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第29回

ケアマネは利用者の家族仲を重視!事情を踏まえて対応を変えていきます。家族仲が悪い場合はぜひご相談ください

最終更新日時 2020/02/12
#親の介護
こんにちは。ケアマネの小川風子です。家族支援も業務に含まれるケアマネの場合は、その家族仲をスルーするわけにはいきません。家族仲によって対応を考えていかないといけないというのが私の持論です。その理由や、対応方法をお話していきますね。

こんにちは。ケアマネの小川風子です。

私は今在宅のケアマネージャーとして仕事をしています。

この仕事をしてはや9年目に突入するのですが、その前は長らく現場の介護職員として働いていました。

居宅のケアマネをしてみて、現場の介護職員と違うなと思うことは、利用者さんのためにケアプランを立てるのはもちろんなのですが、それと同時にご家族のフォローもケアマネの大事な仕事のひとつであるということ。

要介護の場合であれば、最低でも月に1回は自宅に訪問し、モニタリングをします。

その場にご家族が同席するケースも多いです。

もちろん同席しないで利用者さん一人の場合もあります。

そんなモニタリングを繰り返し、お互いに信頼関係が築けてきたら、まずあらわになることがあります。

それが「家族仲が良いか悪いか」です。

現場で介護職員として働いているときは、多少なりとも利用者さんの家族関係が悪くても支障はありませんでした。

目の前にいる利用者さんを支援することが仕事だからです。

でも、家族支援も業務に含まれるケアマネの場合は、家族仲をスルーするわけにはいきません

家族仲によって対応を考えていかないといけないというのが私の持論です。

その理由や、対応方法をお話していきますね。

利用者が家族と連絡を取りたくないケース

離れて暮らす家族はいるけれども、仲が良くないのでよほどでなければ連絡しないでほしいという依頼は割とあります。

この希望が通るかどうかは、利用者さんの判断能力がどれだけあるかにかかっています。

しっかりしていて、すべてのことを自分で決定できて、介護サービスの契約もきちんと自分でできるようであれば、わざわざご家族に連絡する必要はないかなとは私は思います。

しかし、どんなにしっかりしていても、介護保険を利用する以上、病気などで状態が変わることもありますし、判断能力が衰えるかもしれない。

そのため、すぐに連絡を取ることはなくても、緊急連絡先として、ご家族の名前や電話番号はあらかじめ聞かせていただきます。

電話のことを話してマルの札を持つ若い女性と、クエスチョンマークの札を持つ高齢男性

家族が利用者とかかわりを持ちたくないケース

家族さんが利用者とかかわりたがらないケースも、実は思っている以上に多いです。

どうしても要介護者の側から見てしまうので、ご家族がその利用者さんに冷たいとか、連絡を取らないとかだと、ご家族が責められがちですよね。

これだけ介護保険が普及しても、まだ「親の介護は子どもがするもの」「夫の介護は妻がするもの」という考え方は根強く残っています。

意外と「妻の介護は夫がするもの」と言われることは少ないのですが、奥さんの介護を献身的にされているご主人も少なくはありません。

話が少しそれましたが、こういった考えが残っている以上、介護をしないご家族は肩身が狭い部分はあるかと思います。

しかし、介護業界の事業所サイドからしてみれば、「介護はどんどんプロに頼ってください」と考えています。

私たちは、介護保険が必要になってから利用者さんと出会い、そしてケアをする立場にありますが、ご家族はそうではないですよね?そこに至るまでの長い年月にさまざまなことがあり、そのうえで今の関係性となっているわけです。

そのため、そこを「仲良くしてください」だとか「介護してください」だとか、簡単に他人が言う話ではありません。

ですが、本当に家族仲が悪く、「介護などしたくない」「何もかかわりたくない」というのであれば、それは必ずケアマネに伝えてください

虫眼鏡を持つ若いスーツ姿の女性と、クエスチョンマークの札を持つ若い男性

ケアマネに柔軟に対応してもらうために、「事情」を説明しよう

しばらく付き合いいろいろと話を聞くうちに、家族仲が良好かどうかは必ずわかります。

しかし、ケアマネから「実はあんまり家族関係が良くないんでしょ?」とは絶対に言えません。

でも、それをはっきりしてくれなければ、ケアマネは立場上ご家族に連絡を取り、必要に応じてさまざまな手続きをする義務があります。

私たち介護事業者が一番恐れているのは、「責任の所在を追及され、責められる」ことなんです。

例えば、利用者さんが「訪問介護を利用したい」と言うとしましょう。

でも、利用者さんがよほどしっかりしていなければ、私たちが勝手に訪問介護を導入するわけにはいきません。

あとから「そんな話聞いていない」とご家族に責められたら困るからです。

「デイサービスの曜日を増やしたい」といった日常的なことでも、利用者さんの話だけで決めて良いのか判断に迷う場合は、ご家族に連絡をします。

家族仲が悪い場合、この電話にすら出てくれないこともあるのですが、そうなるとサービスの変更もままならず、本当に困ってしまいます。

ご家族の方も、いちいちそんなことで連絡しないでほしいと思うかもしれないし、サービスの内容に関しては利用者さんと勝手に決めてほしいと思っているかもしれない。

でもそれははっきりと伝えてもらわないと、「きっと仲が悪いから連絡とりたくないんだな」と思っていても、勝手なことはできないのです。

家族関係が悪いことや、家族の介護をしたくないということが恥ずかしく、はっきり言ってくれないご家族は多いのですが、私たちからしたら家族仲が悪いというのは、別に珍しい話ではありません。

家族側は、どこまで自分は支援するのか、これ以上はしたくないという線引きをきちんとケアマネに伝えるべきでしょう。

逆にケアマネの側からも、そういった話をしやすい雰囲気づくりや、信頼関係の構築に気を付けなければいけないと思います。

マルとバツの札を両手に持つ若い女性と、若い女性が高齢女性を介護する様子

最後に一言

要介護状態の家族がいて、まったく関係を持たないというのはなかなか難しい話ではあります。

でも、それぞれの家庭に事情があるのは当たり前。

介護はしたくない、連絡は取りたくないというのであれば、それをきちんとケアマネに伝えてください。

もしそんな話はしにくい、そんな話を理解してもらえないケアマネが担当であれば、変更するのもありではないでしょうか。

それくらい、この家族関係のお話はデリケートな問題です。

誰にとってもストレスが少ないように、良い方法を探していきましょう。

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