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第18回

高齢者の生活がラクになる?整理整頓は、親が混乱しない範囲内。親の老後変化に寄り添って片付ける!~お手軽「整理整頓術」~

最終更新日時 2018/01/31
#親の介護
親元を離れて暮らしていると目には見えない親の老化に気づかないことがあります。そんな親に寄り添って、安心して安全に暮らすことができるようにサポートするための「親の家を片づける3つのポイント」についてお伝えします。

こんにちは。REASON代表で、理学療法士でもある医療・介護ライターの中川恵子です。

「介護の教科書」の連載では、在宅介護をされている方に向けて、「介護者の負担を減らし、高齢者のケガも減らせる環境整理収納術」をテーマに、在宅介護のヒントをお伝えします。

第16回「衣類はなるべく少なめに!老人ホームでの暮らしをラクにする高齢者が困らないクローゼット活用術~高齢者を気遣う整理収納~」でお伝えしましたが、よく使うものとあまり使わないものをクローゼットで分け、必要なものだけを持って老人ホームへの入居と同時に環境を整えられれば、入居後も快適な暮らしを継続しやすくなります。

今回は、これまで病院や老人ホームで理学療法士として働いてきた経験と自身の小児喘息がきっかけではじめたお片づけの経験から、「介護者の負担を減らし、高齢者のケガも減らせる環境整理収納術」をテーマに、在宅介護をされている方に向けて在宅介護のヒントをお伝えします。

「親がケガをして入院したので、親の家に下着など入院生活に必要なものを探しに行くと、ものが多すぎて何がどこにあるのかまったくわからない」。そのように途方に暮れる子世代も多いことでしょう。

そうなると次に心配なのは、退院してからの生活のこと。「またケガをしたら大変だ」「家事が大変ではないだろうか?」など、子世代にとってもいろんな心配がありますね。

けれど、肝心の親世代の方からは、「退院して家に戻ったら子どもが勝手に片づけて何がどこにあるのかわからなくなった」という話をよく耳にします。

子世代が当たり前に感じていることは 親世代にとっては当たり前ではない

60歳を過ぎると見た目ではわからないけれど、さまざまな身体的な変化が出てきています。「小さな字が読みにくい」「夜間トイレに起きる」「背中が丸くなる」「腰が痛い」「手が上がりにくい」など。それまで何不自由なくできていたこと、たとえば高いところのものをとる、しゃがんでものをとるなどが苦痛になってきます。

私が入院して手術をしたとき、小学2年生だった息子の世話があるので義両親に手伝いに来てもらいましたが、そのとき、どの部屋で寝るのかが問題になりました。義母はネコが嫌いだったのですが、「1階の和室の部屋はネコが入ってくるので嫌だ。けれど、2階も嫌だ」と言い始めたからです。

私は、理学療法士の仕事を、していることもあり、2階で寝ると夜中トイレに起きたときに移動することが大変だなとすぐに想像できました。けれど夫はこんな非常事態に何わがままを言っているんだと、理由がわからなかったので途方に暮れてしまいました。

親元を離れて暮らしていると目には見えない親の老化に気づかないことがあります。そんな親に寄り添って、安心して安全に暮らすことができるようにサポートするための「親の家を片づける3つのポイント」についてお伝えします。

親の家を片づける3つのポイント

前述のように、親世代の体の変化と、それに伴う心の変化に寄り添いながら親の家を片づけていきましょう。

ポイント①親のペースに合わせる
親世代は、若い子世代と同じようには動けません。親のペースと価値観に合わせてお手伝いをしていきましょう。自分にとってはゴミにみえても、他人にとっては宝物という話はよく耳にします。整理収納の鉄則は、他人のものは「勝手に捨てない」「移動しない」です。なので、ケガをした親が入院中に勝手に片づけることはもってのほかです。親のペースに合わせ、親の使いやすいように一緒に片づけましょう。
ポイント②よく使うものから整理
よく使っているところから整理することをおすすめします。なぜならば、よく使っているところが使いやすいと体感すると、さらに片づけてみようと心が動く場合があるからで、よく使っているところを整理して実感してもらいながら、ゆっくり整理をすすめていきましょう。毎日料理をするキッチン、毎日着替える洋服などがおすすめです。
ポイント③「捨てる」のではなく「分ける」
ものを捨てられない親世代にとって、「捨てる」「危ないから」は、相手を攻める言葉になってしまい、片づけを始める前に親が気持ちを閉ざしてしまいます。まずは、しっかり分けることからはじめましょう。

親世代の方にとって使いやすい高さは、腰から目の高さです。腰から目の高さに収納できるものは限られているので、本当に必要なものを厳選して、使いやすい場所に収納できるように、しっかり分けましょう。

よく使っているもの、あまり使っていないものにしっかり分けて、よく使っているものを、取り出しやすい場所に優先的に収納しましょう。そうすれば、使いやすさを実感してもらいやすくなります。

たとえば、よく使う食器とあまり使っていない食器をしっかり分けて、写真のようにシンク下によく使う小皿を収納しました。そして、使っていないものは捨てるのではなく、まずは動くスペースでない部屋に移動するなどして、動くスペースの空間を確保しましょう。

本日のまとめ

親世代の年齢になると、体力の衰えとともに気力も衰えてきます。とてもきれい好きな方でも、片づけや掃除をすることが面倒になってしまいます。長年の習慣から、大きく収納位置を変えることも負担となるので、今ある場所に分けながらまとめていくようにしましょう。

住み慣れた家で安全に安心して暮らし続けるためにも、親の家を片づける3つのポイントを念頭に、親のこれまでの経験・生活歴・習慣に配慮して、無理やり整理して収納場所を変えるのではなく、高齢者の方の考えを尊重して「環境整理収納術」を実践していきましょう。

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