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第25回

介護現場における接遇の悪い例・適切な距離感を解説!利用者への馴れ馴れしい態度に注意しよう

最終更新日時 2019/04/23
介護サービスを提供して報酬を得ている介護の仕事は、大きな意味では接客業と言えます。今回は、介護職の方が最も難しいと感じていることの多い「利用者さんとの心の距離の取り方」についてお伝えしたいと思います。

はじめまして。介護の教科書「介護✕メンタル」を担当することになりました、HOTシステム株式会社の代表取締役で、ケアコンサルタントの蜂谷英津子です。

私は、大手デパートや外資系ホテルのVIPゲストの接客を経て、全国に介護事業所を運営する企業で介護職の人材育成の仕事をしていました。

その後、HOTシステム株式会社を設立し、現在は介護職員向けの研修や講演の講師を務めています。

今回は、介護職の方が最も難しいと感じていることの多い「利用者さんとの心の距離の取り方」についてお伝えしたいと思います。

利用者様に対する接し方が馴れ馴れしくなる理由

利用者様に対する接し方が馴れ馴れしくなる原因と改善方法についてお伝えしますね。

介護職として働く方のほとんどは、利用者さんに対する優しい心を持っています。

ただ、その気持ちを態度や言葉にして表すことが、得意でない方も多いと思います。

介護サービスを提供して報酬を得ている介護の仕事は、大きな意味では接客業と言えます。

ただ、介護の仕事は一般的な接客業とは違い、利用者さんの日常生活を支援する仕事であるため、入浴や排泄といったプライベートな介助をすることがあります。

そのような仕事柄、お客様(利用者様)との距離が近くなるため、だんだん「馴れ馴れしく」なってしまう方が多いのではないでしょうか。

「親しみ」と「馴れ馴れしさ」は違います

それでは、「親しみ」と「馴れ馴れしさ」の違いについて考えてみましょう。

「親しみ」とは、なじみがある、身近である、心に隔てがないという意味です。

親しみがあるとは、相手に対する思いやりや尊敬の気持ちがあり、礼儀正しい振舞いができる態度のことです。

一方、「馴れ馴れしさ」とは、それほど親しい間柄でもないのに、打ち解けすぎて、遠慮がなく、ぶしつけな態度や振舞いをすることを指します。

「馴れ馴れしい」とは、相手の気持ちを無視した、礼儀を欠く態度のことなのです。

親しみと馴れ馴れしさの違い
親しみ 馴れ馴れしさ
快感(良いイメージ) 不快(悪いイメージ)
身近である 遠慮がない
礼儀がある 礼儀を欠く
信頼がある 友達感覚
相手への尊敬の気持ちがある 相手の気持ちを無視している

多くの介護職の方は、利用者さんに対して、始めは親しみを持って丁寧に応対します。

しかし、同じ利用者さんに何度も接しているうちに、利用者さんとの距離が縮まり、だんだん馴れ馴れしい対応をしてしまうこともあります。

自分は「親しみ」を持って接していると思っていても、相手は「馴れ馴れしく」感じていることもあるので注意しましょう。

それでは、利用者様と職員の方が馴れ馴れしい関係になるとどのようなことが起きるでしょうか?

特定の利用者さんと馴れ馴れしくなると個人的な関係になりやすい

特定の利用者様と馴れ馴れしい関係になると、利用者と介護職という関係を外れ、個人的な2人の関係になってしまいがちです。

そうすると、お互いに遠慮がなくなり、利用者さんもその職員に対して、他の利用者さんとは違う特別な関係を求めてしまいます。

特に、訪問介護などの一対一の業務では、ケアプランにないことを依頼されることにつながり、施設介護では、「いつも私を一番に優先して欲しい」とか「誰よりも私の話を長く聞いて欲しい」などの期待を持たせてしまうことにつながります。

一方、介護職の方は、個人的な視点に立ってしまうことで、職業人としてのマナーが失われて、遠慮のない、上から目線の言動になりがちです。

そのため、介護職の方は仕事として「利用者の介護」をしているという意識を、常に持って働くことが重要だと思います。

馴れ馴れしい関係にならないための対処方法

利用者さんやご家族に満足してもらえる介護サービスを提供するには、介護の知識や技術だけでなく、社会人としてふさわしいマナーを身に付けることが必要だと思います。

マナーとは、相手を不快にさせないための言葉づかいや立ち振る舞いのことです。

ルールは守らなければ罰則がありますが、マナーは守らなくとも罰則はありません。

しかし、マナーを守ることでお互いが気持ち良く過ごすことができます。

マナーは、自分の気持ちをより的確に相手に伝えるためのスキルであり、相手のことを思いやり、その場に合った対応ができるバランス感覚が求められます。

しかし、一般的な「ビジネスマナー」をそのまま介護現場で持ち込むと、利用者さんがよそよそしく感じてしまい、距離が開きすぎてしまう可能性もあります。

私は「介護には介護に適したマナーがある」と考えています。

少し丁寧な言葉を使うだけで、さまざまなことが改善される

利用者さんは職員の表情や態度、言葉からさまざまなメッセージを読み取ります。

常に穏やかな表情や態度で接することで、利用者様に安心感や信頼感を与えることができます。

表情や態度などの非言語メッセージは、言葉である言語メッセージと深い関係があります。

マイナスの言語メッセージはマイナスの非言語メッセージにつながり易いので注意しましょう。

例えば、大きな声で「立って」「座って」と伝える場合、威圧的な語調や厳しい表情になり易く、利用者様は叱られているような気持ちになります。

しかし「立ちますか?」「座りますか?」という少し丁寧な言葉を使うだけで、語調もやさしくなり、表情も柔らかくなります。

そのため、より介護職の方の利用者さんを気づかう気持ちが伝わるのです。

利用者様との「心の距離」が縮まることで多くの利点がある

介護の仕事では、利用者さんとの「心の距離」が縮まることで多くの利点があります。

例えば、利用者様に近づくことで初めてわかることや、普段なら他人には話さない事柄を話してくれることもあります。

一方、利用者さんに近づき過ぎることの欠点もあります。

介護職の方には、介護のプロとしてこのような利点と欠点を自覚して、利用者さんと「程よい距離」を保つことで、利用者様が満足する介護サービスを提供していただきたいと思います。

また、それは介護職の方の立場を守ることにもつながります。

具体的な表情や態度、言葉づかいの改善方法については、次回以降で詳しく説明しますね。

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