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第22回

末期がんの介護疲れで家族の方が倒れそうな時は?医療保険や訪問感誤サービスの活用法を解説

最終更新日時 2019/08/13
#介護保険サービス #看取り・終活
高齢者の場合、がんと診断されても積極的治療を選ばない方が多いため、遅かれ早かれ病気は進行し続け、やがて末期がんの状態に至るケースが多くあります。ややこしい介護保険と医療保険をしっかり区別して活用するための方法と、末期がんの“看取り”について、わかりやすく解説していきますね。

みなさんこんにちは、ケアマネージャーの小川風子です。

ケアマネージャーとして働いていると、がんと診断されている利用者さんは常に何人かおられます。

がんは、日本人の2人に1人が罹患するとされており、それだけみなさんにとって身近な病気だということです。

高齢者の場合、がんと診断されても積極的治療を選ばない方が多いため、遅かれ早かれ病気は進行し続け、やがて末期がんの状態に至るケースが多くあります。

末期がんの場合は、介護保険の利用だけではどうにもならないことがたくさんあります。

そんなときのために、ややこしい介護保険と医療保険をしっかり区別して活用するための方法と、末期がんの“看取り”について、わかりやすく解説していきますね。

介護保険上の「末期がん」とはどういう状態か

末期とはっきり診断されると不安になるため、あえて医師には明言しないでほしいと思う方もきっと多くいると思います。

ところ末期がんの場合、医師からはっきりと診断されないと困ってしまうことがあるんです。

それは一部のサービスに、介護保険を適用するのか、医療保険を利用するのかが変わってくるということです。

それを踏まえたうえで、介護保険での“末期がん”の定義を見ていきましょう。

介護保険上でいうと、介護保険二号保険者(40歳以上64歳未満)の特定疾病として、以下のような状態と定義しています。

「医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る」

それでは具体的に、末期がんと診断されることでどのように一部のサービスに適用される保険が変化するのかを解説していきましょう。

末期がんと診断されたら、訪問看護が医療保険に変わる

罹患した部位などにもよりますが、がんは長期的に入院して治していくものではなく、平均的に2週間くらいの入院が一般的。

抗がん剤や放射線治療のために病院まで通ったり、手術のために短期的な入院をしたり、という治療方法がスタンダードになってきているのです。

そのため、ほとんどの利用者さんはギリギリまで在宅の生活を送ることになります。

多くの方の場合、がんの進行に伴って、介護保険のサービスを増やしていかなければ生活がままならなくなります。

しかし、がんが一気に進行してしまい、介護量が増えたからといって、要介護度はすぐに変わることはないということです。

区分変更申請をしても結果は1ヵ月ほど待たされるので、それまでの間、介護保険の単位が足りなくなることもあります。

ここで重要なのが、先ほどお話した“医師の診断”です。

医師が「この状態は末期がんである」と診断に至るような状態だった場合は、きちんと書面に記してもらうことで、訪問看護のサービスが、介護保険ではなく医療保険に切り替わります。

訪問看護は、介護保険のサービスのひとつです。文字通り看護師や、そのほかの医療リハビリ職が自宅に訪問してくれるサービスになります。

この訪問看護には、医療保険が優先される疾病が決められています。

そのため、該当の疾病と医師が診断すれば、強制的に医療保険適応になります。

そのうちのひとつが「末期の悪性腫瘍」、つまりは末期がんなのです。

医療保険に切り替わることで、週4日以上の訪問看護サービスが利用できるようになります。

さらに、介護保険の単位を使わなくて済むため、それまで訪問看護として利用していた単位を、ほかのサービスで利用することができます。

ただし、「いやいや私は医療保険ではなく、介護保険で訪問看護を利用したいです」と希望しても、それはできません。

在宅で末期がんの看取りを行う場合に、知っていてほしいこと

末期がんの状態となっても在宅での生活を希望されるのであれば、ターミナルケア、つまり看取りを念頭に入れてサービスを導入します。

ただし、これはおそらく頭で考えているよりもずっと覚悟のいることです。

みなさん、はじめは「最期まで家で生活します」「家で面倒を見ます」とおっしゃるのですが、私の担当した利用者さんのなかで 、在宅ターミナルを全うした方はいません。

最期は病院や緩和ケア病棟で迎えられる方がほとんどです。

それくらい覚悟のいることだと思ってください。

もちろん、最期まで家で看ないことが悪いわけでは決してありません。

ただ、家族や事業所が一致団結し、介護保険、医療保険をフルに使わないとなかなか難しいということをご理解ください。

現在は病院のベッドや介護・医療職不足から、介護保険では在宅での看取りを推奨しています。

もし本当に在宅で最期を迎えたいのであれば、訪問診療や各サービスを利用しながら看取りを行うことは十分に可能です。

とくに末期がんの場合は、前述したように医療保険での訪問看護の利用が可能ですので、手厚い体制を整えることができます。

いつまで在宅介護をするのか、ということも、ケアマネージャーなどに相談しながら考えておく必要があるでしょう。

最後に一言

最近はケアマネや主任ケアマネの研修で、ターミナルケアの勉強をすることが増えました。
それだけ、在宅で最期を迎えることを推奨する動きがあります。

ただ、ほかの病気や、加齢による衰弱で在宅ターミナルを選ぶ場合と、末期がんの場合はやはり違います。

緩和ケアも重視しなければいけないですし、がんになる方のなかには若い方も多いため、精神的なフォローも必要です。

それだけ大変だからこそ、訪問看護が医療保険対象になっているのだと思います。

介護保険だけの利用ではどうにもならないことが多い、末期がんでの在宅生活。

ややこしい部分も多いですので、症状が急に悪化した、といったことがあればケアマネージャーなどに相談してみてくださいね。

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