皆さんこんにちは。陽だまりのnekoの夢のmaruこと井上百合枝です。
「介護」にはストレスがつきものだと筆者は認識しております。皆さまがお仕事や家事、場合によっては学校に行ったり勉強をしながら介護されていることや、ご本人やご家族とのバランスを取りながら介護してくださっていることに深く敬意を表したいです。
今回は「適度なストレスと過剰なストレスの見分け方」についてお話したいと思います。
人間には適度なストレスが必要
さて、私が受けている相談や面談の際に、必ず介護者、またはご本人へ以下のことを確認しています。
- 夜は眠れているか
- 食事は取れているか
- 排泄は順調か
- 体調や気分の悪いところはないか
これらの質問で、生活リズムや環境の変化、水分摂取量、体調不良の原因を簡易的に推し量っています。
ストレスも度合いによって良い作用をもたらす
とはいえ、「ストレス」と聞くと悪いことばかりのように捉えられがちですが、実は人間には適度なストレスが必要とも言われています。
以下は、ストレスだと感じる原因と、それによってもたらされる良い効果の一例です。
- プレッシャー…頑張る力につながる
- 他者との関係…これなしには人間の社会生活は成立しない、支え支えられる関係
- 情報…大切な情報によって私たちは助けられている
- 天気や気温、環境…一定でないほうが、体のさまざまな機能は向上・順応・進化する
しかし、これらのストレスが過剰供給になると、私たち人間の心身に悪影響を及ぼすことがあるのです。
人と会うストレスがなくなった結果、発声機能が低下した
2020年の今年、春先からコロナ禍が発生しました。介護者・要介護の方の中にも、ライフスタイルが大きく変わった方もおられると思います。以下は、筆者の知り合いで、この春からの生活に大きな変化があった方のお話です。
この春からコロナでリモートワークになり、人と会うストレスも減って、初めのうちは嬉しかったです。
でも、1・2週間この生活が続いていると不思議と人恋しくなるんですよ。あんなに人に会うのが煩わしいと思っていたはずなのに、誰かに会いたくなるんです。ずっと自宅で1人作業していると、声が出なくなっていたことに驚きました。不思議なものです。
このお話は、リモートワークになってはじめはストレスから解放されたけれど、ストレスから解放される時間が長く続いた(過剰になった)ことで「新しいストレス」が生じ、発声機能が低下してしまったという出来事です。このようなことからも、人間の生活にとって「適度なストレスは必要」ということは理解していただけるでしょう。
「ストレスチェック」で負担度合いを測ろう
では、「適度なストレス」と「過剰なストレス」はどのように見分けたらよいのでしょうか。そこで活躍するのが「ストレスチェック」というもの。ストレスチェックは主にセルフチェックで行われることが多く、自分にどのようなストレスがかかっていて、それらを自分がどのように感じているかを客観的に計る尺度の1つです。
同じストレスの要因となるストレス因子でも「心地よい」「何も感じない」と感じる人もいれば、「苦しい」「嫌だ」「逃げ出したい」と感じる人もいます。ストレスに対する感じ方は個々によってさまざまというわけです。
ストレスや心の状態を客観的に判断するために、カウンセリング等の場面では「ストレスチェック表」がよく用いられます。お仕事をされている方でしたら、2015年12月から企業でのストレスチェック制度が導入され、健康診断などで実施されることをご存知の方も多いでしょう。
ストレスチェック表は実に多種多様です。介護に特化したものもあれば、そのほかのさまざまな仕事に特化したものもあります。今回は、筆者がカウンセリングなどの場面で使用しているストレスチェック表の中で代表的な項目をいくつか挙げてみますので、セルフチェックしてみてください。
- 些細なことに腹がたったりイライラする
- 寝つきが悪く、夢を見ることが多い
- 気分が沈みがち
- 食欲が低下し、体重が減少した
- 下痢や便秘を繰り返す
- 急に息苦しくなったり、胸が痛くなる
- 手や足が汗をかき、冷たく感じる
いかがでしたでしょうか?分析については言及しませんが、チェック項目が多かったり長期化している場合は、ケアマネージャーや主治医に相談をすることをお勧めします。ストレスチェックはインターネットサイトでもいくつか紹介されており、オンライン評価できるものもありますので、参考にしてみるのも良いでしょう。
今回は、ストレスチェックについて書かせていただきました。今日が皆様にとって心地よいストレスが多い日でありますように。