようとしているときには周囲の安全を確認して一時停止するか徐行」を心がけましょう。

高齢者も反射材などを付けて日頃から注意を!

夜間における高齢者の死亡事故が多くなっていることも踏まえ、高齢者が外出する際は、次のことに気をつけましょう。

  • 反射材を身につける
  • なるべく明るい色の服装をする

反射材は、靴、カバン、ジャンパー、杖、車いすなど、毎日身につける物に取り付けておくと夜間でも安心です。

歩行者、ドライバー双方がちょっとした気配りをすることで悲惨な交通死亡事故を減らすことができると思います。

まずは本記事を参考にして実践いただければうれしい限りです。

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古賀 優美子
福祉住環境コーディネーター/フリーランスWebライター
2025/03/25

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