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第37回

濃厚接触者の介護サービス利用について、最終判断はケアマネや利用者が行います。利用不可となる場合のことも考えて!

最終更新日時 2020/06/18
#介護保険サービス
こんにちは、ケアマネの小川風子です。今回は、第2波・第3波に備え、「濃厚接触者の介護サービス利用」についてお話します。

こんにちは、ケアマネの小川風子です。

2020年の冬から春にかけて感染が拡大し、世界的に大流行している新型コロナウイルス。

日本では2月末に休校要請、4月7日には7都府県に緊急事態宣言が出ました。

緊急事態宣言は、のちに47都道府県すべてに発令されました。

私は、4月7日の宣言で対象となった地域に住むケアマネです。

仕事内容の変更によって手間が増えたこともあれば、省略できて楽になった部分もありました。

一番大変だったのは、「濃厚接触の疑いのある」利用者への介護サービスの調整でした。

今回は、第2波・第3波に備え、「濃厚接触者の介護サービス利用」についてお話します。

濃厚接触者への介護サービス利用の指示

3月上旬、私が住む地域で、とある医院の利用者が新型コロナウイルスに感染したという情報が入りました。

その感染者と同じ日に医院を利用していた人を「濃厚接触者」とし、自治体から以下のような指示が出ました。

濃厚接触者への指示

  • 家族とは距離を保つ
  • 家族と一緒に食事を取らない
  • トイレやお風呂の利用後に消毒をする
  • デイサービスの原則利用禁止
  • 訪問介護・訪問看護などのサービスはマスクや手袋、エプロン等を着用し、感染に気をつけて利用する

感染者と同時間に医院を利用をしていなかった人には、特に指示はなかったため、通常通りの生活を送りました。

正直、私としては濃厚接触者の自宅へサービス事業者が訪問することに、かなり疑問を感じました。

「利用者と事業者が濃厚接触してしまうと、サービスの調整が大変になるだろうな」と思ったことを覚えています。

丸マークを持った高齢女性とスーツの男性

濃厚接触の疑いがある利用者への対応

その後、感染者数は増加し、世間の新型コロナウイルスに対する認識や対応も変わっていきました。

緊急事態宣言の延長がささやかれていたゴールデンウィーク中に、私が担当する利用者が通っていた施設で新型コロナウイルスの感染者が出ました。

感染した方が施設を利用した日に、私が担当する方は施設を訪れていません。

つまり、「濃厚接触者ではない」ということになります。

しかし、濃厚接触者ではないものの、感染者と濃厚接触した職員と対面しています。

一報を聞いた後、保健所から今後について説明がありました。

保健所の指示

  • 感染者が発生した施設は通常通り営業可能
  • 施設の利用者は今までと同じ介護サービスの利用が可能
  • 最終判断はケアマネや事業所、利用者が行う

一方で、濃厚接触者以外の方も介護サービスが利用できなくなることもあります。

私が担当する利用者に、夫婦で2人暮らしをしている方がいます。

夫が感染者が発生した施設の利用者で、妻は重度の要介護者です。

狭いアパートで、接触せずに生活することは難しいと考えられます。

そして、2人ともデイサービスやヘルパー、訪問看護など複数の介護サービスを利用しています。

ですので、利用施設に連絡し、保健所は介護サービスの利用が可能と判断したことと、引き続きサービスの提供が可能かということを、介護施設に問い合わせしました。しかし、すべての事業所から「一度相談させてください」という返答がきました。

そして、夫が通う、半日リハビリデイサービスと、夫婦2人が利用している訪問介護は、2週間利用休止となりました。

認知症で、新型コロナウイルスのことを理解しにくい夫婦だったので大変でしたが、どうにか2週間を乗り越え、今は通常のサービスを利用しています。

要介護者と介護者、驚く高齢夫婦

守るべきは利用者か職員か

今回、リハビリデイサービスと訪問介護は濃厚接触の疑いがある利用者の受け入れを断りましたが、「なんとかならないか」検討をしてくれました。

また、利用を許可した事業所も、「もしかしたら利用者や妻が新型コロナウイルスに感染しているかもしれないけど、サービスを断ったら生活に困るだろう」という配慮から、そう判断したのだと思います。

この夫婦に関しては、介護サービスが受けられなくなると、生活が成り立たなくなるため、事業所にサービスの利用を検討してもらいました。

しかし、状況に余裕があったら「2週間介護サービスの利用を控えて、感染の可能性がなくなってから再開してください」と、話をしたと思います。

在宅介護を行う以上、このような未曽有の感染症以外にも、地震や台風などで介護サービスが利用できなくなったときのことは、想定しておくべきだと思います。

介護従事者は、どうしても利用者のことが心配で無理してしまいがちですが、一番大切にするのは自分自身であるべきです。

クラスターが発生した介護施設もいくつかありましたが、想定していた数より圧倒的に少ないです。

介護事業者は、費用も時間もかかる感染予防を徹底し、要介護者の生活を守ってくれています。

私は介護関係の資格をたくさん持っていますが、完璧な感染予防の勉強など、したことがありません。

介護職の仕事には、今回のような事態は想定されていません。

なので、利用中の介護施設等で新型コロナウイルス感染者が発生し、利用休止になったとしても、「施設を責めないでほしいな」と切に願います。

全国的に緊急事態宣言は解除されましたが、今後の見通しは不透明です。

他人事と思わず、さまざまな事態を想定し、できる限りの予防をしながら生活していきたいですね。

マスク着用の女性と介護中の様子

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