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第385回

デイサービスで行われる健康チェックとは?病院との違いやデータの活用法を解説

最終更新日時 2023/04/20
#親の介護 #介護保険サービス #高齢者の健康
目 次

デイサービスの基本サービスの中に健康チェックがあります。これは、デイサービスで提供する各種サービス提供の指標ともなるもので、内容に多少の違いはあっても必ず実施されています。

コロナ禍によってデイサービスのような集団生活を送る空間では、健康管理の重要性がより広く知られることとなりました。

健康チェックは、デイサービスに限らず集団生活を行ううえで不可欠なのです。

デイサービスで実施されている健康チェックの内容について知っておくと、理解が深まるとともに、自宅での過ごし方や受診の際の活用方法などにも応用できます。

デイサービスで行われる健康チェック

デイサービスで行われている健康チェックの一般的なものに、バイタルチェックがあります。バイタルチェックとは、バイタルサインと呼ばれる「意識・体温・呼吸・脈拍・血圧」の測定を行うことです。

こうしたバイタルサインを確認することで利用者の健康状態を把握します。

高齢の方は、体調の変化が生じやすいことに加え、自分自身では異変に気がつきにくくなっている場合も少なくありません。

そのため、バイタルチェックで得られた情報をもとに、入浴サービスやレクリエーション活動、食事提供内容の判断基準などを判断しています。

では、バイタルチェックの項目について簡単に説明します。

意識レベルのチェック

様子、反応、会話内容などを含めた状況を確認します。医療現場で求められるような意識レベルの確認とは違い、主に普段との表情の違いや顔色、動作、会話のやり取りの内容などから僅かな異変や違和感といった情報を収集します。

「変わりはありませんか」という声かけが一般的です。多くの場合「変わりない」「大丈夫」という返事が返ってくることがわかっているので、ルーチン作業と思われがちですが、実は次のような事柄を注意深くチェックしています。

  • 声の掠れやトーン
  • 返答までのタイミングやテンポ
  • そのときの表情や視線
  • 姿勢 など

ほかのチェック項目と異なり、わかりやすい数値で判断できませんが、本人やご家族でも気がつかないような「違和感」を感じることもあります。

こうしたサインは、命にもかかわる重大なものであることも決して珍しいことではなく、とても大切なチェックの一つとなります。

体温測定

高齢の方の体温はかなり個人差が大きくなります。

ちょっとした移動や衣類の重ね着などでも体温が上昇することも珍しくありませんし、普段からの平熱が低い方であれば微熱といえども重篤な変化である場合があります。

これまでに見られなかった微熱とも言い切れないわずかな体温の上昇傾向に違和感を覚え、念のため受診や検査をおすすめしたところ肺炎を起こしていた、ということも過去にはありました。

普段から体温測定を行っておくことで、それぞれの「平熱」をきちんと把握しておくことが重要です。

体温を測る高齢者

呼吸状態の確認

呼吸の回数やリズム・強弱・音・痰の絡みの有無、鼻呼吸か口呼吸かなどを確認します。聴診器を使用し、呼吸音に混ざる雑音などもしっかり把握するデイサービスもあります。

呼吸の回数は1分間に12~20回が目安と言われますが、こちらも個人差が大きく、普段からの状況把握がとても大切になります。

チェックを重ねているデイサービス側からしたら明らかに呼吸音が違って聞こえていても、案外本人や家族では見落としてしまっているケースも少なくありません。

肩で息をしているような場合、相当に息苦しいはずなのですが、徐々に変化していると案外気がつかないものなのです。

脈拍測定

安静時の脈の回数を測定します。一般的には1分間に60~90回が目安で、50回未満を徐脈、100回以上を頻脈といいます。こちらも回数だけでなく脈の強弱・リズム・乱れなども合わせて確認します。

高齢になると、普段から不整脈が見られる方も少なくありません。その普段からの変化もデイサービスでは確認・記録しています。

最近では電子血圧計が幅広く普及しています。橈骨動脈(手首)で確認することは少なくなりましたが、看護師常駐のデイサービスでは昔ながらの測定方法を続けているところもあるようです。

血圧測定

多くのデイサービスでは、主に電子血圧計を使用して血圧測定を行います。電子血圧計で気になる数値が出たり、エラーが頻発する場合には形式の異なる電子血圧計を使用するか、昔ながらの水銀式血圧計を使用するケースもあります。

一般的には、最高血圧が139mmHg以下、最低血圧が89mmHg以下が正常値とされています。ただ、やはり個人差がかなりありますし、高齢の方の場合は治療方針やケースによっては無理に下げるのも良し悪しなので、必ずしも降圧剤を処方されないケースもあります。

血圧が高い場合、入浴サービスやレクリエーション活動が提供できない場合もあります。高い数値が普段から続いている場合は医療機関と相談したり、病院側からデイサービスでの入浴や各種活動の基準となる意見書・許可証などを事前にいただいておくこともあります。

血圧はちょっとしたことで簡単に上下するので高い値が出たからすぐにどう、ということではありません。ほかのバイタルサイン測定の値とも合わせてみて総合的にどうかを判断していくことになります。

バイタルチェック以外の健康チェック

デイサービスによっては、ほかにもパルスオキシメーターを使用して酸素飽和度を測定したり、体重測定や身長測定、運動能力測定などを行っているデイサービスもあります。

毎回ではなくても週1回や月1回などと定期的に実施することで、利用されている方々の「それぞれの正常値」が把握できるようになります。

デイサービスでは定期的に来所することにより、同じような条件下で継続的に健康チェックが可能です。これは基本的なことですが、積み重ねるほどに資料として大変貴重なものになります。

各種数値の平均や変化を長期スパンで観察することができるのも、デイサービスを利用するメリットの一つでしょう。

画像提供:adobe stock

健康チェックの記録

こうして測定された各種数値や様子・状態をデイサービスでは記録して一定期間保存しておく義務があります。デイサービスを利用されている方や家族向けのノートや日記・連絡帳などにも記録されているかと思います。

こうした記録は、普段からの生活や通院・受診の際にもぜひ活用することをおすすめします。

診療所や病院では把握できない

先ほども述べたように、長期スパンでの記録の有無は受診や通院の際の限られた時間では把握できません。

中には「病院での検査では異常値が出てしまう」サインも。よく知られている代表的なものに「白衣高血圧(診療中だけ高い血圧数値が測定されてしまう)」や「仮面高血圧(診療の時には平常値の血圧値が測定されてしまう)」があります。

こうした場合は、デイサービスでの血圧の記録を見せることで、普段の血圧の状況や推移がわかるので非常に有効です。

受診時と普段の状態との違いは血圧以外にも同様にみられます。連絡帳やノートを家とデイサービスでの間だけで行き来させるだけでなく、より正確な診断をいただくためにも大いに活用してほしいと思います。

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