みなさんこんにちは。陽だまりのnekoの夢のmaruこと井上百合枝です。
前回まで2回に渡って、介護をする方のメンタルコントロールの方法についてお伝えしてきました。
今回は、介護者であるご家族と同じくらい、在宅介護の鍵をにぎる、ケアマネジャーとのコミュニケーションに着目してお話しをしていきます。
お付き合いを「頑張りすぎていませんか?」
まず、以下の設問について、ご自身の考えや感想を「はい」か「いいえ」で率直に思い浮かべてみてください。
- 設問1 私(介護者及び被介護者)は、担当のケアマネさんと上手くいっている。
- 設問2 担当のケアマネは、私の話をよく聞いてくれる。
- 設問3 担当のケアマネは、よくアドバイスや情報提供をしてくれる。
- 設問4 担当のケアマネがくれるアドバイスは、私の意向に概ね沿っている。
- 設問5 私のケアプランは、担当のケアマネと私が一緒に立てている。
- 設問6 私は、ケアプランを実行すると、達成感や目標としていた効果が得られる。
- 設問7 私は、担当のケアマネと話をすると、嬉しくなったり、気持ちが軽くなったりする。
- 設問8 私は、担当のケアマネから聞かれたことは、不安なく何でも話せる。
- 設問9 私は、私や家族の状況に変化があったときには、気兼ねなく担当のケアマネに話すことができる。
- 設問10 私は、担当のケアマネを信頼できている。
- 設問11 私はケアマネジャーと会えることが、楽しみである。
いかがでしたか?「はい」が多かった方、「いいえ」が多かった方、ともにおられることでしょう。どちらが多くても、間違っているとか、ダメだとかということではないことを、あらかじめご承知おきください。
さて、私の持論ですが、この設問で「はい」が多い方は、比較的ケアマネジャーさんとのコミュニケーションや関係が良好なのではないかと考えています。
一方で、「いいえ」が多い方は、介護者や被介護者の方が、ちょっと頑張り過ぎたりしているのではないか、と感じます。
あなたが話の聞き役になっていませんか?
設問2「担当のケアマネは、私の話をよく聞いてくれる」は、他のどの設問にも通じています。つまり、ケアマネジャーとのコミュニケーションでは非常に重要なポイントになるのです。
少し角度を変えて、設問3「担当のケアマネは、よくアドバイスや情報提供をしてくれる」が「はい」に該当した方はいますでしょうか?
実は「はい」の場合でも、注意して考えて欲しいことがあります。それは、あなた(介護者及び被介護者)が、ケアマネジャーさんの話の聞き役になってないないか?ということです。
もし、あなたが聞き役になっているとすれば、ケアマネジャーからのアドバイスや情報提供はあなたにとって、本当に有意義な内容になっているでしょうか?
有意義になっていなければ、毎月1回以上は来訪するケアマネジャーの熱の入った話を一方的に聴くのは、かなりエネルギーのいることだと思います。
担当ケアマネジャーが帰ったあとに「あ~終わってホッとした~」なんて、もし感じていたら、あなたは少し優し過ぎて、ケアマネジャーに合わせ過ぎているかもしれません。
もしくは、「いつも話しばかり聞かされて、私のことをちっとも分かってくれていない」と感じているかもしれません。
これでは、あなたはケアマネジャーに話したいことも話せなくなってしまいますよね。
元々、ケアマネジャーは中立的な立場から、あなた(ここでは特に被介護者)の尊厳を尊重し、あなたやあなたの家族が自立した生活を安心して安全に送れるように、心身状況や家庭環境に必要な医療やサービス・制度・地域へと繋いでいく役割を担います。
そのため、ケアマネジャーはあなたやあなたの家族の意見や言葉を丁寧に聞き、その意向を最大限尊重し、あなたの目標や目的が達成できるように支援していくのです(参考:厚生労働省ホームページ「制度的に位置付けられた介護支援専門員の業務について」)。
あれ?と、お気付きになったでしょうか?そう、ケアマネジャーは、まずはあなたやあなたの家族から、あなたの生活や状況・思いなどの話を聞かせてもらう人なのです。
このことができて初めて、あなたとケアマネジャーは有効なコミュニケーションがとれ、以下の設問4~10に繋がっていくといくのです。
ケアマネに会うことを楽しみと思ってほしい
さて、もう一度うかがいます。あなたは、担当ケアマネジャーに話を聞いてもらっていますか?
もし、話を聞いてもらっている実感がないなら、「今日は、私の話を聞いてもらえますか?」などとケアマネジャーさんに伝えてみてください。そして、最近あったことや変わったこと・感じたことなどを、話してみてください。
しかし、人と人とのお付き合いですから、それでもどうしても上手くコミュニケーションがとれない場合もあります。
そのときは、あなたは頑張ったり我慢したりし過ぎずに、”ケアマネジャーの変更”をしましょう。
介護保険制度では、要介護1~5の方は他のサービスと同様にあなたの意思でケアマネジャーを選択できます。
ケアマネジャーの事業所内に、何人かケアマネジャーがいる場合には、別の担当者に変更してもらうこともできます。
また、ご自宅でサービスを受けている場合には、他の事業所にケアマネジャーを変更することも可能です。
どこに、どんなケアマネジャーがいるかわからないときは、担当圏域の地域包括支援センターに相談してみましょう。あなたに有意義な情報をくれるかも知れません。
また、サービスの利用先で、職員やサービスを利用している他の方から情報を得るということも可能です(※介護保険制度では、要支援1・2の方は、基本的には事業所の変更はできない仕組みです)
最後に、設問11「私はケアマネジャーと会えることが、楽しみである」。
これは、私のケアマネジャーとしての希望です。
皆様に待っていてもらえるケアマネジャーになりたいものです。