皆さん、こんにちは。認知症支援事業所 笑幸 代表の魚谷幸司です。
介護をしている人は誰でも多かれ少なかれ悩みを抱えています。
そんなとき、少しでもその悩みが和らげられればまた頑張ろうという気持ちになれます。
では、どうすれば悩みは和らぐのでしょうか。
今回は、「介護の悩みを共有するつどいの場の役割」についてお話しします。
介護の悩みを解消するには「人に話すこと」が有効
私がお勧めする方法は、人に悩みを話すことです。
かと言って、誰彼構わず話せば良いわけではありません。
介護のことをよくわかっている人に話すことが重要です。
では介護についてよくわかっている人とは誰なのでしょうか。
医師やケアマネージャーではありません。
否定をするつもりはありませんが、医師は「医療」の専門家で、ケアマネージャーは「介護保険」の専門家です。
よって、答えは介護者または介護経験者になります。
そしてそんな人が集まる「つどいの場」というものがあります。
そして、そのような場を提供している代表的な団体が、私が世話人を務めている「認知症の人と家族の会」です。
次に、「つどいの場」ではどのようなことが行われているか「認知症の人と家族の会」を例にして、具体的に見ていきたいと思います。
「つどいの場」には共有や共感がもたらす効果がある
まずは、簡単な自己紹介をして、参加者同士の立場を認識することから始めます。
そのうえで、はじめて参加されている方がいれば、その方を中心に悩んでいることを聞いていきます。
その後、それを受けてほかの参加者が発言をするのですが、そこに大きな特徴があります。
それは、悩みに対する解決策を提案しないことが多いということです。
専門家に相談をすると、相談に対する解決策やアドバイス、助言をしてもらえることが多いでしょう。しかし、「答えを出すことで悩みのすべてが解決するわけではない」ということを「つどいの場」に参加するようになって、私ははじめて知りました。
解決策以上に悩みを解決するうえで重要なのが、ほかの参加者の共感です。
同じ経験がある人同士だからこそ分かり合うことができて、共感や共有によって悩み事を解決へと導きます。
介護の悩みを1人で抱え込んでしまうと、「こんなにつらいのは自分だけなのか」と思ってしまいますが、そんなときこそ「つどいの場」に出かけることが大切なのです。
そして、話をすることで、悩みを抱えているのは自分だけではないことを知ります。
これだけでかなり気分が変わり、自分の悩みに向き合えるようになるのです。
当初は、暗い表情で後向きに話していた人であっても、最後には晴れやかな顔で前向きな発言をするようになった方を何人も見てきました。そのような私自身の経験から、自信を持って言えることです。
このような場は、同じ悩みを共有する仲間との出会いを提供することで、悩みを解決へと導く役割を果たしています。
皆さんが住んでいる地域にも、各地域に根ざしたこのような会があると思いますので、自治体の介護を管轄する部署や地域包括支援センターと呼ばれる、相談窓口にお問い合わせください。
同じ悩みを抱える方たちが集まる場を探してみましょう
最後に、「認知症の人と家族の会」以外で介護の悩みを抱える方たちが集まる場を提供している団体を2つ紹介します。
なお、詳細は各団体にお問い合わせください。