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第56回

介護保険3割自己負担時代が到来!?年間所得が220万円以上の人は要注意!2015年には2割、2018年には3割。あなたの自己負担割合も要チェック!

最終更新日時 2018/10/23
#介護保険サービス #介護にかかるお金
2018年8月1日から、所得の高い高齢者を対象に、介護保険サービス利用の自己負担割合が、2割から3割に引き上げられます。厚生労働省の推計では、負担増となるのは利用者全体の3%弱に当たる約12万人とされています。この12万人に該当するかどうかが問題です。

介護保険について調べられている皆さん、こんにちは。介護コンサルタントの星多絵子です。

昨今の国の財政は厳しいようで、私たちにもその影響が出始めています。2018年度には介護報酬が改定されたのです。

これは、私たちのお金と老後に大きくかかわってきます。難しいからと誰かに任せるのではなく、自分ごととして捉え、しっかり考えていきましょう。

今回は、2018年8月から始まった、「介護保険3割自己負担」について解説していきます。

介護保険の仕組みをおさらい

介護保険が相互扶助で成り立っていることは、第53回でお話ししました。

介護保険制度は、私たちが保険料を納めることで成り立ちます。この保険料に、国や都道府県、市区町村からの交付金をプラスしたものを財源として、介護サービスが提供されます。

介護サービスを受けるには、要介護認定を受けて、ケアマネージャーにケアプランを作成してもらいます。提供される介護サービスの内容に応じて、1~2割の利用者負担分を支払うことで、介護サービスを実際に受けられます(現在は1~3割)。

介護保険の利用者は、費用の一部を負担しなければサービスを利用できないのです。介護サービスの利用者負担分を除いた残りの8~9割が、保険者(国や地方自治体)から介護サービス事業者に支払われます。

8月から利用者負担が3割になる人とは

近年、介護保険の財源が非常に厳しくなっているのは、少子高齢化が進み、介護保険サービスを利用する人が増えたからです。

そこで2018年8月1日から、所得の高い高齢者を対象に、介護保険サービス利用の自己負担割合が、2割から3割に引き上げられます。

厚生労働省の推計では、負担増となるのは利用者全体の3%弱に当たる約12万人とされています。この12万人に該当するかどうかが問題です。「負担割合証」を市区町村が送付しているので、ご自身やご家族の負担割合をきちんと確認しましょう。

3割負担となるのは、65歳以上の方で合計所得金額が年間220万円以上の方です。

ただし、合計所得金額が年間220万円以上であっても、「年金収入とその他の合計所得金額」が単身で340 万円、2人以上の世帯で463万円未満の場合は2割負担、または1割負担になります。

「合計所得金額」とは、収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除した後で、基礎控除や人的控除等の控除をする前の所得金額をいいます。

また、長期譲渡所得及び短期譲渡所得にかかわる特別控除を差し引いた額で計算されます。つまり、年金以外に給与などの所得がある人は、きちんとその金額を把握してくださいということです。具体的なフローチャートが厚生労働省から公表されているので、年金以外で所得がいくらあるのか確認しましょう。単身世帯と2人以上の世帯では大きく違うのでご注意ください。

厚生労働省の調査では、2割負担が始まった2015年には、2割負担となった人の3.8%がサービス利用を減らしたり、中止したりしたとのことです。「負担が重い」が理由の人はそのうち35.0%でした。

財政の問題を利用者に転嫁して良いのでしょうか?考えさせられますね。必要以上に介護サービスの利用控えが加速しそうなのが怖いところです。また、要介護度が上がるごとに介護サービス費が上がる仕組みにも問題はないのでしょうか。利用者を重症化させた方が、事業者はより大きな報酬を得られるような仕組みには賛否が分かれそうです。

このまま進めば、さらに財政は苦しくなり、今後も利用者やその家族に負担がのしかかることは避けられそうにありません。

利用者負担が支払えないときは

利用者負担割合が3割になり、仮に自己負担分を支払えないという場合には、高額介護サービス費という制度があります。1ヵ月に支払った利用者負担額がある一定金額を超えたときは、その超えた分が払い戻され、負担が軽くなります。

一定金額とは、現役並み所得者に相当する方がいる世帯で4万4,400円です。利用者負担でこの金額を超えた場合は、ぜひ忘れずに申請しましょう。

まとめ

団塊世代が高齢化する2025年に向けて、苦しい国の財政をどうするのか。政府の答えの1つが、現役世代並みの所得がある人の利用者負担分を3割に引き上げることでした。この8月から負担割合が変わる人は、役所から届く書類にきちんと目を通しておきましょう。

介護保険を使わないで済むのが理想ですが、現実にはなかなかそうはいきません。負担が重くなるようであれば、高額介護サービス費を申請しましょう。一定限度の負担で抑えられます。介護の仕組みが難しいからと、無関心であったり、誰かに丸投げしたりするのは好ましくありません。しっかり関心を持ちましょう。

2018年度の介護報酬改定は日本にとって大きな節目の年。さて、どう変わるでしょうか?今後も注目ポイントをピックアップしていきます。

次回も、2018年度介護報酬改定の具体的な内容について解説していきます。大切なことなのでわかりやすく説明いたします。

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