こんにちは。訪問リハビリブログ「リハウルフ」の管理者の杉浦良介です。
理学療法士などのリハビリ専門職員が利用者の自宅に訪問して、リハビリをするサービスはいくつか種類があります。時々「病院からの訪問リハビリテーションと、訪問看護ステーションからの訪問リハビリってどう違うの?」という質問をされることがあります。私は、訪問看護ステーションで3年働き、病院からの訪問リハビリテーションも5年行っていました。
今回は、理学療法士の視点で「訪問リハビリの種類や特徴と事業所の選び方」について解説をしていきます。
訪問リハビリの種類2つ
理学療法士などのリハビリ専門職員が利用者の自宅に行って、リハビリをする事業所は大きく分けて2つあります。
- 訪問看護ステーション
- 病院や診療所、介護老人保健施設や介護医療院
それぞれに医療保険と介護保険のサービス提供方法があります。
リハビリ専門職員が提供できるサービスの正式名称は下記の通りです。
- 医療保険の訪問看護からのリハビリ
- ⇒訪問看護療養費Ⅰ・Ⅱ
- 介護保険の訪問看護からのリハビリ
- ⇒訪問看護Ⅰ5
- 医療保険の病院や診療所からのリハビリ
- ⇒在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
- 介護保険の病院や診療所、介護老人保健施設や介護医療院からのリハビリ
- ⇒訪問リハビリテーション1・2・3
この記事では、以下から下記の表現で説明します。
- 訪問看護からのリハ(医療)
- 訪問看護からのリハ(介護)
- 訪問リハビリテーション(医療)
- 訪問リハビリテーション(介護)
制度上は訪問看護からのリハ(医療・介護)は、訪問リハビリとは言わず、「訪問看護」であるとされています。
しかし、サービスを受ける利用者にとって「リハビリ専門職員が自宅に来て、リハビリを受ける」ということに関しては同じですので、この記事ではすべてをまとめて「訪問リハビリ」という表現をさせていただきます。
訪問看護からのリハと訪問リハビリテーションのそれぞれの特徴
訪問看護からのリハと、訪問リハビリテーションのそれぞれの主な特徴を紹介します。
訪問看護からのリハの特徴
- 事業所に必ず看護師がおり、定期的に看護師も訪問する
- 看護師がいるため24時間対応や、同じ事業所で緊急時訪問なども可能
訪問リハビリテーションの特徴
- 事業所に医師がおり、リハビリ専門職員が医師と連携できる
- 併設しているリハビリ病棟から退院後、入院スタッフと密な連携が可能
ほかにも料金の指示をする医師の違いなど、細かな違いはあります。
しかし、そのような制度は難しいため細かなことはすべて専門職員にお任せしましょう。訪問看護からのリハと訪問リハビリテーションには、共通点が多いです。
主な共通点
- 原則、介護保険では週120分までの利用制限がある
- 利用者の自宅に訪問してリハビリをする
私は両方のサービスを提供したことがありますが、どちらも提供内容は変わらないと思います。提供内容に関しては、事業所やサービスの種類ではなく「誰が訪問するか?」ということの方が違いが出ますね。
利用者にメリットがある事業所の選び方
訪問看護からのリハと、訪問リハビリテーションの事業所の選び方について説明をしていきます。
まず、介護保険の認定を受けていない方で自宅でのリハビリが必要な場合は、訪問看護からのリハの方が良いと思います。
なぜならば、訪問リハビリテーション(医療)は受けるための条件が厳しいからです。主治医が訪問診療をしてくれている場合は主治医に相談してみると良いと思います。
ただ、介護保険の認定を受けていない方は、まずは最寄りの訪問看護ステーションに相談してください。
介護保険の認定を受けている場合、基本的に訪問リハビリテーションは全員介護保険適用となります。しかし、訪問看護からのリハの場合は疾患名によって医療保険になることもあります。
介護保険と医療保険の負担割合をケアマネージャーに手助けしてもらいながら、比較してみてください。そして、どちらを選択しても料金に大差がない場合は、どちらを選択しても良いと思います。
地域によっては、「訪問看護からのリハのみしかない」「訪問リハビリテーションしかない」という場合もあります。明らかに看護師の訪問が必要な状態であり、さらにリハビリの必要がある場合は、同事業所内で連携してもらえるように、訪問看護ステーションを選択することも1つの案としてお勧めします。
訪問リハビリテーションを選択しても、看護師の訪問ができない訳ではありません。看護師の訪問が必要性になった場合には、別の訪問看護ステーションの看護師の訪問を依頼すれば良いですし、ほか事業所でも連携をしています。
一方、訪問リハビリテーションは事業所に医師がいるため、密な連携が可能と説明しましたが、訪問看護からのリハでもかかりつけ医と連携が可能です。在宅での生活は、さまざまな事業所が異なる事業所と連携をして利用者の生活を支援しています。
連携可能なサービスの一部
- 訪問リハビリテーション
- 訪問看護
- 訪問介護
- 通所介護
- 通所リハビリテーション
- 訪問入浴
- 訪問診療
- 薬局
- 福祉用具業者
- ショートステイ
そのため、ほかの事業所でも、連携に関しては安心して良いと思います。
訪問リハビリは時々、相性がいい人やそうでない人が出てくることもあります。担当者のチェンジはなかなかできないですが、事業所を選ぶときにはケアマネージャーに相談して、相性が良さそうなリハビリ専門職員がいる事業所を紹介してもらうと良いと思います。
リハビリを自宅で支援してくれる理想のパートナーが、見つかると良いですね!