「介護予防にはウォーキングをしたほうが良い!」
「運動不足にはウォーキングがおすすめ!」
このような話はよく耳にするのではないでしょうか。
ウォーキングは、誰でも気軽にできる運動ですが、その正しい方法を知っている方も少ないかもしれません。
今回は、高齢者がウォーキングをするときの注意点と効果的な方法を説明します。
参考にしていただき、介護予防や運動不足改善に役立ててもらえればと思います。
高齢者におけるウォーキングの特徴と効果
厚生労働省は、ウォーキングを次のように定義しています。
ウォーキングの特徴としては以下のことが挙げられます。
- 手軽な有酸素性運動
- 膝や腰の疾患を抱えている方でも傷害のリスクが少ない
- 精神面でも開始時のハードルが低い運動
高齢者は加齢により、膝や腰の疾患を抱えていたり、身体機能が低下しており、耐久性がない方も多いです。そのような方にも安心して手軽に実施できるという特徴があります。
また、ウォーキングによる長時間の有酸素運動は、以下のような効果があるとされています。
- 肥満解消や血中の中性脂肪減少
- 血圧や血糖値の改善
- 心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防
- 認知機能低下の予防
有酸素運動によって脂肪が分解されたり、血流の改善に期待できます。また、体に負担をかけると心肺機能の向上が期待されますし、骨に重力がかかることで骨粗しょう症の予防にもつながります。
さらに、脳の血流が良くなるので認知機能の低下予防や介護予防、身体機能の改善に効果的です。ウォーキングは高齢者にとってはとても大切な運動の一つといえます。

ウォーキングの注意点と正しい方法
高齢者がウォーキングを行う際に注意すべきことを7つ紹介します。一つひとつ確認して安全に行えるようにしましょう。
- 1)無理をしない
- 2)準備運動をする
- ウォーキングは軽い運動のイメージがあるかもしれませんが、準備運動が大切です。ふくらはぎ、ふとももの裏側、ふとももの表側、肩、二の腕などの全身のストレッチを行い、怪我の予防をしておきましょう。
- 3)動きやすい服装で行う
- ウォーキングシューズを履き、手や足が曲げ伸ばししやすいジャージなどの運動着をおすすめします。サンダルやスリッパなど安定しない履き物や、動かしにくいジーパンなどは避けるようにしましょう。
- 4)安全な場所
- なるべく平地で、車通りが少なく、見晴らしが良い場所がウォーキングに適しています。
- 5)天候が悪い日は行わない
- ウォーキングは継続することが大切ですが、天候が悪い日は無理に行う必要はありません。雨や雪が降っていると転倒などのリスクが高まります。天候が良い日・時間帯に行いましょう。
- 6)持病がある方は主治医に相談
- 持病を抱えている方はウォーキングをしても問題ないのか、主治医に必ず相談してください。運動が逆効果になる病気もあるので、注意が必要です。
- 7)正しいフォームで行う
- ウォーキング時に歩くフォームを気にしている方は多くないかもしれません。ですが、正しいフォームで行うと効果も大きくなるので、意識しておくのが良いでしょう。
まずは短距離・短時間から開始しましょう。張り切りすぎて長時間頑張ると体を痛めてしまうことがあります。
年齢や基礎疾患などが人それぞれ異なるため、一概に距離や時間を設定することは難しいですが、疲れない範囲から開始して少しずつ距離や時間を延ばしていくことをお勧めします。また、体調が優れないときには控えましょう。
次に正しいフォームについて解説します。
正しいウォーキングのフォーム
ウォーキングの正しいフォームの8つのポイントを紹介します。
正しいフォームのポイント
- 頭を揺らさない
- 目線は真っ直ぐに
- 呼吸は自分のリズムで
- 肩の力は抜いてリラックス
- 肘はやや曲げて腕を大きく振る
- 腰の回転で歩幅を広げる
- 膝を伸ばして踵(かかと)から着地
- しっかりと大地をキックする
特に大事なのは、腕を大きく振り、足を出す際は膝を伸ばして踵から着地することです。正しいフォームを意識して取り組んでみてください。

まとめ
今回は、高齢者がウォーキングをするときの注意点と効果的な方法を解説しました。
高齢になると運動する機会が減ってしてしまいがちですが、そうすると身体機能も低下していってしまいます。
まずは気軽に始められるウォーキングから始めて、介護予防に努めてみるのはいかがでしょうか?
歩数計を使用して歩数を記録したり、歩いた時間を記録したり、ウォーキングを実施した日をカレンダーに印をするなど工夫をすると目標をつくりやすくなるので、継続して行う意欲も湧きます。
ウォーキングを行う際には、ぜひ本記事で紹介した注意点などを参考にしてください。