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第53回

【虫歯予防に】歯磨き・うがい用重曹水の正しい使用方法と簡単な作り方を解説!

最終更新日時 2023/11/29
#親の介護 #高齢者の健康
目 次

食用や掃除用のイメージの強い重曹ですが、実は市販の歯磨き剤やうがい液にも配合されていることをご存じでしょうか。

今回は、重曹の口腔ケアに対する効果や、具体的な使用方法についてお伝えします。

重曹のむし歯予防の働き

重曹の化学名は炭酸水素ナトリウムとされており、よく重炭酸ソーダと呼ばれています。この重炭酸ソーダを略して重曹と呼んでいます。ベーキングパウダーの材料の一部としてもよく用いられています。

重曹の大きな作用に、緩衝作用があります。緩衝作用とは、ある程度の酸または塩基の添加や消失にもかかわらず、ほぼ一定のpHを維持する作用のことを言います。この作用は、むし歯予防に効果があるとされています。

口腔内のpHは通常、6.8~7.0の中性に保たれていますが、食事をすると、口腔内の細菌が食物中の糖分などを餌にして酸を産生します。

すると、口腔内は数分で酸性(pHが低くなる)になります。pHが5.5以下の状態が持続すると、歯の表面の成分(カルシウム・リン)が溶かされはじめ、むし歯が引き起こされます。そのため、むし歯予防には口腔内を酸性から中性に戻すことが重要になってきます。

健常な場合は、食事のあとの口腔内は酸性が持続しないように、唾液が働いています

食事により口腔内のpHが低くなり酸性になると、唾液を分泌し、唾液中の重炭酸塩などが口腔内のpHを一定に戻す緩衝作用を起こすからです。

しかし、高齢者の場合は病気や薬の影響を受け、唾液が少なくなっている方が少なくありません。

つまり、食事の後の唾液による緩衝作用が低下し、口腔内はむし歯などのトラブルを引き起こしやすい酸性の状態が持続しやすくなります。

そこで、口腔内を中性にもどす重曹の緩衝作用の働きが注目されているのです。酸性に傾いた口腔内を、弱アルアリ性の重曹水を使用することで、口腔内を中性に戻す助けが期待されるからです。

また、重曹には緩衝作用のほかにも、タンパク質を加水分解する作用があります。この作用を用いて、粘膜に硬く付いている乾燥した汚れを溶解する助けにもなります。

口腔ケアで重曹を使用する方法

口腔ケアで使用する場合は、一般的には1~2%までの濃度の重曹水を作成して行います。

重曹水のつくり方

  1. 500mlの水道水に食用の重曹を5~10g入れて溶かします(重曹はやや水に溶けにくいため注意が必要です)
  2. つくった重曹水は冷蔵庫で保管します
  3. 使用期間は一週間程度です

市販の重曹には、主成分が同じ薬用・食用・工業用の3つの種類があります。

しかし、それぞれの純度が異なっており、口腔ケアで使用する場合は、食用を選択するようにしましょう。

特に、工業用は純度が一番低く、不純物が多く含まれているため、必ず避ける必要があります。掃除用で市販されているものは避け、食用を必ず選択してください。

また、重曹を含有しているうがい用の製品もありますが、こちらは処方薬となっているため、歯科医師など医療機関で相談する必要があります。

重曹水の使用方法

ぶくぶくうがいが可能な場合は、重曹水を口に含み、30秒程度口腔内全体にいきわたるようにして、ぶくぶくうがいを行います。

うがいの後は、重曹水を飲み込まずにしっかり吐き出し、その後、水だけでうがいをします。

ぶくぶくうがいが困難な方の場合は、重曹水をスポンジブラシやガーゼなどに浸して、しっかり絞り、使用することもできます。

しかし、重曹水は口腔内保湿ジェルなどとは異なり、粘膜の上に停滞しにくくなっています。飲み込む機能が低下している方に使用する場合には、水分がのどに垂れ込むことがないように体位も含めて注意が必要になります。

重曹のデメリット

重曹には味、研磨作用、ナトリウムを含むという問題があります。

味の問題では、重曹は苦みが強くなっているため、特にスポンジブラシなどを使用する場合は、苦みにより苦痛を与えることがあります。

また、重曹には研磨作用があるため、歯を削ってしまう危険性があります。ブラッシングは、重曹水を使用する前に行ない、重曹水を使用した直後のブラッシングは避けるようにしましょう。また、重曹水を使用後はよくすすぐ、または、よく拭き取ることが大切です。

加えて、重曹にはナトリウムが含まれているという問題があります。重曹水を飲み込まない限りは問題ないともされていますが、口腔内からもナトリウムを吸収することも考えられます。塩分制限が必要な方には注意が必要です。

重曹の濃度を濃くしすぎたり、1日3回以上の使用はしないように気を付けましょう。

重曹は安価で手に入りやすいものです。そのうえ口腔内を中性に保ちタンパク質を加水分解する良い働きがあります。

一方、口腔内のタンパク質を分解して、口腔内の保湿を助けるものには、口腔内保湿ジェルや口腔内保湿スプレーなどがあります。これらのものも現在は比較的安価で手に入りやすくなってきています。

一人ひとりの状態によって、口腔ケアに使用できるものは変わります。口腔内の状態をよく観察し、歯科などに相談しながら効果的な口腔ケア方法を取り入れるようにしましょう。

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藤野 雅一
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