読者の皆さん、こんにちは。介護作家、ケアラー支援活動、メディア評論家などとして活動中の奥村シンゴです。
私は30歳過ぎから計9年間、がんや身体表現性障がい(精神疾患)の母親と認知症の祖母を介護してきました。
介護に取り組む中で、尿取りパッド、紙オムツ、体やおしりを拭くための使い捨てシートなどの介護グッズが必要になりました。当初は、専用の介護グッズばかりに目がいっていましたが、祖母のケアマネージャーから「100円ショップやスーパーやドラッグストアにも介護に応用できる商品がたくさんありますよ」とアドバイスを受けました。
そこで、今回は介護に応用できる日用品グッズを8点ご紹介いたします。介護をされている方はぜひ役立ててくださいね。
介護に役立つ日用品8選
1.ストローコップ
祖母が要介護度4になった頃から、何かを飲むときに利用していました。底が広く凸形状サイズのタイプが倒れにくく、飲みやすいと思います。さらに、コップに傾斜があると、ストローがなくても飲むことができますし、頭を大きく下げる必要もなく安全性が高いです。
2.杖ゴム
杖などの底に使用するゴムパーツのことです。祖母のデイサービスの利用者さんが使用していて便利だと感じました。利用者さんが使っていたのは、滑りにくいゴムがついていて軽量のタイプ。最初は、使うのを嫌がっていたそうですが、次第に自分から進んで持って行くようになったそうです。利用者さんのご家族は、「以前使用していた杖ゴムは重く、置くのにスペースが必要だった」と仰っていました。
3.大人用の厚手のおしりふき
祖母が施設から帰宅したとき、夏場でよく汗をかくとき、風邪でお風呂に入れないときなどあらゆるケースで大活躍してくれました。「おしりふき」は100円ショップの商品で十分です。体全体が十分に拭ける190×190mmぐらいの大判サイズがおすすめです。また、使った後トイレに流せるタイプだとより使い勝手が良いと思います。
4.うがい受け
高齢者は、その日の体調によってご飯を食べている途中や直後に嘔吐することがあります。私も祖母の突発的な急変には、当初、ずいぶん混乱したものです。食卓のテーブルクロスを変えたり、拭き掃除に追われたりと、後片付けが大変。そんなとき、ケアマネージャーから「うがい受けを使っている人が多いですよ」と聞きました。うがい受けを使い始めてからは、祖母が急に嘔吐した際でも後始末を憂慮する必要がなくなりました。容量は600~700mLくらいで底が深め、周囲に飛び散らないタイプのものがおすすめです。価格も500円ぐらいなので手軽に買えますし、とても便利です。
5.マッシャー&ヌードルカッター
要介護度が進むと、嚥下(えんげ)機能が落ちてきます。そんなときに使えるのがベビー用品です。私のおすすめは、「マッシャー」と「ヌードルカッター」の2つの機能があるもの。「マッシャー」は、ポテトサラダやコロッケなどをつぶせますし、「ヌードルカッター」は、ラーメンやスパゲッティーなど麺類を素早く一度に細かく切れます。嚥下機能の低下した高齢者の食事を用意するのに最適なのです。
6.滑り止めシート
高齢になると、歩行が不安定になったり、手が滑って食器を割ってしまうケースが増えてきます。そんなときに役立つのが滑り止めシートです。食卓や自宅の中に敷いたり、普段から座位をする場所や車椅子に置いたりすると転倒防止につながります。部屋などの広さに合ったサイズを選びましょう。
7.壁掛けポケットカレンダー
高齢者は薬の量が多いため、本人だけでなく介護者が注意していても忘れるときがあります。私も毎日、祖母の服薬管理に追われて困っていたときに購入しました。1週間分の薬を朝食後・昼食後・夕食後と分けられる少し大きめのサイズがおすすめです。透明のタイプを選ぶと管理しやすいですよ。
8.蛇口レバー
今の住宅の水道はだいたいレバー式ですが、古い住宅はまだまだ回すタイプが多く、しっかりと握らなければなりません。高齢者で手や足が不自由な人にとって辛い作業になります。蛇口レバーをつけると、ひねるだけでさほど強い力をかけなくても開け閉めが可能になります。取り付けも簡単で、自宅の蛇口にはめこむだけです。
福祉用具以外でも役立つグッズは多くある
皆さんの介護に役立ちそうなグッズは見つかりましたでしょうか。福祉用具以外の日用品でも介護に活かせるグッズは意外と多いので、視野を広げて探してみるのがおすすめです。本記事でコロナ禍の中での介護が少しでも楽になるのを願うばかりです。
こうした介護者の視点に立ったおすすめの介護グッズの選び方は、近著『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』(株式会社法研)に記載しています。ジュンク堂書店で1位を獲得、読売新聞・朝日新聞・共同通信・ヤフーニュースなど多数に紹介されました。ヤングケアラー(私はミドルケアラー)など若者介護が話題でもありますので、この機会にぜひお読みください。