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第11回

介護にも音楽を!介護者も要介護者もムリなく楽しめて、嚥下訓練や免疫力アップにも期待♪介護予防にもつながる音楽の魅力とは?

最終更新日時 2018/02/01
#介護予防 #嚥下
もちろん、音楽を聴くだけでも効果的というデータもあるので、対象となる人の状態をよく見極めて自分に合った音楽の活用をしてみてくださいね。音楽を聴くだけでリラックス効果やストレス軽減効果があります。高齢者は自分でも気づかないうちに、多くのストレスを抱えています。

くるくる天然パーマのひよっこ音楽療法ライター海月(ミヅキ)ひなたです。高齢者の介護現場向け楽器の開発・販売を手掛ける『ソニフル』で音楽や音楽療法の魅力を発信しています。ぜひ、在宅介護でも音楽を活かした介護を取り入れてみてくださいね。

「音楽が高齢者に良いらしい」ということが、なんとなく頭で分かってはいても、実際にどんな効果があるのかと考えたとき、なかなか思い付かないと思います。

最近では、認知症と音楽療法の関係性についての記事を見かけることが多くなりました。音楽が高齢者へ与える影響は、大きく注目されています。

もちろん音楽が、認知症の方だけに効果的である訳ではありません。高齢者が音楽を日常生活で取り入れることには多くのメリットがあるのです。

そこで今回は、"音楽を取り入れることによって高齢者に期待される効果"について説明しちゃいます。音楽が高齢者に与える良い影響の数々をまとめてみました。

音楽はメンタルケアや介護防止に効果的 音楽を楽しむ5つのやり方

どのようにして音楽を取り入れるのか?高齢の方でも音楽が楽しめる方法で代表的なものは、下記の5つが挙げられます。

  • 1:流れてくる音楽を聴いて楽しむ
    好きな音楽をラジカセで聞くなど
  • 2:流れてくる音楽に合わせて歌う
    みんなで歌う合唱やカラオケなど
  • 3:楽器を演奏して楽しむ
    ギターを弾く、音楽に合わせて打楽器を演奏するなど
  • 4:音楽と動きを合わせて楽しむ
    音楽に合わせた、ダンスや簡単な体操など
  • 5:音楽レクリエーションで楽しむ
    音楽を使ったカード遊びやイントロクイズなど

1は受動的なものですが、2から5にかけては能動的なものとなっています。脳トレやリハビリなど、高齢者にとって能動的な音楽の活用は、あらゆる面で良い影響があるようです。

高齢者は自分でも気づかないうちに、多くのストレスを抱えています。男性であれば会社でバリバリ働いていたときや、女性であれば家事に専念できていたときとは違うものがほとんどです。以下のようなストレスが考えられると思うので、参考にしてみてください。

  • 体が思うように動かないストレス(車椅子生活や、立ち上がる苦労など)
  • 高齢であることを実感すること(以前できたことができなくなっていくこと)
  • 生きていく上での不安(金銭面や介護面で)
  • 健康面での不安(高血圧や夜眠れないなど)
  • 突然襲ってくる寂しさ(とくに、ひとり住まいの方など)
  • 人間関係の不安(息子家族や近所付き合いなど)

歳を重ねるにつれて体が思うように動かず、若いときのように運動してストレスを解消することができなくなります。

そこで、音楽を取り入れてみると、思わぬ変化があるかもしれません。音楽を聴くだけで、このようなストレスを軽減してくれるというデータがあるんです。

また、ストレスの軽減だけでなくリラックス効果もあると言われています。そのため高齢者うつ防止も期待されているので、体があまり動かない方にもおすすめです。

咀嚼や嚥下、呼吸機能の維持

歌うことで咀嚼や嚥下(えんげ)機能、呼吸機能の維持ができるので、元気な方は音楽を聴くだけではなくぜひ歌ってみてください。

歌うことは、咀嚼機能や呼吸機能の維持にも大きな効果があると分かっています。多くの介護施設の音楽レクリエーションで「合唱」を取り入れているのもこのためです。歌うことで期待できる効果をまとめてみました。

歌うことで発声練習になり、発声機能の維持につながる!
歌うということは声を出すことです。以前は普通にできていた言葉の発音がしづらくなることや高い声や大きな声が出にくくなることは、年齢を重ねるごとに声を出す機能が衰えてしまうために起こります。歌うことは、通常のはなし言葉よりも大きな声を出すため、生体機能の維持や改善につながりリハビリになるのです。
話すときに使う器官と、食事のときに使う器官は同じ!
言葉を発するときに使う器官と食事をするときに使う器官は、同じものです。そのため歌うことは、咀嚼機能や飲み込み機能の維持、さらに舌の動きを維持するための訓練としてピッタリでしょう。
肺活量は呼気量にも影響が!
カラオケや合唱で歌うと、自然と呼吸をしますよね。そのため、肺活量や呼気量の維持にも良い訓練と考えられています。高齢者の中には呼吸をすることが苦しく、生活に支障が出ているなんて方も。そんな方はぜひ、積極的に歌うことを日常的に取り入れてみてください。
肺炎など、肺の病気の予防!
歌うことは息苦しさを改善してくれるだけでなく、高齢者に多い誤嚥性肺炎や肺気腫、気管支炎を予防するトレーニングにもなります。さらに、たくさんの酸素を体内に取り入れることができるのも歌うことのメリット。血液のめぐりもよくなり、内臓の衰えを防ぐことにも繋がります。
高齢になると衰える、口腔内の衛生維持!
高齢になると、唾液の分泌が減っていきます。そのため、口腔内の菌が繁殖しやすくなり、虫歯が増えたり味覚に影響が出る可能性もあるのです。食べ物を飲み込む際にも重要となってくる唾液の分泌。これも歌うことで、唾液の分泌が促され口腔内のトラブル防止にも役立ちます。
歌うことで表情筋を鍛え、免疫力アップ!
歌うことは、顔の表情筋も鍛えられます。表情筋を鍛えることで、たるみの解消により美容に良い効果が期待できるだけでなく、がん細胞やウイルスを退治してくれるNK細胞が活性化され、免疫力アップにもつながるのです。

自分で楽しく演奏し、認知機能低下を抑止

楽器演奏は同時にあらゆることを行うため 認知機能低下防止におすすめ!

歌うことよりハードルは上がりますが、楽器演奏はあらゆることを同時に行うため、認知機能低下防止にはとてもおすすめです。楽器演奏のときに必要なのは指先の力。指には脳につながる神経が多くあります。

つまり、楽器を演奏することは脳に刺激が伝わり、脳の活性化も期待できるのです。演奏をすることは、メロディーを聴きながら譜面を見て、頭で考え音を出し、耳でその音を確認することで非常に複雑な手順を踏みます。

そのうえ集中力も要求されるので、音楽を演奏することは脳をフル活用しなければできません。さらに体力に自信があれば、金管楽器や木管楽器、ハーモニカなどに挑戦してみてはいかがでしょうか?

楽器は、歌うことよりも肺活量が必要とされるため、健康にも非常に良い影響をもたらしそうです。

動きと合わせることで、健康面の維持もプラス!

ダンスなど、音楽と動きを合わせることでエクササイズやリハビリにもなります。「リズムに合わせる」ということで脳を使い、ただ運動をするよりもリハビリ効果が高いというデータもでています。

最近では、高齢者のダンス教室も増えてきています。健康維持はもちろん、高齢者同士の交流としてもいかがでしょうか?

もちろん、本格的なダンスである必要はありません。音楽に合わせて足を動かすだけでも十分です。自分の体力や健康状態をよく見て、無理のない程度にしてくださいね。

そして本格的なダンスをする方は、怪我防止のため、踊る前と後のストレッチはしっかりと行いましょう。介護予防をするために始めたダンスで怪我をしてしまっては元も子もありません。

介護施設やデイサービスでは、 趣向を凝らした音楽レクリエーションも!

その他、音楽を使ったレクリエーションはたくさんあります。「音楽と簡単な動きを組み合わせたものや輪唱を取り入れたもの」「カードゲームやクイズを取り入れたもの」は、その多くは介護予防が目的です。高齢者でも楽しんで取り組めるよう、スタッフの方々がさまざまな工夫をしています。そのためバリエーションもとても豊富です。

音楽レクリエーションの目的は、音楽を楽しみながら、みんなでリハビリをすること。他の参加者と一緒に行うものが多いため、「最初は興味がなかったけれど、他の人たちが楽しそうにしているから自分も参加したくなった!」なんて方も多いです。

上手い下手、できるできないは関係ない! 音楽を楽しむことが健康への第一歩!

音楽を楽しむことが、ハードルが高いと感じている方も多いと思います。音楽は大好きだけど、歌うことが苦手だったり、楽器演奏があまり上手ではないと感じていたり、運動が苦手だったりと恥ずかしくなってしまい、体で表現するのが嫌な方が多くいるはずです。

しかし興味はあるのに「うまくできないから…」というだけで諦めてしまうのはもったいないことです。1番のリハビリは楽しむということ。

音楽活動に積極的に関わることは、自己実現態度や自己肯定感が上がったり、幸福感や健康面での不安が解消されるなど、研究のデータからも証明されています。さらに、楽器演奏をやっていたり、ダンスをやっている人は外見が若く見えるという私のデータもあります(笑)。

自分の健康と相談して、無理のない程度に音楽を上手に取り入れてみてくださいね。そして日常生活ではテレビ中心の生活の方も、たまには自分の好きな音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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