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第180回

参加者意欲が高まる集団リハビリ。少ない人材で効率のよい治療が可能に

最終更新日時 2020/10/19
#介護予防

皆さまこんにちは。有限会社リハビリの風でデイサービスを管理している阿部洋輔です。

今回は集団リハビリについてお話していきます。

医療機関で集団リハビリは算定できない

集団リハビリとは言葉の通り、リハビリテーションの専門職が複数の患者さんにリハビリを実施することです。どちらかと言えば、医療機関より介護業界でよく聞く言葉ではないでしょうか。

集団リハビリには、「グループをつくって指導者が同じ動作を示しながら治療する方法」と、数人を対象として「1人のリハビリ専門職が一人ひとりの状態に合わせて個別のプログラムで治療する方法」があります。

しかし2006年の診療報酬改定によって、医療機関で行われていた集団リハビリは算定ができなくなってしまいました。国が決める診療報酬(医療業界)の枠組みでは、「個別的にリハビリを行う方法」が標準となったのです。

集団リハビリは2種類ある

 

意欲的に取り組める集団リハビリ

診療報酬で認められないからといって集団リハビリが必要ないということではありません。以下に集団リハビリのメリット・デメリットをリストアップしてみます。

メリット

集団リハビリにおいて、以下の3つのメリットがあります。

  1. ピアサポートの視点
  2. 個人でやるより意欲が出る
  3. 少ないリハビリ専門職で対応できる

1に関しては、障がいを抱えていないリハビリ専門職には心を開けなくても、同じように障がいを抱えた利用者さんと心を開いてトレーニングできるというメリットがあります。

2の場合は集団の中で各々の利用者さんの役割が生まれるので、1対1では運動をしようと思わない方でも、運動に対して積極的になることがあります。3は単純に考えれば、「1:多数」であれば少ない専門職でリハビリを行うことができますよね。

集団リハビリのメリット

デメリット

デメリットは以下の通りです。

  1. 医療機関では集団リハビリを算定できない
  2. 認知度が低い

1にある通り、医療機関にとって集団リハビリは「単純に利益にならない」ということが挙げられます。介護業界であれば集団に対してのリハビリでも算定は可能ですが、医療機関はできません。「ボランティア」というわけにはいきませんから、難しい状況です。

また2については、現在のリハビリは個別的なリハビリが標準的になっているため、利用者さん・セラピスト側も集団リハビリに馴染みがあまりないのが現状です。

少ない人材で効率よくサービスを提供できるが課題

介護現場ではまだまだリハビリ専門職が足りず、個別リハビリだけでは利用者さんに十分なサービスが行き届けられないという話をよく聞きます。現時点で増加する高齢者と不足する専門職のバランスを考えると、「いかに効率が良くサービスを届けられるか」が課題でしょう。その課題に答える手段の1つとして集団リハビリが挙げられています。

しかし、「サービス提供事業所は、効率を求めるので個別リハビリより集団リハビリを好む」のに対して、「利用者さんはしっかりとリハビリを見て欲しいので、集団リハビリより個別リハビリを求める」という、サービス提供事業所と利用者さんとでギャップが存在しています。

介護現場においてリハビリ専門職が個別リハビリだけでなく、適切に集団リハビリも行えるようにすることで、より効果的に利用者さんにアプローチすることは可能です。これは介護業界で働いているセラピストとっても大事な視点となります。決して利用者さんの意見や1対1で行う個別リハビリ対応を軽視するものではなく、それぞれのメリットをうまく活用していこうということです。

個別と集団のメリットを活かす

国立社会保障・人口問題研究所によると、2042年まで高齢者の数が増えると言われています。そんな状況の中で、効率的にリハビリを進めていけるセラピストの存在は、非常にありがたいことです。

集団リハビリが今まで以上に普及すれば、集団で基本的な運動や体操をしてもらっている間、セラピストが個人の状態をチェックすることも可能となります。「1対1」と「1対集団」を交互にできるようなリハビリが提供できるのではないでしょうか。

集団リハビリのメリットを最大限に活かそう

今回お話しした集団リハビリですが、利用者さんと運営側のメリットは以下になります。

  • 利用者…利用者と良い意味で比較・励ましあうことでリハビリを積極的に進められる
  • 事業所…効率的にスタッフを配置できる

集団リハビリを行うことのメリットを最大限に活かして、お互いが納得するサービスを提供していきましょう。

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松井 洸
恵寿総合病院
2018/01/04

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