コロナ禍で急速に広がったオンライン診療(リモート診療)。スマホやパソコンなどで手軽に医師の診察を受けられることから、利用されたことがある方も多いのではないでしょうか?
このオンライン診療を身近な老人ホーム等の通所介護施設でも受けられるよう、厚生労働省は新たに制度変更に向けて動き出しました。今年度内にも方針が固まるということで、近いうちに高齢者の方々とオンライン診療の関わり方が大きく変わるかもしれません。
高齢者にとってのオンライン診療とは?
オンライン診療は、一般的に、カメラ付きのスマホなどを使って医師と患者を繋いで問診を行います。
必要に応じて処方箋を発行してもらったり、薬を自宅まで配送してもらうこともできるため、外出が難しい高齢者の方にとってはメリットが大きいサービスです。
コロナ禍の初期はまだオンライン診療に慣れていない医師が大半だったのですが、最近はオンラインでも通常の診察に近いレベルのことが可能だという医師の方が次第に増えつつあります。
もちろん、オンライン診療では血液検査などの精密検査はできませんが、脳や心臓などの急性疾患・怪我などの外傷を除けば多くの症状を診察することができるといいます。より専門的な診察が可能な病院を紹介してもらうことも可能なので、自己判断せず、まずはオンライン診療で医師の判断を仰ぐことは有効です。
一方、課題もあります。スマホなどの操作はもちろん、スタンドなどに上手く固定することが必要になります。また、医師との会話をスムーズに行うために、騒音の少ない静かな環境も用意しなければなりません。
特に要支援・要介護の方にとっては、ひとりでオンライン診療を受診することは難しいのが現実です。家族などの助けが必要となります。

通所介護施設などでオンライン診療を受けられるように
2022年12月5日に厚生労働省で行われた「社会保障審議会・医療部会」で示された案によると、医師が少ない過疎地域などにある通所介護施設や公民館などで、高齢者の方がオンライン診療を受けられるような環境整備が必要とされています。
これはつまり、自宅でオンライン診療を受けるのが難しい高齢者の方も、身近な通所介護施設や公民館などに行けばオンライン診療が受けられるようになるということ。
特に病院・診療所が少ない地域の方はもちろん、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの院内感染が心配な季節は、人どうしの接触が少ないオンライン診療を受けたいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした仕組みを手軽に利用できるようになれば、スマホやアプリの利用法がわからない高齢者の方も、施設スタッフにサポートして貰うことで操作を覚えて、自宅でもオンライン診療を使えるようになることも期待できます。

オンライン診療の拡充は、地域包括ケアシステムが狙う「地域医療・介護の連携強化」にもつながります。超高齢社会を迎えた今、医療体制も進化が必要となっているのです。