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第118回

介護者・要介護者にも重要!エコノミークラス症候群を防止するためのポイント

最終更新日時 2019/12/06
#介護予防
「エコノミークラス症候群」は一体どんな病気でどのように予防していくのが良いのか解説していきます。エコノミー症候群という言葉は、認知度も高いので聞いたことがある方が多いかと思います。東日本大震災では、避難者の6.3~15.5%に血栓ができ、特に、「車中泊をしている」「活発に動けない」などの場合、13.4~42.1% の方に血栓ができてきたことがわかっています。

こんにちは、「有限会社リハビリの風」でデイサービスを管理している阿部洋輔です。

ここ最近、日本各地で災害が多く発生しており、避難所で生活をすることになる方も多くいます。

避難所での生活のリスクはさまざまあり、今回は「エコノミークラス症候群」を取り上げます。

エコノミー症候群という言葉は、認知度も高いので聞いたことがある方が多いかと思います。

東日本大震災では、避難者の6.3~15.5%に血栓ができ、特に、「車中泊をしている」「活発に動けない」などの場合、13.4~42.1% の方に血栓ができてきたことがわかっています。

先日の台風19号で広範囲の浸水被害を受けた長野市では、避難者の方々が「エコノミークラス症候群」になるのを防ぐため、医師や理学療法士らによる団体が活動していたことも報道されました。

それでは、「エコノミークラス症候群」は一体どんな病気でどのように予防していくのが良いのか解説していきます。

災害時に多い!エコノミークラス症候群とは?

長時間ずっと同じ姿勢で足を動かさないでいると、足の血管(特に静脈血)の流れが悪くなり、血栓ができることがあります。

その血栓が、肺に運ばれて肺の血管に詰まってしまうと、血液で酸素を受け取ることができません。

足の静脈に血栓ができる病気を「深部静脈血栓症」といい、血栓が肺の血管をふさぐ病気を「肺塞栓症」と言います。

飛行機のエコノミークラスなどで、長時間ずっと同じ姿勢をすることによって生じるため、「エコノミークラス症候群」とも呼ばれます。

震災関連死で肺血栓塞栓症がクローズアップされたのは、2004年の新潟県中越地震でした。

震災現場や避難所では、肺血栓塞栓症を引き起こす「下肢深部静脈血栓症」になってしまっている避難者の方々が多くいることが判明。

これら2つの疾患を含めた静脈血栓塞栓症は、震災時に「エコノミークラス症候群」として報道されました。

要するに、何らかの理由によりできた血の塊(血栓)が血管に詰まってしまう病気のことです。

また飛行機に乗っていなくても、長時間座って動かない環境になることで、発症のリスクが上がるため注意が必要です。

注意しておきたいエコノミークラス症候群の症状

エコノミークラス症候群の症状と、エコノミー症候群の原因となる、深部静脈血栓の症状をみていきましょう。

病名 エコノミー症候群 深部静脈血栓
症状 突然の呼吸困難 ふくらはぎや太ももの腫れ・痛み
胸の痛み ふくらはぎの突っ張る感じ
歩行時の息切れ 足のだるさ
  • エコノミークラス症候群の症状は、重症の場合には意識を失って、命にかかわることもあります。

また、深部静脈血栓の症状が表れたら、エコノミークラス症候群になる前に対応すると良いでしょう。

エコノミークラス症候群はどういう人に起きやすいか?

エコノミー症候群は、以下のような状態にある人が起こりやすいと言われています。

  • 手術後に入院中の方
  • ベッドで寝たきりになっている方
  • 災害時の避難所生活をしている方
  • 飛行機やバスで長距離移動をしている方

エコノミークラス症候群という名前から飛行機を連想してしまいますが、前述したとおり、長時間ずっと同じ姿勢でいることなどが病気の原因となるため、災害時の避難所生活もリスクのひとつとなります。

これが避難されている方々に、この病気の啓発をする理由です。

そのほか、寝たきりや手術後の方は、災害時ではなく日常生活であってもエコノミー症候群に陥りやすいので注意が必要です。

エコノミークラス症候群の予防法

エコノミークラス症候群の予防法

エコノミークラス症候群を予防するために、以下のことを心がけましょう。

  • 正しい食生活
  • 適度な運動
  • 適切な水分補給

長時間同じ姿勢でいることは避けて、2~3時間に1度はふくらはぎの筋肉を意識して足首の運動を行うことも大切です。

また、ふくらはぎのマッサージをしたり、足が動きにくくならないようにゆったりとした衣服を選んでみましょう。

避難所で行える予防

では実際の避難所ではどのような予防方法があるでしょうか。

まずは以下の項目を、行える範囲で気をつけてみてください。

  • 軽い体操やストレッチ運動を行う
  • こまめに適量の水分を取る
  • アルコールを控える
  • ゆったりとした服装で、ベルトをきつく締めない
  • かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもむ
  • 眠るときは足をあげる

    特に雑魚寝や車中泊になってしまう方は、より適切な足の運動や水分補給を意識してください。

    厚労省が勧める予防のための足の運動

    具体的で比較的簡単にできる運動については以下の通りです。

    • 足の指でグーを作る
    • 足の指をひらく
    • 足のかかとを上げ下げする
    • つま先を引き上げる
    • 膝を両手で抱えて足の力を抜いて足首を回す
    • ふくらはぎを軽くもむ

    方法さえ知っていれば簡単にできる運動ですので、ぜひこの機会に一度行ってみてください。

    最後に一言

    避難所生活をするだけでもリスクが上がってしまうのが、このエコノミークラス症候群の怖いところです。

    そして最近ご病気・手術・入院などをしたことがあれば、さらにリスクが高まってしまいます。

    若い方も自分は大丈夫だろうと過信して、何も対応しないということではなく、いざというときに行える対策は知っておきましょう。

    避難所生活自体が大変なことだと思いますが、その時に少しだけでもご自身や周りのご家族の体調のことに気を使ってあげて下さい。

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