食物繊維が豊富で、糖の吸収を抑える
食物繊維が豊富なオートミール
オートミールは食物繊維が豊富で、高齢者にもおすすめの食材です。
食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通って大腸まで達し、整腸作用、便秘改善、血中コレステロール濃度の低下などの効果があります。
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維は、水分を含むとゲル状になり、便をやわらかくする働きがあります。そのほか、小腸での栄養素の消化吸収を遅らせることにより、食後の血糖値上昇をゆるやかにしてくれます。
一方、不溶性食物繊維は大腸を刺激して排便を促してくれる効果があるので、便秘予防に効果が期待できます。
オートミールは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく含んでいるため、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれるのです。
『日本食品標準成分表2020年版』によると、オートミールの食物繊維の総量は100g当たり9.4g。これは、一般的に食物繊維が多いとされる玄米100g当たりの数値3.0gと比べても、3倍以上もの量になります。
血糖値の急上昇を抑える
水溶性食物繊維であるβ-グルカンは、糖の吸収をおだやかにしてくれるので、血糖値の急上昇を抑える効果があります。
食後の血糖値の上昇を示す指標にグリセミック・インデックス(Gl)があります。食品ごとに数値は異なり、GI値が低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかになります。
米国のシドニー大学の研究によると、白米とオートミールのGI値を比べると、白米のGI値が87に対して、オートミールは59でした(オートミール30g、白米150gの場合)。
白米よりGI値が低いので、主食をオートミールにおきかえれば、血糖値の上昇を抑えられる可能性があります。血糖値が気になる方や生活習慣病予防にも、オートミールは役に立つかもしれません。
ミネラルも含んでいる
精白せずに外皮を残したまま加工されるオートミールは、食物繊維だけでなくミネラルが豊富で、普段の食事で不足しがちなマグネシウムやカルシウム、鉄分も含まれています。

オートミールを食べる際の注意点
いくら栄養素が豊富なオートミールとはいえ、「ばっかり食べ」はNG。オートミールだけではたんぱく質や、ビタミン類などが不足します。
また、食べ過ぎるとお腹が張ったり、下痢や便秘といった食物繊維の摂り過ぎによる症状が出る場合もあるので注意してください。
まずは、1袋購入して試し、下痢や体調不良などがある場合は摂取をやめましょう。
レンチンだけのお手軽オートミールレシピ
オートミールの原料であるオーツ麦自体にはほとんど味がありません。手軽とはいえ、ある程度の調理が必要です。まずは種類別の食べ方をご紹介します。
オートミール | おすすめ調理法 |
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スティールカットオーツ |
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ロールドオーツ | |
クイックオーツ |
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インスタントオーツ |
スティールカットオーツは、生のままなので、必ず加熱してください。お湯やミルクといった水分を加えたお粥にするのが一般的ですが、煮込むのに30分以上かかるので、手間がかかります。
ロールドオーツも塩味のお粥やミルクリゾットにするのがおすすめです。
クイックオーツはそのままでも食べられますが、味がないので、やはり牛乳やスープなどでお粥がおすすめです。これは調理時間も少なく、短時間でできます。
インスタントオーツもそのまま食べて問題ありませんが、ヨーグルトや豆乳、冷たい牛乳をかけて食べるとよりおいしく食べることができます。
ミルクやヨーグルトなどに浸して一晩おくと「オーバーナイトオーツ」となり、朝ごはんの時短メニューとして人気です。腹持ちがよく満腹感が得られるので、朝食だけでなく間食に活用することもできます。
毎日食べる場合は調理時間や価格を考慮して、自分の生活にあわせて選んでください。
高齢者でも簡単!電子レンジでつくるチーズおかゆ
【材料】
- お好きなオートミール:30g
- コンソメ:小さじ1/2
- 無調整豆乳:200cc
- とろけるチーズ:20g
- 粉チーズ:大さじ1
- 卵:1個
【つくり方】
- レンジ対応の器にオートミール・コンソメ・豆乳を入れよく混ぜる
- ①をラップをせずに、500ワットのレンジで2分チン
- ②にとろけるチーズを入れて再度500ワットのレンジで1分チン
- 熱いうちに卵と粉チーズを混ぜる
オートミールを主食にしたい場合は、まず1ヵ月程度、主食との置き換えを継続し、腸の調子をみながら自分に合った量をみつけていくことが大切です。
今回ご紹介した調理法を参考にして、オートミールをおいしく食べてみてください。
