こんにちは。口腔ケア部門を担当している日本デンタルスタッフ学院・学院長の田中法子です。
前回は、口臭の原因の約70%が舌苔(ぜったい)であるというお話をしました(舌苔とは、舌の菌のことです)。
そこで今回は、舌苔による口臭を予防する方法についてお伝えしますね。
口腔ケア対策
私たちが口腔ケアを行なうときは、感染予防のためにいつもマスクをしています。
口の中が湿った空気で満たされると、菌が発育しやすくなります。
そのため長時間マスクをして外した直後に「口臭が強く感じる…」という方も多いのではないでしょうか。
ようするに、ずっと口を閉じていた後は、菌が発育するため口臭が強くなるのです。
そのため、誤嚥しやすい方の口腔ケアの対策として以下のことを実践してみてください。
- 1.食事前や朝起きてすぐに舌ケアをする
- 2.できるだけこまめに水分をとる
- 3.トイレにいったときに軽くうがいをする
- 4.一日一回、できるだけ夜に舌ブラシで舌苔を取る

健常者の方であれば舌ブラシを使うのをおすすめしますが、その場合も保湿ジェルを使った方が舌苔もとれやすく、舌の表面を傷つけないで済みますよ。
食べ物が口臭予防の原因になる
寝る前に牛乳やヨーグルトなど、乳たんぱくが含まれるものを食べることで、舌の表面に無数に広がる「舌乳頭」の隙間に乳たんぱくが入り込み、菌のエサを増やすことになります。

舌の上が白い人は胃腸の動きが悪い、という舌診断がありますが、舌の上が白い方は乳製品や甘い食べ物を好む方が多い傾向にあるのです。
また、口の中がネバネバするような食べ物を頻繁にとる場合も、舌苔が増えやすくなります。
例えば、被介護者がとろみのある介護食を食べることがありますよね。
そういった食べ物は舌乳頭にへばりつきやすいので、まずはスポンジブラシで口腔ケアを行なってみてください。
スポンジブラシを使った舌ケアに慣れてきたら、舌ブラシを使ってみることをおすすめします。
舌ブラシの使い方は「みんなの介護」の介護ちゃんねるでも説明していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
舌ブラシを使う時に注意するポイント5つ
- 1.舌ブラシは水で湿らせる
- 2.舌の表面を横・中央・横、というように奥から搔き出す
- 3.一度行なったら必ず洗う
- 4.口腔乾燥がある方はここで保湿ジェルをブラシ表面に薄く付ける
- 5.舌ブラシも歯ブラシ同様、月一回交換する
口臭ケアのQ&A
- Q.歯みがきを行なった後に、同じ歯ブラシでみがいちゃダメですか?
- A.歯ブラシには見えない雑菌が付いています。歯や歯肉周辺をみがいたもので舌の上をみがかないようにしてください。舌がキズ付く場合もあります。
- Q.舌ブラシを使った後、うがい薬でうがいしたらその後味覚が変わったようになりました。
- A.舌ブラシを月1回変えていますか?古くなった舌ブラシは舌の上をキズ付けます。 その状態でうがい薬を使用すると、エタノールなどの成分が入っていた場合は刺激が強くなり、味覚の変化が起きます。 まずは舌ブラシを変えてみること、そしてエタノールが入っていないうがい薬を使うようにしましょう。
- Q.口臭は胃からもするとTVでみました。舌だけじゃないんですか?
- A.口臭が胃からする場合、胃の消化作用が低下していることが考えられます。 未消化の食べ物が胃に長時間あることで臭いが発生するのです。胃ではない部位として考えられるのは舌の上、もしくは扁桃〜食道に付いた「におい玉」という細菌の塊が付着している場合もあります。 歯みがきのとき、むせる心配のない方はガラガラうがいをするように心がけてみてください。
- Q.舌のケアに重曹を使っても良いのですか?
- A.重曹などを使う方もいらっしゃいますが、重曹のざらざらな粒が喉の奥に残ることもありますし、重曹清拭はPh値が下がる研究報告もあります。 口の中が酸性になり、むし歯の原因になることも。舌苔は月日の経過で付いたものなので、取るのは数回にわけて保湿ジェルなどを使って取るようにしてください。
最後に一言
口臭の予防対策についてのお話しはここまでです。
舌苔は口臭を発生させるだけでなく、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあるため、正しいケアを行ってくださいね。
次回は、口腔ケア用品の選び方についてお話します。