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第2回

下半身の筋トレで介護予防にも!理学療法士が教える高齢者向けのワンポイントアドバイス

最終更新日時 2017/09/14
#介護予防
日頃から鍛えておきたいのが“下半身の筋力”です。一般的な本で紹介されている代表的なトレーニングを効果的にするワンポイントをお伝えします。ちょっとした一工夫でトレーニングの質が向上し、リハビリ効果もアップします。

こんにちは。「カラダブログ」を通じて病院やクリニックでの経験を発信するカラダの専門家・理学療法士の吉田直紀です。

第2回目の今回は、活動量の低下を防ぐための“下半身の筋力アップ”についてお話ししたいと思います。

時代の進歩によって車や電車、エスカレーター、エレベーターなどが普及することで、日本人はずいぶんと「歩く」機会が減ってしまいました。当然ですが、歩く機会が減れば下半身の筋力も低下します。

それを裏付けるように、厚生労働省は国民健康栄養調査を実施し、ここ10年で1日300歩~400歩程度も歩数が減少していることを報告しました。

特に、高齢者の方であれば歩く機会が減ることによって筋力が低下し、結果的に活動量が低下につながってしまいます。

だからこそ、日頃から鍛えておきたいのが“下半身の筋力”です。

ちょっとした工夫をするだけでトレーニングの質が向上し、リハビリ効果もアップします。動画も用意したので、見ながら実践してみてください。

スクワットのポイントは「膝の位置」!

スクワットは下半身全体を鍛えるトレーニングです。主な効果としては、お尻から太ももを中心とした下半身全体を鍛えること。「下半身が弱くなってきたな~」という人にはオススメのトレーニングです。

ただし、多くの人が知っている下半身トレーニングですが間違った方法で行うと膝を痛めてしまいます。

正しく安全にスクワットを行うポイントは「膝の位置」が重要です。

しかし、膝をつま先よりも前に出したままスクワットを行うと膝に大きな負担がかかってしまうので、膝はつま先より出ないようにして股関節を中心としたスクワットをすることがポイントです。

<正しいスクワットの具体的方法>

  1. ①胸を張って骨盤を起こす
  2. ②股関節にしわを作るようにお尻を下げる
  3. ③スネと体のラインが一直線上になる角度まで下げます
  4. ④膝がつま先よりも前に出ないようにしましょう

<左:悪い例 右:良い例>

膝ではなく股関節周りのお尻の筋肉を使っている感覚があれば正解です。お尻を下げる位置によって負荷が変わるので体の状態に合わせて負荷調整を行いましょう。

膝の痛みを軽減する“膝伸ばし運動”

膝が痛い人が整形外科に行くと「膝を伸ばす運動をしてください」と指導をされると思います。

膝伸ばし運動は、

  • 膝前側にある筋肉の大腿四頭筋を鍛えること
  • 膝裏側にある筋肉のハムストリングスを伸ばすこと

この2つの意味を持つトレーニングになります。

膝がしっかりと伸びて筋力がつくことによって膝の動きが良くなり痛みの軽減につながります。トレーニング方法としては座った状態で膝を伸ばす簡単な運動です。

ここでのポイントは「背筋を伸ばして骨盤を立てること」。つまり良い姿勢を保つことです。

まず何も考えずに猫背の状態で膝を伸ばす運動をしてみましょう。次に胸を張って身長を1センチくらい高くするつもりで良い姿勢を保ち、骨盤を立てたまま膝を伸ばす運動をしてみましょう。

いかがでしょうか?おそらく後者の方が膝裏の筋肉が伸びてきつくなり、太ももの前側の筋肉を使ったような感覚になるはずです。

膝裏の筋肉であるハムストリングスは膝裏~骨盤に付着する筋肉。背筋を伸ばして骨盤を立てることでハムストリングスを最大限伸ばして運動ができるようになるのです。

膝が伸びにくい人は特にこのハムストリングスを伸ばして膝の動きを良くする必要があります。もっとできる人は足首を自分の方に向けて反ってみましょう。より太ももからふくらはぎの筋肉が伸びるようになります。

<正しい膝伸ばし運動の具体的方法>

  1. ①背筋を伸ばす
  2. ②骨盤を起こす
  3. ③膝を伸ばす
  4. ④足首を自分の方に反る

<左:悪い例 右:良い例>

正しく膝伸ばしが行えていれば、膝の前側の筋肉を使った感覚と膝裏が伸びた感覚があります。痛みのない範囲で膝伸ばし運動を実践してみましょう。

股関節の筋肉が弱くなると足が上がりません!

こんな人はいませんか?

  • つまづいてしまう
  • 転んでしまう
  • 歩幅が狭くなった

このような現象の多くは足が持ち上がっていない証拠です。下半身の付け根である股関節の筋肉が弱くなっている可能性があります。

実際に年齢を重ねると股関節の筋力が低下することが分かっています。では股関節の筋力トレーニングにはどのようなものがあるでしょうか?

有名なトレーニングは2つあります。

腸腰筋トレーニング
腸腰筋とは股関節~骨盤~背骨の方まで付いている長い筋肉。体の中心を支える大切な股関節の筋肉です。
一般的な腸腰筋のトレーニングは椅子に座った状態で足を持ち上げる運動ですが、ここでもポイントがあります。
膝伸ばし運動と同じ「背筋を伸ばして骨盤を立てること」が重要。体が丸まっている姿勢で腸腰筋トレーニングを実践しても、効果が半減してしまします。

<正しい腸腰筋トレーニングの具体的方法>

  1. ①骨盤を起こして背筋を伸ばす
  2. ②膝を胸に近づけるようにして動かす
  3. ③体が後ろに倒れないように維持する

<左:悪い例 右:良い例>

 

お尻を鍛えるブリッジ運動
これは大臀筋と呼ばれるお尻の筋肉を鍛えるトレーニングです。運動方法は仰向けから膝を立ててお尻を上げるだけ。
以下の2つのポイントを守って実践してみてください。

<正しいブリッジ運動の具体的方法>

  1. ①アゴを引く
  2. ②膝が開きすぎないようにする

<左:悪い例 右:良い例>

下半身の筋力がしっかりとついてくると、

  • 歩くスピードが上がる
  • 歩幅が大きくなる
  • 疲れにくくなる
  • 痛みやコリが軽減する

などの効果が現れてきます。

生活が便利になり、いつの間にか多くの人が運動不足である現代の日本。運動をしなければ体は衰えるばかりです。私たちの筋肉量は20歳からどんどん低下します。一方で、20歳でも70歳でもトレーニングをすれば筋肉は強化できるのです。

イキイキとした毎日を送るためにも「筋トレ」はとても重要になります。今日から1つだけでも良いので下半身のトレーニングを実践していきましょう。

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