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第82回

【薬剤師解説】新型コロナの治療に使える市販薬の選び方は?薬の分類や選び方のコツを紹介!

最終更新日時 2022/09/13
#薬
目 次

【この記事は2022年9月13日時点の情報です】

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ワクチンや治療薬の開発が急ピッチで行われ、有効性の確立した承認薬も増えてきました。

2022年9月現在の情報に基づき、新型コロナウイルス治療薬について、特に高齢者やそのご家族の方々などが知っておくべきポイントをお伝えします。

新型コロナウイルス治療薬の分類

承認済の新型コロナウイルス治療薬は、抗ウイルス薬、中和抗体薬、抗炎症薬の3種類に分類されます。

新型コロナ治療薬の種類
種類 用途
抗ウイルス薬 細胞内に侵入したウイルスの増殖を抑える薬
中和抗体薬 抗体によりウイルスが細胞の表面に付着するのをブロックする薬
抗炎症薬 重症化を防ぐために使われる薬

新型コロナウイルスの主な病態は、発症後数日ウイルスの増殖がみられ、発症後7日前後から炎症反応がみられます。

一般的に発症初期には抗ウイルス薬や中和抗体薬が使われ、中等症・重症の病態では抗炎症薬の投与が行われています。

症状の経過

  • 軽症:呼吸器症状がないか、肺炎所見を認めない状態(酸素飽和度96%以上)
  • 中等症:呼吸困難、肺炎所見がある状態(酸素飽和度94%以上96%未満)または酸素投与が必要な状態(酸素飽和度93%以下)
  • 重症:ICUに入室又は人工呼吸器が必要な状態

症状別に投与される薬

飲み薬の抗ウイルス薬としてラゲブリオカプセル、パキロビッドパックが承認されています。いずれも1日2回5日間服用する飲み薬で、発症後5日間以内に投与を行います。

これらの薬は、感染した希望者全員に処方されるわけではありません。現在は、軽症~中等症であり、65歳以上の高齢者や基礎疾患を抱えた人などの重症化リスク因子がある人が処方対象となります。

ちなみに、アメリカのバイデン大統領は、感染してパキロビッドを服用されたと報道がありました。

飲み薬以外の抗ウイルス薬には、ベクルリー注射薬があります。こちらは軽症~重症の、重症化リスクの高い人が対象となります。アメリカのトランプ前大統領が治療に使われたことでも有名です。

これらの抗ウイルス薬はいずれも発症後に投与される薬となります。

ベクルリー注射薬は高齢者など重症化リスクの高い人が対象

中和抗体薬は、重症化リスクのある軽症~中等症の人だけでなく、重症化リスクのある濃厚接触者の人の発症抑制にも使うことができる点が、抗ウイルス薬と異なります。

現在、ロナプリーブとゼビュディという注射薬が承認されています。これらの薬はオミクロン株については薬の有効性が減弱することが報告されており、ほかの治療薬が使用できない場合に投与されることになっています。

さらに、アストラゼネカ製のエバシェルドという薬剤も8月末に特例承認されました。この薬は筋肉注射ですがワクチンではありません。現在は流通量の関係から対象者が限られています。

新型コロナワクチンを接種できない方やワクチンで十分な免疫が得られない可能性のある方のうち、感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者ではない人を対象に処方される中和抗体薬です。

現在は発症抑制のみに限られた適応となっていますが、今後の流通状況や感染状況によって、対象者や適応が拡大されるかもしれませんので、使用検討にあたっては厚生労働省からの最新の情報を参考にするようお願い致します。

そのほか、抗炎症薬として、デカドロンなどのステロイド薬や、オルミエントやアクテムラといった関節リウマチの治療薬として使われている薬が新型コロナウイルス感染症に承認されています。

これらは肺炎が悪化した中等症の人や、酸素吸入が必要な重症者に使われています。症状が軽いときに使用すると、かえって症状を悪化させるという報告もあるため、早く使えば良いという薬ではありません。

以上が新型コロナウイルス感染症に承認が得られた治療薬です。このほか、現在開発中の抗ウイルス薬や中和抗体薬もあります。

新型コロナの治療薬
販売名 分類 対象者
ラゲプリオカプセル 抗ウイルス薬 軽症
~中等症
パキロビッドパック
ベクルリー注射薬 軽症
~重症
ロナプリーブ 中和抗体薬 軽症
~中等症
ゼビュディ
エバシェルド
デカドロン 抗ウイルス 重症
オルミエント 抗炎症薬 中症
~重症
アクテムラ

すべての人に薬が潤沢に行き渡るまでは時間がかかると思いますが、これか治療の選択肢がさらに増えていくことでしょう。

軽症であれば市販薬でも役に立つ

新たな治療薬が次々と誕生していますが、陽性診断を受けても症状がなければ必ずしも薬を使用する必要はありません。

現在、重症化リスクの低い人は症状に合った薬が処方されることになり、一般的な感冒(かぜ)症状のときに処方される薬と同様の薬が処方されています。

発熱があればカロナールなどの解熱剤が、咳が出ればアスベリンなどの咳止めが処方されており、軽症であれば市販薬でも十分に対応することができます。

陽性診断や濃厚接触者判定を受けてから自分で薬を買いに行くことはできませんので、いざというときのために事前に準備しておくと良いかもしれません。

軽症であれば市販の解熱剤や咳止めも役立つ

これから第8波、9波と感染拡大が続いていくことが予想され、特に高齢者は重症化リスクが高いとされています。引き続き、日ごろからの感染予防策の実施と、免疫力を保つ健康的な生活を心がけましょう。

参照:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き」
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よつばケアプラン 管理者
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