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第9回

認知症の検査は何科を受診する?親を説得するアプローチ方法も紹介!

最終更新日時 2018/01/15
#親の介護
やっててはいけない認知症検査の勧め方は、「買い物へ行きましょう」などと、ウソをついて連れ出すことです。この方法で受診してしまうとその後の家族関係や医師との信頼関係に影響が出ますの止めましょう。

こんにちは。デイサービスで看護師として勤務している、認知症LOVEレンジャーの友井川 愛です。

介護施設で働く看護師の目線で、在宅介護で頑張っているみなさんの介護生活が、少しでも楽になる、そして楽しくなるようなアドバイスをお届けしたいと思っています。

今回は、“ご家族が認知症かも?”と気づいたとき、病院受診の際に気をつけることや検査についてお話しします。

親に拒否されない認知症検査の勧め方

まず、本人の同意も得られた上で受診できるのが一番良いのですが、認知症の方は本人に病識がないことが多いので、受診の促し方が難しいという問題があります。本人が自分の変化に気づいていたら多少は受診を受け入れてもらえるかもしれませんが、大抵の方は受診を嫌がるので注意が必要です。

では、どんな受診の勧め方が良いのでしょうか。いくつかの声かけの方法を見ていきます。

受診の勧め方

  • 「健康診断を受けましょう」とお誘いしたり、「市区町村から検診のお知らせがきているので受診しましょう」と説明してみる
  • かかりつけのお医者さんが勧めていましたよとか、信頼されている方の名前を出してみると素直に受け入れてもらえることもある

やってはいけない受診の勧め方

やってはいけない認知症検査の勧め方は、「買い物へ行きましょう」などとウソをついて連れ出すことです。この方法で受診を勧めてしまうと、その後の家族関係を壊したり、医師との信頼関係を築くのが困難になるので止めましょう。受診であることは伝え、本人の気持ちを傷つけないよう配慮ある誘い方を工夫が重要になります。ただ、どうしても本人の受診が難しいなら、先にご家族だけで受診し医師に相談してみるのも一つの選択肢です。

受診前にはメモを書いておくと、症状や状態の経過を聞かれたときに慌てず正確な情報を医師に伝えられるので良いでしょう。メモの内容は、

  • ①変化が起こった時期(いつ頃、どんな変化に気づいたか)
  • ②変化の内容(具体的に現在どのような変化がみられているか)
  • ③現在の状況(何に困っているか、日常生活は大丈夫か?)
  • ④現在、服用している薬の内容

などの項目です。お薬手帳があれば必ず持参しましょう。

Q.認知症の検査は何科を受診すれば良いの? A.おすすめは脳神経外科、神経内科、精神科

認知症受診を決めたみなさんが次に困るのは、「何科を受診したら良いのか?」ということだと思います。

残念ですが現在の日本では認知症専門医と呼ばれる医師がまだ多くありません。なので、受診する場合は脳神経外科、神経内科、精神科をおすすめしています。それでは各科の得意分野をお話ししますね。

脳神経外科
認知症を脳の病気だと考えれば、多くのみなさんは脳神経外科をまず受診されると思います。脳神経外科は頭のけがや脳の病気、物忘れなどを訴える方が受診され、MRIやCTを使って検査をし、手術が必要ないと判断されたときには神経内科や精神科につなげてもらいます。
物忘れを訴えてきた方は認知症、もしくは脳出血による病気が原因の場合があるので、脳神経外科を受診しましょう。認知症だと思っていたら思わぬ脳の病気が発見されることもあるので、最初の受診には脳神経外科がおすすめです。
神経内科
神経内科は脳、神経、筋肉の病気を診る内科で、脳や脊髄における異常が原因で身体が不自由になる病気を扱っており、認知症は神経内科の代表的な病気です。
神経内科の医師は認知症に対する知識が深く、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症を得意としています。
精神科
精神科と聞くと、ちょっと怖いイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか?しかし、現在では一般的な存在となっているのでご安心ください。
精神科で扱われる病気は精神の病気や気分障害などですが、その中でも認知症と区別が難しい“うつ病”があり、認知症のタイプによってはうつ症状が見られることもあります。
ただし、高齢者のうつ症状は認知症によるものが多いので診断が難しく、医師が誤診して薬を投与し、結果として状態が悪くなる場合もあるので誤診を防ぐためにも別の科で知能検査を行ってから精神科を受診すると良いでしょう。

現在は物忘れ外来も一般的になりつつあるのでお近くの病院にあれば受診してみましょう。他の科よりも気軽に相談できますよ。

Q.認知症検査の内容は? A.看護師による問診、医師の診察、スクリーニングテストなど

まず、受診すると、最初に看護師による問診があります。問診の内容は現病歴、既往歴、服薬歴、家族歴などについてです。そのあとに医師による診察があり、身体の状態などを診ていきます。

そして、スクリーニングテストという認知機能に障害がないかの検査を行います。代表的なものはMMSE(ミニメンタルステート)検査改訂 長谷川式スケール(HDS-R)と呼ばれる検査です。どちらも質問形式ですが、MMSEは見当識、記憶力、言語能力、図形認識力などを判定します。

長谷川式は、主に記憶能力関連の質問で構成されています。MMSEはあまりにも簡単な質問や動作性検査(右手に紙を持ってくださいなど)を含んでおり、高齢者のプライドを傷つける可能性があるので、質問だけで済む長谷川式のほうが高齢者に受け入れられやすいかもしれません。

他には血液検査や尿検査、そしてMRIやCTなどの画像検査と続きます。さてみなさん、ここまできて気づかれましたか?そうです、受診すると多くの検査があり時間も労力もかかります。

一回の受診でこれだけ多くの検査を行うと高齢者の方は疲れてしまうので、身近なご家族が複数で付き添ってあげた方が良いでしょう。そうすれば医師がご家族だけに説明したい内容があるときにも、見守り役として立ち回れます

また、医師による本人への問診も行われるのですが、質問に答えられなかったり、何でも「できます」と言いたがったりしてしまうので、そのときはご家族が質問に答えてあげるようにしてみてください。その際はくれぐれも本人の気持ちを傷つけないようにしましょう。

認知症の専門医や医療機関の情報を知るには?

日本には日本老年精神医学会、日本認知症学会、アルツハイマー病研究会という認知症専門の学会があり、それぞれ専門医の名前や医療機関などの情報がホームページで確認できるので、ぜひ自宅の近くにあるか探してみてください。

公益社団法人 日本老年精神医学会のHPはこちら

日本認知症学会のHPはこちら

アルツハイマー病研究会のHPはこちら

次回は「認知症のタイプ別ケア方法」についてお話ししますね。お楽しみに!

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奥村 シンゴ
よしてよせての会 代表
2018/05/29

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