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第44回

「高齢者に高カロリーは健康に悪い」決めつけは早計?知っておきたいカロリーの基本

最終更新日時 2022/03/15
#高齢者の健康
一般的に「高カロリーは健康に悪い」というイメージが浸透しています。しかし、高齢者の場合は、ある程度カロリーを摂取しないと、逆に健康に悪影響を及ぼします。そこで高齢者が多くのエネルギーを必要とする理由や、高齢者でも摂取しやすい高カロリー食材などを紹介します。

一般的に「高カロリーは健康に悪い」というイメージが浸透しています。確かに、高カロリー食材を食べると肥満につながり、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病を招く可能性があります。

しかし、高齢者の場合は、ある程度高カロリーな食事をするべきだとも言われています。痩せた高齢者ほど死亡率が高いというデータもあるからです。

毎日元気で過ごすためには、高カロリーな食材を活用して、適切なBMI(肥満指数)を保つことが大切です。今回は高齢者がたくさんのエネルギーを必要とする理由や、高カロリー食材による健康維持のすすめなどを紹介します。

活動量が少ない高齢者がエネルギー量を必要とする理由

高齢者がエネルギー量を必要とする理由は、さまざまな病気を抱えていることが多いからです。一般的に高齢者は出歩く機会も減りがちで、活動量が少なくなる傾向があります。

そのため、エネルギー消費量も少なくなりやすいのです。しかし、高齢者の場合、活動量だけでエネルギー消費量を測ることはできません。病気によって体が炎症を起こしていると、そのためにエネルギーがどんどん消費されるからです。

例えば、膝の人工関節を入れる手術をしたとします。手術箇所は当然ながら炎症を起こし、エネルギーの消費量が増加します。加えて、発熱があればさらに多くのエネルギーを消費します。

また、がんの療養中や骨折、発熱している場合も同様にエネルギーを消費しています。

そのため、活動量が少ない高齢者でも、多くのエネルギー量を必要とするケースが多いのです。

BMIの低い高齢者ほど死亡率が高い

BMIは肥満や低体重に用いられる指標で、「体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」で計算されます。

日本の中高年を対象にした国立がん研究センターの研究によると、最も死亡率が高いBMI値は男女ともに14~18.9。男性で見ると最も死亡率が低いBMI25~26.9の人と比べると、約80%高くなっています。

一般的にBMIが高い(30以上)と肥満による疾病リスクが上がるとされ、適切なBMIにするよう求められています。しかし、高齢者の場合、BMIが低すぎると体に蓄えられているたんぱく食の量が少ないため、感染症にかかりやすくなるなどのデメリットが大きくなります。そのため、肺炎などの重篤な疾病を招きやすく、死亡するリスクが高まるのです。

BMIが低すぎると体に蓄えるたんぱく質が少ない

高齢者は「高カロリー」が健康維持の秘訣?

胃の消化の機能が落ちている高齢者にとって、たくさんの食事からエネルギーを確保するのは至難の業です。そこで役に立つのが「高カロリー」な食事です。

とはいえ、毎日揚げ物などの食事をすすめるのは、栄養の偏りなどが心配になります。そこで、無理なくエネルギーを確保できる食事をご紹介します。

おすすめの高カロリー食材や調理法

【食材】

  • 脂質の多い肉(牛肉、豚肉など)
  • 油脂(油、バターなど)
  • 乳製品(牛乳、チーズなど)

【調理法】

  • 和洋中さまざまな調理法にする
  • 甘辛い味付けにする

脂っこい食事が苦手なら、オリーブオイルなどのさっぱりとした油脂を料理に加えるだけでも、エネルギー量が増加します。

和食は油脂を使わない料理が多く、エネルギー量が少なくなりがちなため、洋食や中華なども適宜取り入れましょう。また、砂糖やみりんなどで甘辛い味付けにするとエネルギーを確保できます。

3食のモデル

  • 朝食:パン(バターを塗る)、目玉焼き、牛乳
  • 昼食:ごはん、牛肉のすき焼き風煮、味噌汁
  • 夕食:ごはん、サケの照り焼き、ほうれん草のおひたし、味噌汁

栄養補助食品を活用する

食欲がない場合や、嚥下(えんげ)機能が弱まっている場合は、栄養補助食品を利用するのもおすすめです。最近ではドラッグストアでも栄養補助食品が販売されているので、気軽に手に入れられます。

例えば、ドリンクタイプの栄養補助食品なら、1本で200カロリー程度摂れるものもあり、健康維持にピッタリな商品が数多くあります。もし、どの栄養補助食品を選べばいいかわからない場合は、かかりつけ医か管理栄養士に相談してみましょう。管理栄養士は、ドラッグストアや調剤薬局に在籍していることもあります。

毎日の食事での摂取が厳しいなら栄養補助食品を活用する

高齢者は程度の差はあっても、病気を抱えているケースがほとんどです。自分自身や家族に当てはまると思った方は、ぜひ効率的にカロリーを摂取する方法を試してみてください。高齢者こそしっかりエネルギーを確保して、毎日をイキイキと過ごしたいものです。

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