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第158回

在宅介護の難敵「腰痛」を改善!日常生活で取り入れたい5つの工夫とは

最終更新日時 2023/08/29
#高齢者の健康
目 次

在宅介護の難敵が腰痛です。なかなか治らず、日常生活で困っている方は多いのではないでしょうか。

腰痛を引き起こす原因はさまざまですが、なかには生活習慣やトレーニングによって改善できるケースもあります。

本記事では腰痛の原因や、改善を目指すための方法とその注意点などについてご紹介します。日常生活でも気軽に取り入れられるポイントを実践することで、腰痛の改善が期待できるでしょう。

腰痛を引き起こす原因とは?

腰痛を引き起こす原因には、どのようなものがあるのでしょうか。おもな原因についてみていきましょう。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎(腰部分の背骨)にある「椎間板」が後方に飛び出している状態のことです。椎間板は背骨を構成する骨と骨の間についており、クッションのような役割を持っている組織です。椎間板に負担がかかって後方にはみ出ると、神経が圧迫されて腰痛や足の痛みなどの症状が現れる原因となります。

腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因は、悪い姿勢での作業や運転、喫煙などがあげられます。腰痛だけでなく、足の痛みや動かしにくさを感じる場合は腰椎椎間板ヘルニアを疑われます。[1]

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症とは、背骨のなかにある神経の通り道(脊柱管)が狭くなる状態のことです。脊柱管が狭くなると神経が圧迫されやすくなり、腰や足の痛みやだるさなどの症状が現れます。また、歩くときに痛みが徐々に強くなる「間欠性破行(かんけつせいはこう)」も代表的な症状です。

脊柱管狭窄症は「靭帯の肥厚」や「背骨の変形」などが原因で起こり、そのきっかけとなるものは以下があげられます。

  • 腰に負担がかかる作業を繰り返す
  • 肥満によって腰椎に負担がかかる
  • 圧迫骨折や側湾症によって骨が変形する

そのほか、喫煙やストレスなども関係しているといわれています。[2]

骨粗鬆(しょう)症

骨粗鬆症とは、骨の骨密度が減少してもろくなっている状態のことです。

骨は新陳代謝によって常に新しくつくり直されています。しかし、新陳代謝のバランスが乱れると骨がスカスカになり、骨密度が低下してしまいます。その結果、骨粗鬆症となって腰痛や骨折などを引き起こすのです。

骨粗鬆症の原因は、骨の形成をサポートするカルシウムやマグネシウム、ビタミンDの不足などがあげられます。その他にも、運動不足によって骨に適度な負荷がかからず、もろくなって発症する場合もあります。[3]

筋肉の負荷によるもの

急な負荷によって筋肉を痛めて腰痛となるケースもあります。このような腰痛を「急性腰痛」といい、別名「ギックリ腰」と呼ぶこともあります。特に急に重いものを持ち上げる、腰を捻るなどをしたときに起こりやすいでしょう。

急性腰痛は強い痛みをともないやすく、腰を動かすことが困難となる場合もあります。症状は2日から1週間程度で治るとされていますが、その後も痛みが残って慢性腰痛となるケースもあります。[4]

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で引き起こされることもあるので、強い痛みが続くようであれば医療機関を受診しましょう。[5]

原因がわからないケースも多い

腰痛は原因が明確にわからないことが多いとされており、その割合は約85%を占めています。きっかけとなる病気がなく、X線やMRIなどの検査をしても原因がわからない腰痛を「非特異的腰痛」と呼びます。

非特異的腰痛は背骨や骨盤などの関節に関わる組織が原因とされていますが、詳細な判断がしにくいのが特徴です。

急性腰痛であるギックリ腰も明確な原因がわからないことがあるため、非特異的腰痛に含まれる場合もあります。[6]

画像提供:photo AC

腰痛は他の重い病気が隠れていることも

先ほど紹介した原因以外にも、他の重い病気がきっかけで腰痛が現れることもあります。腰痛で考えられる病気としては、以下の通りです。

  • 脊椎や脊髄の腫瘍
  • 脊椎の感染症
  • 胆嚢炎、膵臓炎などの消化器系の病気
  • 尿路結石や前立腺がんなどの泌尿器系の病気
  • 心筋梗塞や解離性腹部大動脈瘤などの循環器系の病気
  • 子宮内膜症や子宮がんなどの婦人科系の病気
  • うつ病や統合失調症などの精神的な病気

このように、さまざまな病気が候補としてあげられます。腰痛が出た際は、他の症状も表れていないか確認してみましょう。

腰痛を改善するためのポイント

筋肉による痛みが原因で腰痛を生じている場合、以下のような取り組みによって改善できる可能性があります。それぞれの取り組みのポイントや注意点などについて解説します。

筋力トレーニング

筋力トレーニングによって衰えている体幹の筋肉を鍛えることで、腰痛の予防・改善が期待できます。このときに背筋だけでなく、腹筋もトレーニングをしてバランスよく体幹を鍛えることが大切です。両方の筋肉のトレーニングによってキレイな姿勢につながり、腰にかかる負担の軽減につながります。

気軽に腹筋と背筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。

【腹筋を鍛えるトレーニング】

  1. あお向けになって両膝を曲げる
  2. 背中の下にタオルや小さいクッションを敷く
  3. 背中の下のタオルやクッションを押し付けるイメージで息を吐きながら腹筋に力を入れる
  4. 5秒間力を入れたら元に戻して休憩する
  5. 3~4の手順を5セット繰り返す

【背筋を鍛えるトレーニング】

  1. うつ伏せになって肘を立てる
  2. へその下にタオルや小さいクッションを敷く
  3. へその下のタオルやクッションを押し付けるイメージで息を吐きながら背筋に力を入れる
  4. 5秒間力を入れたら元に戻して休憩する
  5. 3~4の手順を5セット繰り返す

効果的なストレッチ

硬くなった筋肉の柔軟性を高めることで、腰回りの可動性が広がって腰痛の改善につながります。筋力トレーニングだけでなく、腰回りのストレッチもあわせて行ってみましょう。

腰の負担を軽減が期待できるストレッチ方法をご紹介します。

【背筋のストレッチ】

  1. イスに座る
  2. 顔を膝に近づけるイメージで身体を丸める
  3. 十分に丸めた状態で20秒キープする
  4. 元に戻る
  5. 2~4の手順を2セット繰り返す

【腹筋のストレッチ】

  1. イスに座る
  2. 両手を組みながらで真上に上げた状態を20秒キープする
  3. 元に戻る
  4. 2~3の手順を2セット繰り返す

【腸腰筋のストレッチ】

腸腰筋は腰椎から股関節の前にかけてついている筋肉です。

腸腰筋をストレッチすることで反り腰が改善されて腰痛の軽減につながります。

  1. あお向けになる
  2. 片足を曲げて両手で持つ
  3. 曲げた片足をできる限り身体に近づけて20秒間キープする
  4. 元に戻る
  5. 反対も2~4と同じように行い、それぞれ2セット行う

日常生活での工夫

日常生活で腰痛にならないための工夫を心がけることも重要です。

例えば、重いものを持つときはなるべく身体を近づけながら行うことを意識しましょう。身体との距離が遠いほど腰にかかる負担が高くなり、腰痛を引き起こしやすくなります。また、下にあるものを持つ際は立って行うのではなく、しゃがんで持ち上げると腰の負担軽減につながります。

そのほか、イスに座る時間が長い方は、なるべくキレイな姿勢をキープするように心がけましょう。座っているときに背中が丸くなったり、骨盤が倒れたりしていると、腰痛だけでなく肩こりの原因にもなります。このように、日常生活でも腰に負担のかからない工夫を取り入れていきましょう。

コルセットの着用

コルセットの着用も腰痛を改善するための1つの手段です。コルセットを着用すれば腰回りが固定されるので、腰痛の軽減が期待できます。腰痛によって作業や仕事ができない場合は、コルセットの着用も検討してみましょう。

ただし、コルセットは物理的に腰回りを固定する分、長期間装着すると腹筋や背筋の筋力が衰えてしまう恐れがあります。筋力低下を引き起こさないために、常に装着するのではなく、必要なときだけ付けるようにしましょう。

また、正しく装着できていないと効果が薄れてしまうので、付ける位置をしっかりとチェックすることも大切です。

腰痛を悪化させない工夫を生活で取り入れよう

腰痛の原因はさまざまで、病気によるものや筋肉にかかった負担によるものなどが挙げられます。なかには筋トレや身体の使い方など、日常生活でできるような工夫で改善できるケースもあります。

腰痛に悩まないためにも、日常生活で気軽に行える工夫を取り入れて、腰を労りましょう。それでも腰痛が改善しなかったり、悪化したりする場合は他の原因が隠れている可能性があるので、医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】
[1]関西医科大学|腰椎椎間板ヘルニア
[2]相模原病院|腰部脊柱管狭窄症について
[3]厚生労働省|骨粗鬆症 - e-ヘルスネット
[4]滋賀医科大学|急性腰痛と慢性腰痛 痛みが長引く理由 慢性腰痛の治療
[5]慶應義塾大学病院|腰椎症
[6]厚生労働省|腰痛対策

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