いいね!を押すと最新の介護ニュースを毎日お届け

施設数No.1老人ホーム検索サイト

入居相談センター(無料)9:00〜19:00年中無休
0120-370-915
第101回

改めて知って欲しい!ケアマネが対応できることの“限界”

最終更新日時 2022/09/09
#介護保険サービス
目 次

ケアマネジャーは、介護保険制度の要と言われる部分を担っているので、業務は多岐にわたります。

主な業務は、介護の相談、要介護認定の申請手続き代行、各サービス事業所との連絡調整にケアプランの作成、施設入所の手続きなどが挙げられます。

また、弊社のように在宅介護のケアマネジャーの場合、在宅生活全般の相談も受けるため、「草刈りをしてくれる業者を知らないか?」といった相談を受けることもあります。

このように、さまざまな相談を受け、解決に導いていくのがケアマネジャーなのですが、ケアマネジャーにもできる部分とできない部分があります。

今回は、実際の体験談を基に、ケアマネジャーでは対応できない事例を解説していきます。

無理難題ばかりを言う利用者の事例

Aさんは精神疾患(統合失調症)を持たれている「要介護4」の男性です。車いす利用で、独居で生活し、身体障害者手帳も所持しています。

もともと糖尿病や喘息症状などの現病歴もあり、食事制限をしないといけないのですが、それを守ろうとせず、本人が好きなものばかりを食べたりしています。そのため、かなり腹囲も大きくなっています。

また、両足ふくらはぎに床ずれができており、その処置のために往診を受けていて、定期的に付け替えも行っていますが、傷口の治りが芳しくありません。

毎日ヘルパーさんが入り、掃除や調理、おむつ交換などを行っています。また、精神科で訪問看護サービスも受けています。

本人からの要求が多く、介護保険では対応できない部分のことについては、保険外サービスで対応しています。

例えば、ヘルパーさんに対して毎日同じ時間に2時間程度サービスに入るようにしてほしいとか、ヘルパーさんのつくった料理がまずいので、事業所を変えてほしいといった要望です。

また、保険外サービスには「身体障がい者のほうでのサービスが使えるだろ!」と何度も言ってきたりします。

たしかに、介護保険制度では「区分支給限度額」といって、その介護度に応じてサービスを利用できる範囲というのが決まっています。

1ヵ月あたりの区分支給限度額
要介護
区分
区分支給限度額(単位) 費用
要支援1 5,032 50,320~57,364円
要支援2 10,531 105,310~120,053円
要介護1 16,765 167,650~191,121円
要介護2 19,705 197,050~224,637円
要介護3 27,048 270,480~308,347円
要介護4 30,938 309,380~352,693円
要介護5 36,217 362,170~412,873円

実際の支給限度額はサービスによって単価が異なる。上の表は1単位あたり10円で計算

この範囲を超えてしまう場合は、原則「要介護4」もしくは「要介護5」の認定を受けていて身体障がい者手帳を所持している方は、身体障がい者としてサービスを利用できます。

これは各保険者である市町村の判断で違いがあります。Aさんの場合は「要介護5」でサービスの範囲を超えてしまった場合であれば、身体障害者のほうでサービスを受けられると行政から回答をもらいました。

Aさんには何度も説明しましたが、納得いただけません。対応に納得しなければ、すぐに地域包括支援センターや市役所の介護保険課にクレームが入ります。

弊社は「特定事業所加算」を算定しているため、24時間体制で利用者さんからの相談に応じるような体制を整えているのですが、それに乗じて、夜中や明け方頃に電話をかけてきて、自分の要求を口にします。

ヘルパーさんも他の利用者さんの対応があるので、なかなか要求通りには受け入れられないことも多々あります。

そのため、ヘルパーさんの事業所を2社利用して対応していましたが、それでも要求に応じることができませんでした。

最終的には、別の居宅介護支援事業所を本人が探してきて、そちらに対応してもらうことになりました。このように、無理難題を言ってくるケースがあるのです。

無理難題でヘルパーさんを困らせることも

介護保険で対応できることを整理しよう

ケアマネジャーとしての対応としては、事業所の管理者に相談したり、一緒に訪問に行ったりします。

その中で、本人の要求について傾聴し、できることとできないことを説明するようにしています。また、どのような要求をしてきたのかを詳細に記録するようにしています。

それでも納得されない場合は、地域包括支援センターや行政に相談し、協力を仰ぎます。担当ケアマネが一人で抱え込まないように対応することが重要なのです。

今回の事例のように、不当な要求をしてくる場合もありますが、こういった時には毅然とした態度で対応しています。

なるべくすべての要求に応えられるようケアマネジャーも手を尽くしますが、介護保険にも限界があります。

「もっとこういうサービスをしてほしい」と望まれている方は、ケアマネジャーの話にも耳を貸し、何ができて何ができないのかを一度確認してみてください。

無理な要求をしていないかケアマネジャーと話し合おう
関連記事
【介護保険】ケアマネジメントと関係の深い福祉用具。貸与か販売かで分かれる議論のポイント
【介護保険】ケアマネジメントと関係の深い福祉用具。貸与か販売かで分かれる議論のポイント

大内田 省治
ケアプランセンターはぴるす 代表取締役
2022/04/13

キーワードから記事を探す

#親の介護 #介護予防 #老人ホームへの入居 #介護保険サービス #看取り・終活 #高齢者の健康 #嚥下 #地域包括支援センター #介護食 #介護にかかるお金 #薬 #フレイル #仕事と介護の両立

介護保険利用者必見!2024年以降の自己負担増が検討中

!
記事へのご要望
お待ちしてます


この記事へのご要望、
お聞かせください

みんなの介護は皆さまの声をもとに制作を行っています。
本記事について「この箇所をより詳しく知りたい」「こんな解説があればもっとわかりやすい」などのご意見を、ぜひお聞かせください。

年齢

ご要望を
受け付けました!

貴重なご意見を
ありがとうございました。

頂戴したご意見は今後のより良い記事づくりの
参考にさせていただきます!

【まずはLINE登録】
希望に合った施設をご紹介!