こんにちは。「カラダブログ」を運営し、セミナーなどを通じて「多くの人が病院に行かないような文化を作りたい!」をテーマに活動している理学療法士の吉田直紀です。
仕事や学校の午後の後半、「足がむくむな~」って感じ始めると「気持ちが良いマッサージがしたい!」「疲れたときに癒されたい!」とついつい言いたくなったり、思ったりしませんか?
グリグリ押して「あ~気持ち良い…」
座り仕事や力仕事、勉強など人それぞれですが、肩が凝ったり、背中が張ったり腰が、痛むなど見ている人は既に感じているはずです。ついつい指や手で強く押して張りや痛みを和らげようとしますよね?
でも…その方法って本当に合っていますか?
今回は、素人の方がやってしまう危険なマッサージについて、一つひとつ丁寧に解説していくので、一緒に理解を深めていきましょう。
マッサージをしてはいけないとき

まず、覚えて欲しいことはマッサージをしてはいけないとき。
- 炎症がある状態
- 感染症にかかっているとき
- 怪我をした直後
このような疑いがある場合、マッサージは基本的にしてはダメです。
また、以下のような疾患の方への強いマッサージも危険であり、素人の方は行わないようにしましょう。
- 関節リウマチ
- 骨粗鬆症
- ガンがある場合
- 手術後で関節を動かしてはいけない場合
マッサージで炎症をさらに引き起こしてしまうようなときには、マッサージ良くないです。
また、マッサージは炎症を引き起こす場合があるので、「患部に熱がある」「患部が腫れている」「押すと非常に強い痛みを訴える」といったサインがある場合は、マッサージを控えめにしましょう。
加えて「マッサージで気持ち良い・リラックスすること」と「症状を良くしたい」ということは分けて考えなければいけません。症状を改善したい場合は専門家の施術をしっかりと受けましょう。
症状があるのに、気持ちの良いリラクゼーション系のマッサージを受けるときは特に注意が必要。施術によって痛みが悪化するケースがあります。
- マッサージを受けてから肩が動きにくくなった
- 整体に行って関節を動かしてからしびれが出てきた
- 腰のマッサージで腰痛が悪化した
このような声はあとを絶ちません。
それは、施術する側の医学的な知識が不足していることが一番の問題ですが、施術を受ける側も最低限の知識を持って施術を選択することが大切で、知識があれば自分の体を守ることができます。以下の質問をしっかりと施術者側に問い、納得のいく答えが出るかどうかを確認してみてください。
- ①肩こりや腰痛の原因を医学的に説明できるか?
- ②マッサージをするときにどこを触っているか明確に答えられるか?
- ③手術をしているとき、その手術についての知識があるかどうか?
- ④疾患の医学的な知識があるかどうか?
- ⑤丁寧に問診やカウンセリングをしてくれているかどうか?
もちろん資格があるかどうかも重要。国家資格を持った医学的な知識がある施術者の方が安心です。自分自身の大切な体を相手に預けるときは、しっかりと見抜く"目"も大切なのです。
押す、叩く、揉むは強さがポイント

よくあるマッサージに「押す」「叩く」「揉む」という方法がありますが、一歩間違えると痛みを引き起こす場合があります。
その"一歩"とは一体何か?
それは「強さ」です。
強く押したり、叩いたり、揉んだり…というマッサージは、人体を理解しているプロの人が行うのであれば問題ありません。しかし素人の方が強いマッサージをすると、組織が壊れて炎症を起こしてしまいます。
これが、いわゆる「もみ返し」のような状態で、痛みが残ります。
マッサージが終わった後に強い痛みが残る場合や、次の日にもみ返しがある場合はマッサージの強度を弱くしてみましょう。また、マッサージ自体が合わない方もたくさんいます。
- 人に体を触られると体に緊張が抜けない
- 強く触られると力が入ってしまう
- マッサージ後に体がだるくなってしまう
このような症状がある方は、他人から受けるマッサージよりも自分で行うストレッチや筋トレの方が合っているかも知れません。自分で体を動かす運動を取り入れましょう。
マッサージする場所に注意

マッサージをする部位にも注意。大きな血管や神経がある場所を強くマッサージをしてしまうと、痛みやしびれが出てしまいます。
特に危険なのが「首回り」肩こりの人はよく首回りをマッサージすることが多いはずですが、首の周りには脳に送る大切な血管や神経があります。しかも首回りの筋肉は薄く、すぐに血管や神経に刺激が届いてしまいます。素人の方が首周りを強くマッサージすることはおすすめしません。
- 気持ちが悪い
- めまいがする
- フラフラする
このような症状がマッサージ後にある方は特に注意しましょう。同様に「マッサージしている部位がしびれ」や「体にビクッと力が入るような痛みが出る」場合も、マッサージ部位が違っている可能性があるので注意しましょう。
プロのマッサージと素人のマッサージの大きな違いは?

その大きな違いは知識と技術全てになりますが、もっとも大切なのは「どこに何があるかを知っている」ことでしょう。
肩こりの人に対して肩を触ったときに、「これはどこの筋肉なのか?」「靭帯なのか?神経なのか?血管なのか?」「今何を触っているのか?」という問いに対して、プロは明確な答えを持っています。
プロはこれが明確です。何を触っているかわからない時点でマッサージの効果はあやふやになります。これも施術中に質問し、「今どんな目的でどこを触っているんですか?」とマッサージしている人に聞いてみましょう。
これが明確に答えられない人は、ちょっと体を預けるのが怖くなりますね。
じゃあどんなマッサージをしたらいいの?

結局のところ医学的な知識がない素人のマッサージはやはり危険が伴うということになります。
もしマッサージをするのであれば、大切なのは「プロの人から教えてもらう」「強度を弱くしてさする程度にする」ということ。
これを守ればマッサージで体が悪くなることはないです。
今回はマッサージして気持ちの良い場所、血流が悪くなりやすい場所を動画でお伝えします。
- 背骨全体
- 肩の付け根
- 肩甲骨の間
- お尻
- 膝裏
- ふくらはぎ
これらは血流が悪くなりやすく、コリや痛みを引き起こす原因になりやすい部位。痛みのない範囲でさすりながら圧を調整してマッサージをしてみましょう。
いかがだったでしょうか?マッサージは人の体をよくすることも悪くすることもあります。正しい知識を持ってマッサージを行いましょう。