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第26回

デイサービスの介護報酬改定!・サービスの提供時間区分が変更・大規模事業所の基本報酬減額も。選び方で利用者負担が安くなる?

最終更新日時 2018/03/13
#介護保険サービス #介護にかかるお金
通所介護がなぜ、メリハリ改定されるのでしょうか?それは、社会保障費用(旧社会保障給付費)を抑えなければならないからです。団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年に向けて、対策を講じる必要があります。

「介護保険の項目が多すぎて混乱する…!」とお悩みの方、こんにちは!メニースターズ代表で介護コンサルタントの星 多絵子です。

叔父の入っている特養からの請求書を、会計担当の父と確認しています。今回は施設から「介護報酬改定により、利用者負担分が変わる」という通知を見て、私にSOSを出してきました。確かに、介護報酬改定は難しい仕組みになっており、利用者・家族は請求書を見ても何もわからないのが現状です。

第22回「2018年度「介護報酬改定」・在宅でのリハビリは利用者負担増・介護者不足の対策は?国が目論む本来の目的とは…」に引き続き、今回は「詳細な単位数や人員配置基準」が社会保障審議会と介護給付費分科会から出ましたので説明していきます。

通所介護(デイサービス)の内容と多様性

通所介護(デイサービス)を利用して、日中高齢者を預けているご家族も多いことでしょう。通所介護について、ざっくり説明します。

通所介護とは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として運営されています。

利用者が通所介護の施設(利用定員19人以上のデイサービスセンターなど)に通います。施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供。生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。

通所介護は女性の利用が多く、男性をどのように参加させるかが、施設事業者の腕の見せ所となります。進んでいるところでは、通所介護を「学校」に見立てて、時間割を作り、規則正しい生活を取り戻すところも。授業はスタッフが工夫し、椅子に座ったままでできる体操を行う体育、音読の国語、数字の並べ替えの算数など、幅広く高齢者が無理なく楽しめる内容にしています。認知症の利用者については、授業時間に席について鉛筆を持つという過程を褒めています。

また、別の事業者では施設内の仮装通貨を使って、高齢者の自主性を取り戻す取り組みもしています。カラオケやゲームなどのプログラム参加費用やおやつの購入などに必要で、楽しいことだけを行っていると、通貨がなくなってしまいます。ですから、リハビリやタオルたたみといった内職、施設の案内など頭や体を使うことで通貨を「稼ぐ」ことができます。

さらに別の事業者では、カジノをデイサービスで行いました。男性参加者が増えたのは良いのですが、「機能訓練といった本来の趣旨から外れ、疑似通貨で射幸心をあおるような遊技性の強い事業所は指定しないと条例で定める」と神戸市では規制が行われました。

このように、通所介護といっても、事業者によってさまざまな特徴があります。施設見学を行い、利用者本人が行きたいと思うところに決めるのが、お互いにとって良いことです。

2018年度介護報酬改定で変わる主な内容

2018年度介護報酬改定で変わる主な内容をピックアップします。今回改定は、「基本報酬のサービス提供時間区分の見直し」と「規模ごとの基本報酬の見直し」の合わせ技で介護報酬が改定されています。

基本報酬のサービス提供時間区分の見直し
通所介護の基本報酬は、2時間ごとの設定となっていますが、事業所のサービス提供時間の実態を踏まえて、基本報酬のサービス提供時間区分を1時間ごとに見直すことになりました。
今までは3~5時間、5~7時間、7~9時間の3区分だったものが、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間の6区分に変わります。
時間が短いほど介護報酬も低くなり、利用者負担分が安くなります。今、何時間利用しているか確認してみてください。
規模ごとの基本報酬の見直し
通所介護は規模により、介護報酬が分かれています。
  • 通常規模型・前年度の1月当たりの平均利用延人員数が750人以内
  • 大規模型Ⅰ・前年度の1月当たりの平均利用延人員数が750人を超え900人以内
  • 大規模型Ⅱ・前年度の1月当たりの平均利用延人員数が900人超

大規模になればなるほど、基本報酬は低くなります。利用者の通われている通所介護がどの区分になるか、確認しておきましょう。今回改定は下記の図で変更例を挙げています。

改定前の基本報酬
(所要時間:7時間~9時間未満)
要介護度 単位数
通常規模型事業所 大規模型Ⅰ 大規模型Ⅱ
要介護度1 656 645 628
要介護度2 775 762 742
要介護度3 898 883 859
要介護度4 1,021 1,004 977
要介護度5 1,144 1,125 1,095
改定後の基本報酬
(所要時間:7時間~8時間未満)
要介護度 単位数
通常規模型 大規模型Ⅰ 大規模型Ⅱ
要介護度1 645 617 595
要介護度2 761 729 703
要介護度3 883 844 814
要介護度4 1,003 960 926
要介護度5 1,124 1,076 1,038
改定後の基本報酬
(所要時間:7時間~9時間未満)
要介護度 単位数
通常規模型 大規模型Ⅰ 大規模型Ⅱ
要介護度1 656 634 611
要介護度2 775 749 722
要介護度3 898 868 835
要介護度4 1,021 987 950
要介護度5 1,144 1,106 1,065

通所介護がメリハリ改定の理由

なぜ、通所介護がメリハリ改定されるのでしょうか?それは社会保障費用(旧社会保障給付費)を抑えなければならないからです。団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年に向けて、対策を講じる必要があります。

時間区分の変更は、7時間以上9時間未満は「7時間以上7時間半未満」にピークがあり、5時間以上7時間未満は「6時間以上6時間半未満」に、3時間以上5時間未満は「3時間以上3時間半未満」にピークがあるという実態に合わせるため行われます。

大規模事業所の介護報酬が抑えられたのは、直近の通所介護の経営状況を規模別に比較すると、規模が大きくなるほど利益率も大きくなっているからです。大規模事業所は経営規模が大きく、それだけ生産性や経済効率があがります。厚生労働省はそれを良しとしないのです。

これは、皆様が通われている通所介護が大規模であった場合、利用者負担額が安くなることを意味します。ただ、利用者負担額が安ければ利用者が増え、また利益率が良くなるという循環になるのではないかと考えられます。介護報酬を減らすということは、私たち利用者や家族にとって利用者負担が安くなり、かえって利用しやすくなる側面もあるのです。

介護報酬改定まとめ

2018年度介護報酬改定の改定率は+0.54と微増。しかし、社会保障費用を抑えたいという厚生労働省の意向は変わりません。通所介護はメリハリ改定となり時間の区分が変わります。また、大規模事業所の介護報酬が減るため、大規模事業所に通う利用者の負担分が安くなるほど利用しやすくなります。今、何時間、どの規模の事業者に通っているか確認しておきましょう。

2018年度改定は大きな節目の年。さて、どう変わるでしょうか?今後も注目ポイントをピックアップ!次回も、2018年度介護報酬改定の具体的な内容について書きます。大切なことなので、わかりやすく説明いたします。次回もご覧ください。

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