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第27回

マスク着用が虫歯や歯周病のリスクに?口腔トラブルを防ぐ3つの対策とは

最終更新日時 2021/12/27
#介護予防 #高齢者の健康
皆さん、こんにちは。食と生を支えるコンサルタントナース西依見子です。マスクを着用する生活が日常化すると、口腔周囲の筋力の低下、歯垢の増加、唇が荒れる可能性が考えられます。口腔周囲の筋力を維持しながら、口角炎や口唇炎、虫歯や歯周病を予防するためにいくつかの対策を行うことが大切になります。今回は、そうした対策についてポイントを解説いたします。

皆さん、こんにちは。食と生を支えるコンサルタントナース西依見子です。

マスクを着用した生活が日常化しており、今後も感染予防のため、現在の生活は続きそうです。しかし、感染予防には必須のマスクですが、マスクの着用は注意をしないと、口腔周囲への好ましくない影響が生じる可能性も考えられます。今回は、日常生活でマスク着用を続けながらも、口腔周囲への影響を最小限にする対策についてお話しします。

なぜマスク着用が口腔に悪影響を及ぼす可能性があるのか

マスクの着用による影響については明らかにはなっていません。しかし、口腔周囲筋力の低下、歯垢の増加、唇が荒れる可能性が考えられます。

会話などの減少が口腔周囲の筋力を低下させる

まず、一つ目の影響は、口腔周囲の筋力の低下です。

新型コロナウィルス感染症の影響で外出を制限し、友達に会うことやコミュニティーに参加する機会が少なくなってきています。そうすると、会話や歌う機会が減少します。デイサービスでカラオケをする機会もなくなったという施設もあるのではないでしょうか。

口腔周囲の筋力は、歌う、話すなどの行為を日常的に行うことで維持されています。これらの筋肉を使わないと、噛む、飲み込むといった嚥下(えんげ)に関する機能低下につながる可能性があります。

特に高齢者は、加齢の影響を受けやすく、全身の筋力と同様に口腔周囲の筋力が低下しやすくなっているので注意が必要です。

マスク内の皮膚表面温度が上昇して歯垢が増えやすくなる

次の影響は歯垢の増加です。細菌は栄養・温度・湿度の3つの条件がそろうと増えやすくなります。しかし、マスクを着用することで、マスク内の皮膚表面温度は上昇するとされています。加えて、上記のように口腔周囲筋を使わないと、歯の汚れを防いでくれる唾液の口腔内循環も低下しやすくなります。マスク着用生活で、口腔内を不潔にしていた場合、通常時よりも細菌が増え、歯垢がつきやすくなる可能性があります。

マスクに触れて口唇が荒れやすくなる

三つ目の影響として、唇が荒れやすくなることです。特に口唇は敏感な部位ですので、マスクに接触することで、摩擦が生じて荒れやすくなります。これから外気の乾燥した季節となりますので、摩擦に乾燥が加わるとさらに、口唇のトラブルが生じやすくなります。

マスク着用による3つのリスク

マスクを着用していると、口を開いていることが意外に多い可能性があります。これは、マスク着用により人から見えないため、口元が緩んでいることも考えられます。

一般的な不織布マスクでは、呼吸への影響はほとんどないといわれています。しかし、体力が低下している高齢者の場合は、マスクを着用して動くことにより、呼吸に負担がかかる可能性は否定できません。鼻からの呼吸で負担があると、口から呼吸する頻度が高くなることが予測されます。口からの呼吸は、口腔内の乾燥の原因となり、乾燥すると汚れがつきやすくなります。

マスクを着用することで生じやすい疾患

口腔周囲の筋力が衰えてくると、「咀嚼しにくくなる」「飲み込みにくくなる」といった症状が生じやすくなります。

特に舌は比較的大きな筋肉なので、飲み込みの機能低下を予防するためにも大切な機能を果たしています。

また、歯垢の増加は、放置しておくと虫歯や歯周病の原因となります。特に、高齢者では歯周病の罹患率が高いため、歯周病の影響がより深刻になる可能性があります。歯周病は糖尿病や心血管疾患などに関与していることがわかってきています。

マスク着用による口唇の荒れは、免疫力の低下している高齢者では、口角炎や口唇炎の要因になります。口唇は敏感な部位であるため、痛みも感じやすくなっていますので、疼痛の原因になりやすく、注意が必要です。

対策で大切なこと

口腔周囲の筋力を維持しながら、口角炎や口唇炎、虫歯や歯周病を予防するためにいくつかの対策を行うことが大切になります。

口腔周囲の筋力を維持するための対策

加齢とともに衰えやすい口腔周囲の筋力でも、使うことで筋力低下を予防できます。そのため、たとえマスク生活だとしても日常的に使用する必要があります。特に、口唇や舌を動かすことを意識するとよいでしょう。

マスクを着用していると、口元の動きには気づかれにくいので、口唇を「いー」と横に思いっきり引く、「うー」と思いっきり口をすぼめるなど、マスクを着用していてもできる運動がおすすめです。口唇の動きが悪いと、食事時に口元が緩みやすく、食事中の食べこぼしにもつながります。高齢によって「食事のたべこぼしで服を汚してしまう」という場合、口唇の動きが低下している可能性があります。年齢を重ねても美しく食べられるためにも、ぜひ行ってみてください。

また、「話す」「歌う」という行動は、舌や頬など口腔周囲の筋肉を自然と動かしており、筋力維持のための重要な行動です。電話やオンラインを可能な範囲で活用し、誰かとコミュニケーションをとることを心がけると良いでしょう。

口角炎や口唇炎、虫歯や歯周病を予防するため大切なこと

口腔ケア時には、口の中のケアだけでなく、口唇のケアを含めて行うことが大切です。

口角炎や口唇炎、口角に傷ができると、開口時に痛みが伴いやすくなるため、口腔ケア時に最初のステップとして口唇ケアを行いましょう。一般的なリップや口腔内用の保湿ジェルを、口角を含めた唇全体に塗り、口唇ケアを行ってください。また、マスクの上から手で唇を触らないように気をつけましょう。

口腔ケア時には、歯垢を増やさないように、食後、眠前、起床時にしっかりブラッシングを行うことも大切です。マスクを着用していると、「口が汚れていても他人に気づかれないからいいや」と、口腔ケアをしなくて良いと思われる方もいるかもしれません。しかし、マスクを着用していたとしても、口腔ケアは大切です。口腔内細菌が増えやすいのは夜間の寝ている時間です。そのため、食後だけでなく、眠る前、起きた時の口腔ケアは忘れないようにしましょう。

マスクで隠せても口腔の汚れに気をつけよう

今回は、マスク着用による影響をお伝えしましたが、これらの影響は現状では明確ではありません。しかし、少しでも対策を行い、虫歯、歯周病、口角炎、口唇炎を予防していくことは、感染予防の観点からも大切です。個々の状況に適した方法で口腔ケアを継続していただければと思います。

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端場 愛
管理栄養士
2021/12/31

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