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第91回

介護老人保健施設の認知症専門棟は...専門家による支援体制が魅力!医師が常駐し専門家がリハビリをサポート

最終更新日時 2019/03/18
#老人ホームへの入居 #介護保険サービス
介護保険が適用になる施設サービスには、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院があります。それぞれ特徴がありますが、今回は介護老人保健施設の中にある認知症専門棟についてご説明していきましょう。認知症専門棟は、認知症の中核症状(記憶障害、失認、失行、失語、実行機能障害など)が比較的進行中の方で、なおかつBPSD(行動・心理症状)がみられている方が入所できます。

こんにちは。介護老人保健施設「総和苑」で介護課長をしている高橋秀明です。

介護保険が適用になる施設サービスには、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院があります。

それぞれ特徴がありますが、今回は介護老人保健施設の中にある認知症専門棟についてご説明していきましょう。

認知症状態にある方を抱える介護者の参考にしていただければ幸いです。

介護老人保健施設とは?

介護老人保健施設は、介護保険法で次のような施設であると説明されています。

介護保険法第8条第28項

「この法律において「介護老人保健施設」とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」

上記の要点をまとめてみました。

介護老人保健施設とは?

  • 在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設
  • リハビリを提供できる施設
  • 機能維持・改善の役割を担う施設

介護老人保健施設は医療の場と生活の場を結びつける「在宅復帰のための通過型施設」と捉えることが一般的で、要介護1~5の認定を受けていて、かつ医師から病状安定期であると判断された方が入所できます。

介護老人保健施設の認知症専門棟とは?

このようにみると、介護老人保健施設では認知症の状態にある方よりも、身体的疾患を患って自宅に戻ることや自宅で生活するためにリハビリをすることを目的に利用される方が多いとイメージする方もいるかもしれませんね。

しかし、実は入所者のうち認知症の状態にある方の割合は80%以上にのぼるというデータがあります。

そうしたなか、介護老人保健施設では施設内のフロア(階)やエリア(区画)を、認知症専門棟と一般棟などの呼称で分け、認知症専門棟では認知症の状態にある方を中心に支援(介護・看護・リハビリなど)をするフロアがあります。

認知症の状態にある方がすべてこの認知症専門棟へ入所されるわけではなく、認知症がもとで引き起こされるBPSD(行動・心理症状)や認知症状態にある方の介護のかかる度合い(時間と人手)をもとに一般棟と認知症専門棟のどちらが適応なのかを施設が判断するのです。

認知症専門棟対象となるかどうかの判定基準を解説しましょう。

認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準(※出典1)

  • 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが見られ、介護を必要とする
  • 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない・時間がかかる
  • やたら物を口に入れる
  • 物を拾い集める
  • 徘徊する
  • 大声・奇声を上げる
  • 火の不始末
  • 不潔行為
  • 性的異常

日中を中心に上記の状態である場合は「Ⅲa」、夜間を中心に上記の状態である場合は「Ⅲb」、頻繁に上記の状態となる場合は「Ⅳ」と言い、いずれの場合も認知症専門棟対象です。

なお、上記の状態に当てはまらない場合は、一般棟が適応となります。

このように認知症専門棟は、認知症の中核症状(記憶障害、失認、失行、失語、実行機能障害など)が比較的進行中の方で、なおかつBPSD(行動・心理症状)がみられている方が入所できます。

そのため、認知症専門棟で働く職員には、認知症という病態を理解してかかわっていく力が必要です。

介護老人保健施設は、グループホームやユニット型(それぞれの居室の中心に共有スペース(リビング)を設けることで利用者間の交流を図りやすいように考慮されたシステム)の施設と比較すると、大規模で集団的な生活が一般的でした。

しかしこの認知症専門棟の施設は大規模ですが、入所している利用者さんはおおよそ10人を1グループに分けて可能な限り利用者間の交流を図りやすいように配慮されています。

また、働く介護・看護職員もグループに固定的に配置する人員体制を敷き、可能な限り顔馴染みの関係性を構築できるように工夫されているのです。

認知症が進行すると、自分の想いや気持ちを言葉で的確に表現するのが難しくなる方がいます。

認知症の状態にある方が、今何を感じ、考え、想い、何に不便や不自由を感じているのかを、察する・感じる・分析する力が専門職には求められているのです。

利用者さん一人一人の個性、心身状況、生活歴などを具体的に把握するために時間と場所を共にしてかかわりを積み重ねていくことが必要なため、このような体制をとっています。

認知症専門棟を利用するメリット

認知症専門病棟を利用するメリットには、次のようなものがあります。
  • 認知症の専門知識をもち、認知症を理解している専門職員が揃っているので、認知症の方向けの適切な支援を受けられる
  • 認知症が原因で起こる日常生活への支障を職員が見極めるため、適切なレベルの支援を受けられる
  • 医師、看護師、介護職、リハビリ職など専門職同士が連携をはかるため、より良い支援を受けられる
  • 医師が日中は常駐しているため、病態に応じて適切な薬物療法を受けられる

次のような方は家族だけで悩まずに、利用が可能かどうかを施設に相談してみてください。

  • 認知症状態にある方の中核症状が進行し、行動・心理症状が強くなり、自宅介護が難しいと感じている介護者の方
  • 認知症による介護負担が増え、一定期間入所してリハビリや生活支援を受けながら、在宅復帰を希望されている方
  • 認知症の状態にある方を支える介護者が、何らかの理由で自宅介護ができなくなるなど緊急対応が必要な方

介護老人保健施設だからといって、すべての施設に認知症専門棟があるわけではありませんので、入所申込時に認知症専門棟があるか確認してみてください。

また設備だけではなく、認知症専門棟ではどのような支援をしてくれるのか、職員の認知症介護経験年数や保有資格、専門的な認知症ケアの普及に向けた取り組み(認知症に関する研修の状況)などについてもあわせて確認しておくことをおすすめします。

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