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第163回

高齢者の外反母趾対策に幅広靴はNG?正しい靴選びで悪化を防ぐ方法を専門家が解説

最終更新日時 2023/09/25
#介護予防 #高齢者の健康
目 次

足の親指の付け根が出っ張ってしまう外反母趾。靴が親指の付け根に当たって痛み、履ける靴がないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

さらに外反母趾などの足トラブルは高齢者の転倒や歩行能力低下の一因とされており、介護予防の観点からもケアする必要性があります。

そんな外反母趾を悪化させてしまうことを避けるために有効な情報をまとめていますので、ぜひ最後までお読みいただきたいと思います。

外反母趾とは

ここで改めて外反母趾がどのような状態なのか一緒に確認してみましょう。

母趾(ぼし)は足の親指、「外反」は小指側に反ってしまう状態を指します。

つまり、足の親指が小指側に向き指の付け根の関節が曲がった状態を外反母趾といい、曲がった角度が20度以上で外反母趾と診断されます。

外反母趾になると、親指の付け根部分に靴が当たりやすくなります。付け根部分の骨が出っ張っていますから、そこに靴が当たらないように大きめやユルユルの靴を選びがちです。

確かに幅が緩い靴のほうが、履いているときに強く当たることはないかもしれません。しかし、長い目で見ると、幅が広すぎたり大きすぎたりする靴は、外反母趾を悪化させてしまう危険性があります。

そこで、痛みを伴わない程度に足幅に合った靴を選び、適切に靴を履くことが重要です。

参考:靴の履き方が膝痛や巻き爪などの原因に?ポイントは「かかと」のフィッティング

靴を履くときは、踵をトントンしてヒモやベルクロをしっかりと留めることが大切です。とても簡単なことですが、生活習慣に取り込むまではつい忘れてしまいやすいので、ご家族やご友人と声をかけながら取り組むことをおすすめします。

ゆるくて履きやすいといった理由でクロックスなどを履かれる方も少なくありません。用途を考えながら足にとって良い環境となるように靴選びが外反母趾の悪化を防ぎます。また、外反母趾というと女性の足トラブルと勘違いされていることがあります。実際に拝見していると、男性の外反母趾の方も少なくありません。年齢や性別に関係なく今日から靴選びや靴の履き方に気をつけていきましょう。

幅が広い靴は外反母趾を悪化させる

足指が変形する最大の原因が、間違った「靴の履き方」や「靴の選び方」により、靴の中で足が動いて滑ること。サイズが大きい靴で歩くと、靴の中で足が前滑り・横滑りして安定しません。

靴の中で足が滑ると、滑りを止めようとして自然に指先に力が入るため、「浮き指」や「屈み指(かがみ指)」という足指の変形や足のアーチが崩れが起こり症状がさらに進行していきます。

そのうえ、足指をぎゅっと曲げて靴が脱げないように歩く癖がついてしまいます。フィットしない靴は足が疲れやすく、外反母趾の痛みを助長してしまうことにもなりかねません。

つまり、外反母趾の方は、特に靴の履き方と靴の選び方がとても重要になります。もし、オーダーで足にあった靴を作成したとしても適切に履かなければ靴の中で足は滑ってしまいます。

靴の選び方のポイントは以下の通りです。

  1. 足の甲をしっかりと留められる
  2. 踵が硬く押しても倒れない
  3. 靴を捻っても雑巾のようにねじれない
  4. 幅は広いよりもちょうどいいものを選ぶ
  5. 適切な履き方をして履いたときに爪先に1センチ程度のゆとりがあるサイズを選ぶ

これらを意識して選び適切に履くことで、各足の指をしっかりと使って歩くことができ、さらに靴と足が一体になるため安定します。このように適切な大きさの靴を適切に履くことで疲れにくい歩行につながります。

特に、高齢になってくると外反母趾の方は幅が広すぎる履き物を選ぶ傾向がありますが、当たって痛くならない程度に幅が合った靴を選ぶことを意識しましょう。そして、足の甲をしっかり留めることで足の指を広げ骨の突き出しの悪化を防ぎます。

保険適用で適切な靴をオーダーメイドできる

病院(主に整形外科)で医療用のオーダーメイドインソールやメディカル整形靴の作成を行ってくれることがあります。

病院で靴をオーダーメイドすると、こんなメリットがあります。

  • 医師の診断のもと、保険適用で作成することができる
  • 国家資格の義肢装具士さんが作成してくれる

医師や義肢装具士が作成する確かな技術と安心感が最大のメリットです。

一方、デメリットとしては次のようなことが考えられます。

  • インソールで1万円~2万円、靴で3万円程度かかる(3割負担の場合)
  • 一度料金を立替払いして、書類を提出後差額分が返金されるので手間がかかる
  • 3週間~1ヵ月ぐらいの時間を要することがある
  • 作成した後の微調整や違和感があるときの修正などに時間がかかる
  • インソール単体で作成してもらう場合、靴との相性が考えられていないことが多い
  • サポート力は強いが、運動や長距離の歩行に向かないものもある
  • 保険適用は1年半に1回のみ

特にインソール単体で作成してもらう場合に「靴との相性が考えられていないことが多い」ことは大きなデメリットです。せっかく良いインソールでも靴が合っていなければ機能発揮が困難になります。

また、保険適用ができるかどうかは、必要書類をもとに行政機関が判断しますので、確約できるものではありません。

まとめ

これまで述べてきた外反母趾の3つのポイントをまとめてみましょう。

  • 外反母趾だから幅広のゆとりある靴がいいというのは「ウソ」
  • 幅の広い靴は外反母趾を悪化させる
  • 外反母趾は女性だけがなるものではない

外反母趾は進行してしまうと、元に戻す方法は手術しかありません

そのため、悪化しないようにするには日頃のちょっとした意識の積み重ねが大切です。「いまさら」などと思わずに、靴選びや靴の履き方を毎日の習慣に取り入れて一緒に行動していきましょう。

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