こんにちは、フリーライターの奥村シンゴです。
私は30歳過ぎから6年間、祖母を在宅で介護をしました。
昨年(2019年)1月から祖母は精神病院に入院し週1回面会していて、合計で7年間介護を経験しました。
今回は、認知症の祖母の食事について悩んだことや対応についてアドバイスさせていただきます。
参考になれば幸いです。
認知症が進行すると「就寝時間帯の間食」が増える
祖母はもともと太っていて、主治医に「コレステロールや中性脂肪がもう少し基準値より高くなれば、薬の服用や心疾患などのリスクが高まるので注意してください」と言われていました。
祖母は夕食を19時ぐらいに済ませるのですが、早朝になるとお腹が空き、私が寝た瞬間を見計らいって寝室から冷蔵庫までウロウロ、ウロウロ。
冷蔵庫の扉をパタン、パタン、パタンと開きながら食べ物を探しています。
私が「ばあちゃん(祖母)何してんの?はよねえや。」と言うと、祖母はとぼけた仕草で「あんた(私)、まだ起きとったんかいな。」と苦笑いし部屋に戻ります。
ところが20分後、祖母はまたパタン、パタンと冷蔵庫を開けて食べ物を探し、無ければ私を起こして「お腹ペコペコよ。菓子パンとか野菜ジュースとか買ってくれてるでしょ?」とおねだり。
在宅介護の6年間、特にお泊まりデイサービスやショートステイから帰宅した日の晩は、ほぼこの繰り返しでした。
そのため、私は仮眠すらままならず疲弊していました。
周囲の在宅介護者に聞いたところ、認知症が進行してくると、間食で頻繁に起こされて介護者が倒れそうになるケースは少なくないようです。
4つの食事対策で寝不足・肥満解消できる
疲れきっていた私は、祖母を担当するケアマネージャー歴20年弱の人に相談したところ、以下のアドバイスを受けました。
4つの食事対策
- 祖母が手に取れないところに食べ物や飲み物を置いてみる(例:冷蔵庫の一番上など)
- ご飯を炊飯器で炊かずにパックのご飯を購入する
- 本人が好きな食べ物や飲み物を1個だけ置く
- 噛み続けて飽きない食べ物を食べてもらう(例:スルメ、昆布など)
アドバイスを実践した結果、冷蔵庫のパタンと開く音が減り、私が仮眠できる時間が増えました。
また祖母の体重が1年で8kg位減少し、コレステロールや中性脂肪も平均値に戻りました。
もし、夜中や朝方に起こされ、寝られず困っている介護者の方々は試してみてください。
「コップ1杯の緑茶」と「1本の乳酸菌飲料」が毎日の習慣
私は祖母に「2時間に1回、コップ1杯の緑茶」と「毎日1本の乳酸菌飲料」を飲んでもらっていました。
祖母が「脱水症状」で救急搬送されたことがきっかけです。
医者や元看護助手の彼女から「おばあちゃん(祖母)の体質もあるけど、認知症が進むとのどが渇いたと訴えにくい。だからこまめに水分補給してあげて。」とアドバイスをうけました。
それ以来、私は祖母に日中1時間に1杯、夜間就寝前とおむつ交換時に1杯ずつの緑茶と、毎日1本乳酸菌飲料を飲んでもらっていました。
緑茶の中では、カテキンが豊富なものがおすすめです。
緑茶に含まれるカテキンや乳酸菌飲料の中に入っているシロタ株(※乳酸菌の1つ)は、風邪やインフルエンザも防ぐと言われていて、高齢者にとって欠かせません。
スーパーやコンビニで販売されている乳酸菌飲料は、1本に200億個ほどのシロタ株が含まれますが、注文すればシロタ株が400億個含まれている乳酸菌飲料もあります。
昨年には1000億個のシロタ株が含まれる乳酸菌飲料も登場し、ストレスを和らげたり、睡眠の質を高める機能があると話題になっています。
このような取り組みを続け、祖母はその後一度も脱水症状で倒れずに済みました。
介護者がいかに注意深くこまめな水分摂取を見守れるかが、病気の発症や命を救うことにつながるのです。
食事量が急に減ったときは「便秘」の可能性を考える
食欲旺盛な祖母が時折突然、「今日はご飯いらんわ。」と言ったときがありました。
人間誰でも食欲に多少のムラがありますが、祖母の場合極端でした。
例えば夕食にカレー、サラダ、煮物、ミカンを食べた翌日は、ご飯と煮物少ししか食べないという具合です。
少し気になったので医者に相談すると、「便秘の可能性が高いかもしれない。高齢で認知症が進むと便意を感じにくくなる。」と告げられました。
それ以降、食欲不振が続く場合は祖母を病院へ連れていき、浣腸をしてもらうようお願いしました。
ただ、祖母の居住地域が田舎だったので、浣腸をしてくれる病院までタクシーで片道30分程で、診察から浣腸が終わるまででも半日かかっていたので、祖母も私も負担が大きいと思い、週1回の訪問介護を始めました。
訪問介護で週1回浣腸をしてもらってからは、祖母の食欲不振が減りました。
(もちろん、それ以外の原因も考えられますので、詳しくは医者に相談してください。)