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第5回

音楽療法の効果とは?認知症の予防・改善に期待。身近に活用する方法を紹介!

最終更新日時 2017/10/19
#介護予防
認知機能障害については、コミュニケーション能力の改善が見られた事例や、記憶能力に関しても期待が持てるデータが存在しています。 さらに、音楽療法が高血圧にも効果があるというデータもあります。高血圧と認知症は一見関係なさそうに見えますが、高血圧によって心臓疾患や脳疾患につながり、その過程で認知症になる方が多いそうです。

くるくる天然パーマのひよっこ音楽療法ライター海月(ミヅキ)ひなたです。高齢者の介護現場向け楽器の開発・販売を手掛ける『ソニフル』で音楽や音楽療法の魅力を発信しています。ぜひ在宅介護でも音楽を活かした介護を取り入れてみてくださいね。

今回は、音楽療法で得られる効果やみなさんに実践ほしいことをお話ししていきます。

私たちの生活に元気を与えてくれる音楽

私たちの生活を豊かにしてくれる音楽。大好きな歌手の曲を聴きながら学校や会社へ向かったり、 作業中に音楽を聴いたりする方は多いと思います。また、コンサートに足を運んだり、宴会でカラオケを利用したりと、積極的に音楽を楽しむ方も多いでしょう。

音楽は私たちを元気にし、充実した暮らしを彩るエッセンスとなっています。

出典:中央調査者更新

介護や医療の現場で注目される“音楽療法”

そんな音楽ですが、介護や医療、福祉の現場にて「もっと有効活用しよう!」という動きがあるのをご存知ですか?その代表が「音楽療法」です。

聞きなれない言葉かもしれませんが、音楽療法はメンタル的な部分だけではなく、身体的にもよい影響を与えることが分かってきています。

音楽療法学会による音楽療法の定義は下記の引用をご覧ください。

音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」

音楽を利用した「症状が良くなる変化」を明確に理解したうえで、患者さんに合わせた目標を決め、「症状の改善」へ向けて音楽を利用するのが音楽療法です。

「なんとなく音楽を聴く、楽しそうだから音楽のライブ会場へ足を運ぶ」ということと、「音楽療法」は異なるものなんですね。

音楽療法士は、症状の変化を数値化し、日々研究しています。また、数値化できない症状の回復例に関しては、情報を共有し、多くのデータを集めることでより具体的なものとしています。

認知症の予防、改善効果への期待が注目されている音楽療法

現在、日本で最も注目されている音楽療法の分野は「認知症」と言っても過言ではないでしょう。 特に、認知症予防に関しては、大きな期待が持てるようなデータもあります。

また、BPSD(認知機能障害によって、精神不安定になり現れる症状や行動)にも下記のような改善例が見られました。

  • 暴力的な言動や行動が抑えられた
  • 睡眠障害の改善がみられた
  • うつ状態が軽くなった
  • 協調性がみられるようになった
  • メンタル面が落ち着いてきた

もちろん、認知機能障害については、コミュニケーション能力の改善が見られた事例や、記憶能力に関しても期待が持てるデータが存在しています。

さらに、音楽療法が高血圧にも効果があるというデータもあります。高血圧と認知症は一見関係なさそうに見えますが、高血圧によって心臓疾患や脳疾患につながり、その過程で認知症になる方が多いそうです。そのため、高血圧を予防することも、認知症を予防することにつながると考えられています。

また、ハーバード大学の「Harvard Health Blog」では以下のような音楽療法に関する発表もされています。

出典:Harvard Health Blog更新

日本における音楽療法の現状

しかしながら、音楽療法はまだまだ日本では広く知れ渡っていません。音楽療法を積極的に取り 入れているところが増えてきているにも関わらず、どこに頼めば、どこに行けば音楽療法を利用できるのかという情報を得ることさえも難しいのが現状です。

さらに、日本では音楽療法士の本格的な仕事の確立には、まだまだ時間が必要だと考えられます。 なぜなら、音楽療法士の活躍の場がまだまだボランティアであることも多いからです。

また、音楽療法という言葉が曖昧に使用されており、正しく広まっていないという見方もあります。音楽療法自身をもっと知ってもらうことや情報を開示すること、音楽療法士の仕事をより確立させるなど、まだまだ多くの課題が残されているのが現状です。

音楽療法に近いかたちのものは探しやすい

「なんだか元気になった!」「これを行うと楽しい!」というような、音楽療法に近い形の効果が期待できる方法が私たちの周りにはたくさんあります。

ここでは、60歳以上のシニア世代の方にオススメの場所や方法をご紹介します。

音楽レクリエーションに参加する
音楽レクリエーションとは、音で遊ぶことです。介護施設やデイサービス、地域の文化センター などでは、イベントとして月に数回音楽レクリエーションを取り入れているところがあります。以下、音楽レクリエーションで行われる一例です。
  • みんなで合唱や輪唱をする
  • みんなでカラオケをする
  • 音楽に合わせて体操をする
  • ハンドベルや打楽器などの楽器演奏を行う
  • イントロクイズなど音楽で遊ぶ
地域のカラオケ交流会に参加する
介護施設や地域の文化センター以外でも、カラオケなら交流会を行なっている場所が多くありま す。地域にもよりますが、スナックが昼間の時間帯を利用してカラオケ喫茶になっていることも。歌が好きな方は積極的に参加してみてはいかがでしょうか?
山梨県甲府市や、網走の高齢者カラオケ大会などは10年以上も続くイベントなので、みなさんのお近くの地域にないか探してみてください。見に行くだけでも楽しいですよ。
歌声喫茶に行ってみる
「歌声喫茶なんてまだあるの?!」なんて方もいるかと思いますが、今でも歌声喫茶は盛り上がっています。年に数回のところや、月に数回、ほぼ定期的に行なっているところなど形態はさまざま。「歌は大好きだけどカラオケは苦手…」なんて方にオススメです。
自宅で積極的に音楽を聞く
案外、自宅で音楽を聴いている人は少ないのではないでしょうか?何気ない日常において音楽を流して聴くというだけでもリラックス効果があります。いつもテレビばかり見ている方も、たま には意識して音楽を取り入れてみると、何か変化があるかもしれません。
音楽セッションに行ってみる
少し高度になりますが、楽器ができる方、歌に自信がある方は音楽セッションへ行ってみてはい かがでしょうか?特にジャズやブルース、フォークソングやオールドロックなどはセッションが盛んです。初心者歓迎のセッションも多くあるので、一度見学してみるのも良いでしょう。

音楽療法はまだまだデータが必要!

音楽が私たちに与える影響の認識は「なんとなく良さそう」というレベルのもが多く、「バランスの良い食事が健康になる」という感覚と似ているように感じます。

「バランスの良い食事をするためにはどうするのか?」と同じように、「より効果的に音楽を利用するにはどうすれば良いのか?」また「どんな症状に音楽の効果が期待できるのか?」をより明確にする必要がです。

ご家族を含む介護に従事する人たちと音楽療法士が協力して、音楽が健康にもたらす効果をデータとして蓄積していくことで、音楽療法を確かなものにしなければいけないと思っています。

「音楽って健康に良いのかぁ。」と興味が湧き、そこから音楽を通じて生きがいを見つけることができれば、そんな素敵なことはありません。

「音楽と健康との関係には、無限の可能性を秘めている。」音楽療法を発展させるということは、シニア世代のライフスタイルの充実にも繋がると信じています。

音楽を活かした介護を実践した方々のいろいろな報告をお待ちしてます!
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