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第12回

フレイル予防に有効な食材と献立。自分の体に必要な栄養を取ることで、フレイル状態から回復が見込めます!

最終更新日時 2020/05/08
#親の介護 #介護予防

皆さん、こんにちは。(公社)分県栄養士会の栄養ケア・ステーションを担当している、管理栄養士の濱田美紀です。

今回は、「フレイル予防の基礎知識と有効な食材や献立」を紹介します。

「フレイル」とは、要介護状態一歩手前のこと

「フレイル」とは、歳を取っていくことに伴い筋力や活動が徐々に低下した状態を指す言葉です。

「虚弱」と聞けばピンとくる方も多いと思います。

「介護を必要としないけれど、健康ではない」というのが、フレイルに当てはまる状態ですね。

早めの予防が効果的

フレイル状態になると、身体的衰えや精神的衰えを感じるようになります。

例えば、自分で買い物に行き食べたいものを購入したり、料理をしたり、おいしく食べて片づけたりなど、日常生活の中でこれまで当たり前にできていたことが思うようにできなくなってしまいます。

料理ができなくなれば、菓子パンやラーメンで食事を済ませることが増え、食事をとらなくなることも考えられます。

1人暮らしや、家族がいても1人で食事を取る「弧食」も、フレイルのリスクになるようです。

乱れた食生活を送っていると、思うように体が動かなくなって、寝たきりの生活になることもあるので、1人暮らしの方は特に注意が必要です。

フレイル状態は、早い段階で、適切に対処することで悪化を防ぐこともでき、人によっては以前のように活動できるまでに回復する方もいます。

また、ほかの病気と同様に早期発見が大切です。

伸びをする高齢男性

発見のためのチェック項目

フレイルまたはフレイルの前兆

  • 友だちとのつき合いが減る
  • 外出の機会が減る
  • 食べ物が噛みにくくなる
  • 飲みものを飲むときにむせる
  • 食べる量が減る
  • 無気力になる
  • 気分が落ち込みやすくなる

これらに多く当てはまる場合は、フレイルかフレイルの前段階であることが多いので、早めに対応することが大切です。

身体能力の低下などが生じるサルコペニア

また、「筋肉の低下」や「身体能力の低下」が見られる場合には、サルコペニア(筋肉減弱症)の可能性があります。

サルコペニアの疑いがある症状

  • 歩くのが遅くなった
  • 手すりにつかまらないと階段を登れない
  • 重たい物が持てなくなった

これらの項目を定期的にチェックし、サルコペニアの早期発見につなげてください。

落ち込んでいる高齢男性

フレイル予防に効果的な食材や献立

食べることは、体に栄養を取り入れることだけでなく、「生きがい」や「楽しみ」を与えます。

フレイル状態から回復するために「自分の体に必要な栄養を取る」ことが、とても重要です。

では、フレイルの予防や改善のためには、どんな栄養をどのように摂取すれば良いのでしょうか。

4つのポイントを紹介します。

「咀嚼(そしゃく)のしやすさ」「飲み込みやすさ」がポイント

義歯が合わない、歯が少ないなどで噛むことが大変な場合は、肉の筋を切るなど食べやすいように工夫したり、包丁の背や肉たたき器で叩いたりして調理してください。

また、ひき肉や魚のすり身など食べやすい素材を使うのも良いでしょう。

野菜などはやわらかく煮たり、温野菜にして食べるのものお勧めです。

肉や魚が食べにくい場合は、豆腐や納豆、卵、乳製品を食事に取り入れたり、かみ合わせを改善するために歯医者の受診をすることも有効です。

また、むせて汁物や飲み物が飲み込みにくい場合は、片栗粉やとろみ剤を使用して、喉をゆっくり通るようにしましょう。

水分が少なくパサついて飲み込みにくいものについては、ポテトサラダ・パン粥・魚のたたき・煮魚・野菜スープなどにして提供し、油分や水分でなめらかにしてください。

同時に、食べるときの姿勢が前かがみになっていないか気をつけ、急がずにゆっくり食べることも重要です。

どうしても食べ物が喉を通らない場合は、栄養補助食品などを利用して、栄養を身体に取り込みましょう。

栄養が体に入らない日が続くと、体力も低下します。

筋肉をつけたい!運動したい!そんな時はタンパク質などを摂取しましょう

筋肉をつけたいときは、動くために必要なエネルギーを摂取しましょう。

『日本人の食事摂取基準2020年版』によると、身体活動レベルの低い65~74歳の高齢者の方に必要な推定エネルギー量は、男性2,050キロカロリー、女性1,550キロカロリーとなっています。

筋肉や内臓、血液、爪、皮膚などをつくる栄養素である、タンパク質を摂ることも重要です。

また、上記の「食事摂取基準」(114ページ)では、フレイル及びサルコペニア発症予防を目的とした場合、高齢者(65歳以上)の方は少なくとも、体重1キログラムにつき、1日にあたり1.0グラム以上のタンパク質を摂取する事が望ましい、とされています。

毎回の食事に、少しずつタンパク質の多い食品を加えましょう。

タンパク質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれています。

筋肉を強くする役割があるビタミンDは、1日5.5マイクログラム、筋肉や神経などの働きを正常に保つために必要なカルシウムは1日に650~700ミリグラム摂取すると良いでしょう。

ビタミンDは1日8.5マイクログラムを目安に摂取して、可能な範囲で適度な日光浴を行う事を心がけてください

ビタミンDは魚類・卵・キノコ類に多く含まれています。

次に、同基準では、高齢者の方に必要なカルシウムについて、1日につき女性は600ミリグラム、男性は700ミリグラムが推奨量とされています。

カルシウムを多く含む、牛乳などの乳製品、魚類、豆腐、納豆、海藻類、小松菜、切干大根などをこまめに食べることで摂取できます。

どの栄養素も、適切な量を摂取するように心がけましょう。

また、1日に必要な栄養量は個人差がありますので、心配な方は栄養士に相談してください。

普段の食事に+1で栄養量を増やして、タンパク質アップ!

普段の食事に食材を1つプラスするだけで、簡単にタンパク質を増やすことができます。

例えば味噌汁には、たっぷりな野菜、豆腐、卵、わかめなどをプラスすることで手軽に栄養量を増やすことができます。

かけうどんやそばには、山芋とろろ、卵、油揚げ、かまぼこをプラスしたり、カレーやシチューには、ミックスビーンズや卵を加えただけでも栄養価が高まります。

食パンには、シラス、チーズ、海苔、納豆、卵、ツナ缶、サバ缶をプラスすることで手軽にをタンパク質を摂取することができます。

飲み物は、牛乳、豆乳、ヨーグルト、スキムミルクに変更。おやつには、あたりめ、チーズ、ヨーグルトを選ぶのがお勧めです。

料理が苦手な方は電子レンジや缶詰を活用

料理が苦手な方は、電子レンジや缶詰を活用してみましょう。

電子レンジを活用して、野菜やしゃぶしゃぶ用の豚肉を加熱すれば、温野菜と豚しゃぶのサラダができ上がります。

また、ツナ缶を使って、ツナサンドやツナサラダ、焼き鳥缶を卵でとじて、ごはんに乗せ親子丼をつくってみるのも良いですね。

冷凍食品やレトルト食品を活用するのもいいと思います。

   

フライパンを持ったシェフ

今回は、フレイルの予防や改善のためには、どんな食材をどのように調理すれば良いのか、紹介しました。

人それぞれ好みが違いますので、その方にあった方法で、必要な栄養を摂取し、歳をとっても楽しく生活してもらいたいです。

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