老人ホームに入居する際、服装について悩む方も多いのではないでしょうか。今までと同じ格好でよいのか、それとも何かルールのようなものが存在するのか。結論から言うと、服装は基本的に自由です。介護施設に入るからといって、特別に衣服を変える必要はありません。
ただし、老人ホームでは日々介護サービスを受けながら暮らすことになるので、それに適した好ましい服装は存在します。状況に応じた服装を選択することで、施設での生活がより快適なものになるでしょう。本記事では、介護服専門メーカーの商品開発担当の視点から、老人ホームで過ごす上でおすすめの衣服についてご紹介していきます。
老人ホームではどんな服を着ればいい?
老人ホームでの服装について、特別な決まりはありません。本人が着たい服を着て、良い気分でいられることが一番です。施設側も、基本的に利用者には自宅のようにリラックスして過ごしてほしいと考えているので、着慣れたものなど、本人の好みを優先して服装を決めましょう。
上記を前提とした上で考慮すべきなのは、要介護度をはじめとした本人の状況です。例えば、着替えの介助が必要な方であれば、介護職員が着脱させやすい服装が望ましいですし、リハビリをがんばろうと考えている方であれば、より動きやすい衣服が求められます。日々、介護サービスを受ける上で、介護する側とされる側の双方にとってよりよい服装を選択しましょう。
老人ホームで着る服を選ぶ際に大切な5つのポイント
老人ホームでの生活に適した服装について、考慮すべき要素はたくさんありますが、特に重要な5つのポイントを厳選しました。以下の条件を満たした服装であれば、施設での生活はきっと心地よいものになるでしょう。
①着替えがしやすい
もっとも大事なポイントの一つと言えるのが、衣服の着脱のしやすさです。入居者の身体状況にもよりますが、介護を必要とする高齢者にとって、服を着たり脱いだりといった行為は、必ずしも簡単なことではありません。着脱が容易にできるストレスフリーな服装を選ぶことによって、本人はもちろん、介護する側の負担軽減にもつながります。
具体的には、「前開き」の服が好ましいです。身体に麻痺などがある場合はもちろんですが、頭から脱ぐよりも、前開きで袖を通すタイプの方が着脱が容易なケースが多いです。肘の出し入れがしやすいよう袖周りがゆったりとしたものや、ボタンの装着が簡単にできるものを選ぶとさらによいでしょう。
②体温調整がしやすい
体温調整のしやすさも大事なポイントです。高齢になると体温調整機能が低下していきます。室内では、着脱をしなくても体温調整ができるような衣服が重宝します。例えば、身体が冷えやすい寒い時期は、体温を逃がさない衿付きのウェア、反対に暑い時期は汗がすぐ乾くよう速乾性に優れたものや、熱を逃がしやすい衿なしのデザインのものなどを選ぶとよいでしょう。
③動きやすい
最近は、利用者のADL(日常生活動作)レベルの維持・向上を図るために、リハビリに力を入れる施設も増えていますが、老人ホームでは日々のレクリエーションをはじめとした身体を動かす機会があります。身体を動かすといっても、運動用の服に着替えるわけではありませんので、日常の服装自体に機能性が備わっていることが好ましいです。
具体的には、伸縮性がポイントになります。身体を動かしやすい素材であれば、リハビリやレクリエーションなどの活動時にストレスがありません。また、施設のイベントに限らず、日々の暮らし自体も快適になるでしょう。夏場は汗をかくことが多いので、吸汗速乾性が備わっていることが求められます。身体を動かさないと、介護を必要とする高齢者のADLはどんどん低下してしまいますので、これらの機能性を備えた衣服の用意を検討してみてください。
④名前が書ける
老人ホームの共同生活においては、洗濯時をはじめとして、衣服が様々な場面で他の入居者のものと混ざってしまったり、紛失してしまったりすることがあります。そのため、衣服には名前を記入する方がよいでしょう。
具体的には、名前を書くことができるタグ付きの衣服を選ぶのが良いです。衣類に直接書くことができる素材もありますが、名前が判別しづらくなりがちです。また、施設によっては記名方法が指定されているケースもありますので、入居前に確認するようにしましょう。
⑤洗濯耐久性が高い
洗濯は各施設によって、方法や頻度が異なります。大きくは施設内の洗濯機や乾燥機を使うケースと、外部にクリーニングに出すケースの2つがあります。施設内の業務用洗濯機や乾燥機を使用する場合、施設の方にお話を聞いていると、衣服の破損や紛失により利用者の方とトラブルとなるケースもあるそうです。
入居先の洗濯の仕方については、事前に施設に確認するようにしましょう。また、このようなトラブルを防ぐためにも、洗濯に”強い”衣服があれば心強いです。専門メーカーが販売する介護服は、業務用洗濯機の使用を想定した、洗濯に強い商品もありますので、ぜひチェックしてみてください。このようなトラブルを防ぐためにも、洗濯に”強い”衣服があれば心強いです。本記事でもご紹介しますが、業務用洗濯機の使用を想定した、洗濯に”強い”商品を販売している介護服専門メーカーもありますので、ぜひチェックしてみてください。
老人ホームでの生活に不向きな服
老人ホームでの着用が好ましい服装がある一方で、施設で着るのに適さない衣服も存在します。冒頭でお伝えしたように、本人が好きな衣服を着ることが前提となりますが、以下のような衣服を着る場合は、施設での着用にリスクがあることは理解しておくことが必要です。
動きにくい服
素材が硬いなど、動きやすさが損なわれる服は老人ホームでの着用に向いていません。また、丈が長すぎるズボンは転倒のリスクがありますし、丈の長いスカートは車イスの車輪に巻き込まれて、事故につながることがあります。これらの衣服は介護をする側にとっても介助しにくいので、避けた方がよいでしょう。洗濯がしにくい服
施設の洗濯の方法にもよりますが、セーターやニットなど手洗いや、ドライクリーニングが必要な服は、老人ホームにはあまり向いていません。家族が洗濯する場合は問題ありませんが、施設が洗濯を担う場合はこれらの衣服は避けた方がよいでしょう。高級な服
前述した通り、洗濯によって衣服が傷むことや紛失などの可能性を考えると、高価な服は老人ホームに持ち込まない方がよいでしょう。施設側でも貴重品の取扱いについては十分に配慮していますが、リスクをゼロにすることはできません。老人ホームに適した服はどこで買えばいい?
ここまでの説明によって、老人ホームで生活する上で適した衣服とそうでないものがあることがお分かりいただけたと思います。では、これらの衣服を実際にどこで購入すればよいのでしょうか?衣料量販店で購入される方も多いですが、前項でご紹介した老人ホームに適した機能性の衣服を探すのであれば、介護服専門メーカーの商品がおすすめです。
手前味噌になりますが、介護服専門メーカーである当社(株式会社トンボ)では、老人ホームでの生活を想定した上で商品を設計しているため、施設のあらゆるシーンで優れた機能性を発揮します。洗濯しても縮みにくいニット生地や、オムツの着用を想定したお尻周りがややゆったりした商品など、利用者の皆さまが少しでも快適に過ごせるよう、改善を続けています。これから老人ホームに入居するという方をはじめとして、介護服の購入を検討されている方は、ぜひ一度試していただきたいです。
まとめ
本記事では、老人ホームでどのような服装を着用すると好ましいか、ご紹介してきました。本人が着たい服にするという前提をふまえた上で、選ぶ際に大切なポイントは以下の5つです。
①着替えがしやすい
②体温調整がしやすい
③動きやすい
④名前が書ける
⑤洗濯耐久性が高い
老人ホームで着用する衣服に何を選ぶかは、入居者本人のQOL(生活の質)に大きく影響するのはもちろんのこと、ご家族やケアする介護職員にとっても大事なテーマです。介護する人も、される人も快適に過ごせるよう、よりよい衣服を選択してください。
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