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第513回

働きながら入れる老人ホームはある?生活スタイルに合った老人ホームの選び方を解説

最終更新日時 2025/07/22
#老人ホームへの入居
目 次

働きながら入れる老人ホームとは?2025年改正で変わる高齢者の住まい

働きながら入居できる老人ホームの概要

「老後の資金が心配だから、仕事は続けたい」「高齢になってきたが、まだ働き続けたい」など、まだ元気で働き続けたいという気持ちはあるものの、将来的な介護への不安をもつ方は多いです。 近年、そういった需要に合わせて様々なスタイルの施設が増えてきています。

老人ホームの中には、自立した生活を送れる方を対象とした施設があり、これらの施設では働きながらの入居も可能です。サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホーム、シニア向け分譲マンションなどがその代表例となります。

これらの施設では、入居者の自立性を重視した運営が行われています。24時間体制での介護サービスを前提とするのではなく、入居者の生活リズムを尊重し、必要に応じてサービスを利用する形態が基本です。

2025年高年齢者雇用安定法改正の影響

2025年4月に施行される高年齢者雇用安定法の改正により、高齢者の働き方に大きな変化が生まれました。改正法の主な内容として、企業は、次のいずれかの対応を取ることが求められています。

  • 定年制の廃止
  • 定年年齢の引き上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 社会貢献事業への参加支援など

これにより、65歳を超えても働き続ける高齢者の数が増加する可能性が高まっています。

この法改正が住まいの選択に与える影響は非常に大きく、従来であれば65歳で退職し、その後、介護が必要になった際に老人ホームへの入居を検討するケースが一般的でした。しかし、70歳まで働き続けることが一般的になれば、住まいの選択肢も変わってきます。

働きながら入居できる老人ホームは、まさにこの変化に対応した住まいの形態といえます。仕事を続けながら、将来的な介護不安を解消できる安心感は、多くの高齢者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。 また、配偶者の介護が必要になった場合でも、仕事を辞めることなく対応できる点も重要です。

働きながら入居できる施設の特徴と一般的な老人ホームとの違い

スーツの高齢者イメージ画像

働きながら入居が可能な施設と一般的な老人ホームには、いくつかの違いがあります。これらの違いを理解することで、自分に適した施設選びが可能になります。

入居対象者の違い
一般的な特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームでは、要介護度が高い方を対象としており、24時間体制で介護サービスが提供されます。一方、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームでは、自立した生活を送れる方も対象としており、必要に応じてサービスを利用する形態が基本となります。
生活スタイルの柔軟性
介護度の高い方を対象とした施設では、施設の生活リズムに合わせる必要がありますが、自立度の高い方を対象とした施設では、入居者の仕事スケジュールに合わせた生活が可能です。
費用面
介護付き有料老人ホームでは、介護サービス費用が月額料金に含まれているケースが多いのに対し、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームでは、基本的な住居費用のみで利用できる場合が多いです。必要に応じて介護サービスを追加で利用する仕組みとなっています。
共用設備
介護度の高い方を対象とした施設では、レクリエーションルームやリハビリテーション室が中心となりますが、自立度の高い方を対象とした施設では、ラウンジや図書室など、アクティブな生活を支援する設備が充実している場合が多いでしょう。

働きながら入れる老人ホームの種類

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の特徴

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、働きながら入居できる施設のひとつです。 60歳以上の方が対象となり、自立した生活を送れる方から軽度の要介護状態の方まで幅広く受け入れています。

サ高住の特徴のひとつとして、居住の権利が保障されている点があげられます。入居時に賃貸借契約を結ぶため、入居者は住む権利を持ち、契約不履行や長期滞納などの違反行為が無い限り施設側から一方的に退去を求められることはありません。これにより、長期間働き続けることを前提とした生活設計が可能になります。

提供されるサービスは、基本的に安否確認と生活相談の2つです。日中の時間帯に職員が常駐し、入居者の様子を確認したり、生活上の相談に応じたりします。介護が必要になった場合にのみ必要なサービスを受ける仕組みとなっています。

これらの住宅にはバリアフリー設計が義務付けられており、将来的に身体機能が低下した場合でも安心して生活できる環境が確保されています。

敷金・礼金・月額家賃・共益費・サービス費が基本的な費用となります。介護サービスを利用する場合は、別途介護保険の自己負担分を支払う必要があります。一般的な賃貸住宅と比較すると割高になるケースもありますが、安心・安全な住環境を考慮すれば妥当な水準といえるでしょう。

住宅型有料老人ホームの特徴

住宅型有料老人ホームは、自立の方を主な対象とした施設です。 入居時に自立している方が多く、働きながらの入居も十分可能な環境が整っています。

この施設の特徴は、居住部分と生活支援サービスが分離されている点です。基本的には住居の提供が主たる目的であり、食事や清掃、洗濯などの生活支援サービスは必要に応じて利用する形態となっています。 自分で生活ができる自立の方にとっては、不要なサービス料金を支払わずに済む点がメリットといえるでしょう。

将来的に介護が必要になった場合、外部の介護サービス事業者と契約を結んで必要なサービスを受けます。サ高住と同様の仕組みですが、住宅型有料老人ホームの方が施設による生活支援サービスが充実している場合が多いです。

入居時の条件として、入居一時金が必要な場合があります。また、月額費用には家賃・管理費・食費・光熱費などが含まれますが、食事を利用しない場合は食費を減額できる施設もあり、柔軟な料金体系となっている場合がよくみられます。

立地については、都市部を中心に展開されており、通勤に便利な交通アクセスの良い場所に設置されているケースもあります。また、併設されている共用施設も充実されており、応接室・フィットネスルーム・図書室など仕事やアクティブな生活をサポートする設備が設けられている施設もあります。

シニア向け分譲マンションの特徴

シニア向け分譲マンションは、所有権を持って住むことができる住まいの選択肢です。一般的な老人ホームとは異なり、自分の資産として住まいを所有できる点が最大の特徴となります。

この住まいの形態では、入居者の自立性が最も重視されます。基本的には一般的なマンションと同様の生活を送ることができ、働きながらの居住も全く問題ありません。 管理組合による建物管理が行われ、セキュリティ面でも安心できる環境が整っています。

バリアフリー設計や緊急時の対応システムが完備されており、将来的に身体機能が低下した場合でも安心して生活できる配慮がなされています。 また、共用部分にコンシェルジュサービスが設置されている場合もあり、生活上の様々な相談に対応してもらえるでしょう。

費用面では、購入時の物件価格と月々の管理費・修繕積立金が主な負担となります。介護が必要になった場合は、外部の介護サービス事業者と契約を結んで必要なサービスを受けることになります。所有権があるため、将来的に売却することも可能です。

立地については、都市部の利便性の高い場所に建設されているケースが多く、通勤や買い物にも便利な環境にある施設もあります。 また、資産価値を重視した立地選定がなされているため、将来的な売却時にも有利になる可能性があります。

マンションのイメージ画像

働きながら入居するメリット・デメリットと施設選びのポイント

働きながら入居するメリット

働きながら老人ホームに入居することには、多くのメリットがあります。

経済的な安定性
収入を得ながら生活できるため、月々の施設利用料の負担が軽減されるでしょう。 特に、年金だけでは生活費が不足する場合、働き続けることで経済的な不安を解消できます。
社会とのつながりを維持できる
働きながら入居することで職場での人間関係や社会的な役割を継続できます。これは、精神的な健康維持にも重要な要素となります。
生活にハリと目的意識を持ち続けられる
仕事を通じて得られる達成感や責任感は、高齢になっても生き生きとした生活を送るための原動力となります。 また、規則正しい生活リズムを維持できるため、健康面でもプラスの効果が期待できるでしょう。
将来への不安軽減
老人ホームに入居しながら働くことで、介護が必要になった場合の環境変化を最小限に抑えることができます。 既に施設での生活に慣れ親しんでいるため、介護サービスをスムーズに受けることが可能になります。
家族の負担軽減
急な体調変化や将来的な介護へのサポートが充実している環境に身を置くことは、家族の安心感にもつながります。 また、経済的な負担も軽減されるため、家族全体の生活の質向上にもつながります。

働きながら入居するデメリット

一方で、働きながら老人ホームに入居することには、以下のようにいくつかのデメリットも存在します。

通勤時間の増加
施設の立地によっては、職場までの距離が遠くなってしまう場合もあります。 それにより通勤時間が長くなったり、交通費が増加したりする可能性があります。
生活費の増加
一般的な住宅と比較すると、老人ホームの月額費用は高額になる場合が多いでしょう。 働いて得られる収入と、増加する生活費のバランスを慎重に検討する必要があります。
生活の自由度に制限が生じる可能性
施設によっては、外出に関する規則があったり、来客に制限があったりする場合があります。 これらの制約が、働く上での支障となる可能性があります。

入居前に確認すべき5つのチェックポイント

働きながら老人ホームに入居する際は、以下の5つのポイントを確認することで、失敗のない施設選びが可能になります。

通勤
交通アクセスと通勤時間
施設から職場までの交通アクセスを詳細に確認することが重要です。最寄り駅までの距離、電車の本数、乗り継ぎの回数、所要時間などを実際に調べてみましょう。また、朝の通勤ラッシュ時の混雑状況や、夜間の帰宅時の交通手段も確認しておくことが大切です。
生活の自由度と施設の規則
外出時間の制限、来客に関する規則、食事時間の融通性など、働く上で支障となる可能性のある規則を事前に確認しましょう。特に、残業や出張が多い職種の場合は、柔軟な対応が可能かどうかを確認することが重要です。
費用とサービス内容のバランス
月額費用だけでなく、入居時の一時金、追加サービス料金、退去時の費用なども含めて総合的に判断しましょう。また、現在の収入と支出を照らし合わせて、長期的に支払い続けられるかどうかを慎重に検討することを検討しましょう。
医療・介護体制の充実度
将来的に介護が必要になった場合の対応体制を確認しましょう。協力医療機関の有無、訪問介護サービスの利用可能性、急病時の対応体制などを詳しく調べることが大切です。また、現在服用している薬の管理体制についても確認しておきましょう。
職場への報告と理解獲得
入居することを職場に報告するかどうか、報告する場合のタイミングや方法を検討しましょう。また、健康管理や緊急時の連絡体制について、職場側と事前に相談しておくことが重要です。理解のある職場環境を築くことで、安心して働き続けることができるでしょう。

まとめ

働きながら老人ホームに入居するという選択肢は、今後さらに注目される新しいライフスタイルのひとつとなるでしょう。 サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム、シニア向け分譲マンションなど、自立した生活を送れる方を対象とした施設が選択肢としてあげられます。

経済的安定や社会とのつながり維持といったメリットがある一方で、通勤時間や生活費の増加といったデメリットも存在するため、事前の情報収集と施設見学が重要です。

これらのポイントをもとに、自分のライフスタイルや価値観に合った施設を選ぶことが、働きながら老人ホームで充実した生活を送るための鍵となります。複数の施設を比較検討し、見学や体験入居を通じて実際の生活環境を確認することをおすすめします。

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