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第28回

寝たきり高齢者の口腔ケアで家族が注意すべきポイント!誤嚥性肺炎のリスクを減らすには?

最終更新日時 2022/01/26
#親の介護 #嚥下
食と生を支えるコンサルタントナース西依見子です。近年、口腔ケアの重要性が認知されてきました。しかし、ケアの正しい手順がわからず、実際に家族が寝たきりになって、口腔ケアを行うときに途方に暮れる方も多いでしょう。今回は寝たきり高齢者の口腔ケアについて、家族が口腔ケアを行う際の注意点と、失敗しないためのコツを解説します。

食と生を支えるコンサルタントナース西依見子です。

近年、口腔ケアの重要性が認知されてきました。しかし、ケアの正しい手順がわからず、実際に家族が寝たきりになって、口腔ケアを行うときに途方に暮れる方も多いでしょう。

今回は寝たきり高齢者の口腔ケアについて、家族が口腔ケアを行う際の注意点と、失敗しないためのコツを解説します。

まずは「観察」が重要

他者に口腔ケアを行う場合は、しっかり観察しないと汚れが残ったままになったり、痛みを生じさせたりすることがあります。

また、もともと歯みがきができている方でも、寝たきりの状態になると磨き残しをしてしまうようになることはよくあります。そのため、口腔内の観察が重要になります。

当然かもしれませんが、口を開けてもらわないと口の中は見えません。しかし、寝たきり高齢者の場合、口を開けていただけないことはよくあることです。

これには、「痛みがある」「ブラッシングで痛い思いをした経験がある」「口腔ケアをしてもらうとわかっていない」など、さまざまな原因があります。

時には、長期間口を開ける頻度が少なくなって、頬の筋肉が固まってしまい、口を開けなくなったといったケースもあります。

このように口を開けていただけない原因はさまざまあっても、声掛けは共通して必要になります。口腔内はとても敏感な部位ですので、無言で突然触れられると、人の防御反応として口を閉じてしまうことが多いからです。一言声を掛けることが必要です。

体の中でも比較的感覚の鈍い部位である肩に軽く触れながら、「これからお口をきれいにしますよ。とても気持ちいいですよ。痛くないようにやさしくしますね」などの声掛けを行うと良いでしょう。

難聴のある人の場合は大きく低い声で行う必要がありますが、基本的にはやさしい声で話しかけるようにしましょう。

口を開けてもらうために声掛けが大切

口を開けてもらえたら、口腔内をよく観察しましょう。口腔内は狭い空間になっているため、上あごや奥の歯などは見えにくくなっています。そのため、LEDのペンライトなどを使用すると良いでしょう。

ペンライトは100円ショップなどで手軽に手に入るものでも大丈夫です。使用時は目に当ててしまうと眩しすぎて苦痛を与えてしまいますので、目には光を当てないように気を付けましょう。

適切な介助で口腔ケアを行う

寝たきり高齢者の場合、歯ブラシなどの物品の準備、口腔ケアに適した体位の調整、ブラッシングや粘膜のケアを家族などで行う必要があります。効果的に口腔ケアするためには、それぞれに合わせた必要な介助を行いましょう。

介助を行うためには要介護者自身でできることと、こちら側で行うべきことをまず考えます。物品の準備、姿勢調整、歯みがき、粘膜のケア、義歯の管理、それぞれで考えてみましょう。

また、介助が必要になっても、すべてにおいて手伝う必要がある場合と、本人である程度でき、部分的な介助で良い場合があります。

もし、少しでも本人が歯ブラシを持ってブラッシングできるのであれば、自身でできる範囲で行ってもらうと良いでしょう。しかし、磨き残しなどがある場合も多いので、最後には口腔内の観察を行い、仕上げ磨きを忘れないようにしましょう。

誤嚥を予防する

ベット上で寝ている時間が長くなると、筋肉が固まりやすくなります。嚥下(えんげ)に関わる筋肉も、下肢や体幹の筋肉と同様に、機能が低下し硬くなることがあります。

高齢者は加齢とともに飲み込む力が低下しやすくなっており、加えて寝たきりの状態では、さらなる低下が生じている場合が多くあります。そのため、口腔ケア時の唾液や水分を誤嚥しないように気をつけることが大切です。

また、嘔吐による誤嚥にも注意しましょう。寝たきりの方の中には、胃ろうから栄養を摂っている方もいます。

口から食事を摂っている方は、食後に口腔ケアを行うことが大切です。しかし、胃ろうを使用している人は、口腔ケア時に気持ちが悪くなっても自分から伝えられない場合が多々あり、突然に嘔吐してしまう危険性があります。また、飲み込む機能が低下している人が多く、嘔吐物を誤嚥する危険性も高くなります。栄養の注入中や注入直後は避けるようにし、口腔ケアのタイミングに注意しましょう。

寝たきりの高齢者の硬くなった筋肉を、口腔ケア前に少しでもやわらかくすることで、より心地よく口腔ケアをさせていただけることがあります。

背中から肩の筋肉をマッサージする

そこで着目してほしいのが、背中から肩の筋肉です。手のひら全体で背中に触れ、表面の皮膚を動かすように背中から肩にかけてリラクゼーションを行うと良いでしょう。

肩に触れると痛みがある方もおられますので、その場合は無理に行わないようにしましょう。背中から肩にかけてリラクゼーションを行うことで、筋肉がやわらぐだけでなく、口腔ケアをリラックスして受けていただける状態を整えることが期待できます。

背中から肩の筋肉をマッサージしてやわらかくする

また、「口から食べていない」「水分にトロミ剤を使用しているが、口腔ケア時に水を飲み込んでしまう」といったケースでは、口腔ケア時の誤嚥が生じやすくなるため、注意が必要です。

水を使用しての洗浄を行わず、市販の口腔ケアティッシュなどを使用し、拭き取るなどして口腔ケアを行うとより安全にできます。

また、歯ブラシはやわらかめのナイロン毛の小児用のものが使用しやすいです。加えて、口の奥は嘔吐を誘発しやすので、触れないようにして行いましょう。

口腔ケアが終わった際は、「お疲れ様です。ご協力をありがとうございます」などのねぎらいの言葉をかけることも忘れないようにしましょう。

今回は一般的な寝たきり高齢者の口腔ケアの注意点と、コツについてお伝えしました。個々の状態により、注意点は変わってきます。それぞれに合わせた心地よい口腔ケアを行いましょう。

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中川 恵子
医療・介護・健康専門ライター
2022/01/25

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