皆さん、こんにちは。認知症支援事業所 笑幸 代表の魚谷幸司です。
新聞を購読していると、紙面広告や折り込みチラシで介護施設の広告を目にすることがあります。中にはそれを参考に、今後の自分や家族などの行き先を検討される方もいることでしょう。
そこで今回は、介護施設の広告やチラシでチェックすべき点をご紹介します。
施設の種類をしっかり見極める
まずは、チラシに書かれている施設の種類が何なのかを確認してください。介護施設といえば、すべて同じような施設と思われる方も少なくありません。しかし、実際には施設の種類によってサービスは大きく異なります。
広告やチラシで多いのは、介護付有料老人ホーム(介護付)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、住宅型有料老人ホーム(住宅型)の3種類があります。
細かな違いについては省略しますが、この3つを「介護付」と「サ高住・住宅型」の大きく2つに分けて考えてください。介護付は、多くの方が想像する“介護施設”に近いですが、サ高住と住宅型は施設ではなく、賃貸の住宅にすぎないと考えてください。
名前だけを見ると「サービス付き」「老人ホーム」とあることから、介護サービスが付いていると考えてしまいがちです。しかし、そこに大きな落とし穴があります。つまり、元気なときは何ら問題ないのですが、介護など何かしてもらう必要がある状態になったときは、介護保険サービスを「利用する」必要があるのです。
実際にサ高住や住宅型へ行くと、介護士の姿を目にすることがあります。ところが、こうした介護士たちは、あくまで「施設とは関係のない人」という位置づけになっています。そのため、対応してもらえるのは、原則として各入居者の介護計画(ケアプラン)に位置づけられた時間だけになります。

「別途費用」の内訳を確認する
次に、チラシに書かれている費用に注意しましょう。小さな字で追加の費用が書かれてあったり、下の方にさらに小さな字で別の費用について書かれてあることがあります。
具体的には医療費やオムツ代、嗜好品などが別途費用として記載されているのです。在宅介護であっても当たり前にかかる費用なのですが、つい「入居費用」などの大きな字だけに目が行ってしまって見落とすことがあります。気をつけておきましょう。
また、サ高住や住宅型に関しては、介護保険サービスを使って生活をする場合は、その費用も上乗せされることになります。また、介護とは無関係に思える掃除や洗濯でも介護保険サービスの費用として計算されてしまうので、注意が必要です。

見落としがちな3つのポイント
その他、見落としがちですが注意したい3つの項目を挙げましょう。
- 大きく書かれた金額の内訳を見ておきましょう。例えば、食事費用として14,000円/月とあれば、1日にかけているお金が約470円ということがわかります。
- 入居者募集と同時に求人広告が書かれてあるケースがあります。そうした施設は人手不足であると考えられます。十分なサービスが得られるかどうか見極める必要があるでしょう。
- 多くの場所で定められている協力医療機関についても見ておくと良いと思います。地元であれば評判などを知っていることもあるでしょう。これまでのかかりつけ医を継続できるのかも含めて、医療の対応は重要な確認事項です。
実際に入居を検討するときに大事なのは、「必ず」見学することです。場の雰囲気や肌感覚、職員や入居者の対応や表情なども重要なポイントです。広告やチラシの甘い言葉だけに振り回されないように気をつけて、納得のいく介護施設を見つけましょう。