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第262回

認知症サポーターとはどんな人?役割や活動内容について解説

最終更新日時 2023/06/03
#親の介護
目 次

この記事を読まれている中には、認知症の家族を介護している、もしくは近所に認知症の方が住んでいるという状況の方もいらっしゃると思います。

そんな中増えている存在が、「認知症サポーター」です。

何か特別なことをするのでは?と思われがちですが、認知症サポーターにとって必要なのは、認知症を正しく理解することです。

正しく理解ができれば、日常生活において自然と認知症の方を見守り、支えられる存在になれます。

そこでこの記事では、認知症サポーターについて詳しく解説いたします。

認知症サポーターとは

認知症サポーターとは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症高齢者や家族を見守る方です。認知症サポーター養成講座で学んだ知識を活かし、自分たちのできる範囲で手助けをします。

2023年3月31日現在、1,451万5,636人の認知症サポーターが活動しています。

認知症サポーターが誕生した背景

2004年12月に痴呆から認知症に呼び名が変わり、翌2005年は「認知症を知る1年」と位置づけられました。これを機に、認知症が正しく理解され、認知症高齢者が安心して暮らせるような地域づくりが進められるようになったのです。

人口の高齢化に伴い、認知症高齢者も年々増加しており、家族や介護職員だけではサポートするのが難しくなってきました。そのため、「地域全体で認知症高齢者を支えよう」とする動きが出てきたのです。

このような動きが背景となり、認知症サポーター制度が誕生しました。

画像提供:adobe stock

認知症サポーターの役割

認知症サポーターの役割として特別なことは必要ありません。一番の役割は、地域の中で正しい知識を持って見守ることです。厚生労働省は「認知症サポーターに期待すること」として以下の5つを挙げています。

1.認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。

2.認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。

3.近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。

4.地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。

5.まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。

出典:厚生労働省 認知症サポーター

認知症サポーターになるには

認知症サポーターになるためには、90分の養成講座を受ける必要があります。講師役はキャラバンメイトと呼ばれる方たちです。

講座修了者には、オレンジリングもしくは認知症サポーターカードが手渡され、これが認知症サポーターの証明となるのです。

養成講座については、受講資格や年齢制限は特になく無料で受けられます。講座開始当初から、自治会や企業、学校などさまざまな場所で行われています。

養成講座を受けたい方は、お住まいの高齢者福祉部署、もしくは地域包括支援センターに問い合わせることをおすすめします。

認知症サポーター養成講座基本プログラム

認知症サポーターの活動内容

認知症サポーターの活動は、認知症高齢者を地域において見守りすることです。

具体的なものとしては、以下のようなものがあります。

  1. 認知症カフェの開催及び協力
  2. 地域での見守り・声かけ運動
  3. 認知症サポーター養成講座への開催協力
  4. 認知症高齢者声掛け模擬訓練

それぞれ紹介していきます。

1.認知症カフェの開催及び参加

認知症サポーターの活動内容としてもっとも多いものが、「認知症カフェの開催や参加」です。

認知症カフェは、厚生労働省が2015年に発表した、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の一環です。オレンジプランにちなんで、認知症カフェは別名「オレンジカフェ」とも呼ばれます。

認知症カフェは認知症の方やご家族、地域住民や専門職が交流する場であり、参加者同士の自由な交流、介護に関する相談、認知症に関する講話など内容はさまざまです。

2020年度の実績調査(厚生労働省資料)によると、47都道府県1,518市町村で7,737のカフェが運営されています。そのうち17%はボランティアや地域住民が運営主体でした。

【一例】
熊本県熊本市の認知症カフェ「Team輪」は、熊本県から認定を受けた「認知症サポーターアクティブチーム」の1つです。熊本地震をきっかけとした有志で作られたボランティア団体が運営主体で、認知症カフェの他にも、ふれあい昼食会や高齢者と子どもの交流事業などを行っています。

2.地域での見守り・声かけ

自分たちが暮らす地域で認知症高齢者が暮らしている場合、さりげなく見守りをしたり、困っている人に声をかけたりすることもサポーターの活動になります。また、見守り活動を行うのは個人のサポーターだけにとどまりません。

【一例】
京都府綾部市では、認知症サポーターがいる企業や店舗を「シルバーサポート店」として登録する制度があります。サポート店は、業務の中で、様子が気になる高齢者を発見した場合は、本人に声をかけたり家族に連絡をしたりといった活動を必要に応じて行っています。

3.認知症養成講座への開催協力

「認知症サポーターになるには」でも述べたとおり、認知症サポーターには年齢制限がありません。小学校や中学校においても、児童生徒を対象に認知症サポーター養成講座が行われています。

【一例】
熊本市立隈庄小学校のPTA サークル活動として、2015年に発足したボランティア団体「くまんしょ福祉ネット」では、認知症ジュニアサポーター養成講座を開催しています。

やさしい町づくりを目標として、学校や地域と連携した活動を行っています。

4.認知症高齢者声掛け模擬訓練

徘徊模擬訓練とは、認知症高齢者の方が道に迷って帰れなくなってしまった場合の声かけや対応をロールプレイング形式で学ぶものです。

【一例】
千葉県柏市では、認知症サポーター養成講座受講者のうち、ボランティア活動への参加意欲がある方を「オレンジフレンズ」として登録しています。模擬訓練もオレンジフレンズと、地域包括支援センター、町会が連携して行っているものです。

まとめ

この記事では、認知症サポーター制度や、サポーターになるための方法、実際の活動事例をご紹介しました。

認知症高齢者は年々増えており、誰にとってもひとごとではありません。

そのため、私たち一人ひとりが、認知症に関する正しい知識を持って行動することが重要であるといえます。

認知症サポーター養成講座は、そのための第1歩となるでしょう。興味を持たれた方は、一度養成講座を受けてみてはいかがでしょうか。

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