脳トレという言葉を聞くと施設や健康教室で行われている専門的なトレーニングを思い浮かべる方もいると思いますが、紙とペンさえあれば自宅でもできます。
今回はご家庭でできる楽しく簡単な脳トレを、ご紹介いたします。
文字を使用したレクで認知症予防も期待できる
年齢を重ねると、誰でも記憶力の低下や思い違いをする場面が多くなってきます。
こうした脳機能の低下を防ぐ方法の一つとして介護施設や健康教室では、紙とペンを使用した間違い探しや塗り絵、手作業、フラワーアレジメントなどの指先を使うレクリエーションを多く取り入れています。
脳には、運動を司る「運動野」と感覚を司る「感覚野」があり、体の各器官につながっています。
特に、手は脳の3分の1の領域がつながっていて、「第二の脳」として重要な位置づけをされています。
紙とペンを使って行うレクリエーションは、ペンを握るときは親指と人差し指に力が入り、紙を抑えて文字を書くときは指先や手を全体に使い細かい動作を行うことで脳内の血流が増えます。
こうした効果から認知症予防に期待が持てるとして、施設や自宅でもペンと紙を使用したレクリエーションを楽しんでいる方が多くいらしゃいます。
まずは簡単な日記から始めよう
ペンと紙のレクリエーションを始める場合は、まず100字の日記を書くことからおすすめします。
日記を書くというと負担に感じる方もいると思いますが、100字程度でしたら食事の内容やテレビの内容、友人との会話など書くネタは多くあります。
日記の例は次の通りです。
「昨日、友人から久しぶりに私の家の家に来たいという電話があったので、コンビニに出かけてコーヒーやスナック菓子を購入して待っていた。午前10時に来たのでいろいろな昔話をしながらコーヒータイムを過ごし帰り際に来月逢うことを約束した」
簡単なネタを日記に書く効果は次の通りです。
- 前頭前野等の脳が活性化する
- ストレス解消
- 記憶力が鍛えられる
- コミュニケーションを取りやすくなる
非常に簡単ですので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

自宅でできる脳トレ3選
ペンと紙を用いたレクリエーションは、インターネット上や専門書が多く出ていて、とても取り組みやすいレクリエーションです。
今回私が、今まで実践したレクリエーションを3つご紹介いたします。
- 1.もう一度行きたい観光名所を書く
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- 用意するもの:旅行雑誌・ペン・用紙
- 推奨人数:1~5人
【遊び方】
- 市販の旅行雑誌を一緒に読みながら観光名所の話を15分行う
- その後、観光名所名の穴埋めクイズを書いた用紙を渡して、雑誌で読んだ観光地を書く
- 旅行雑誌の記事を使いながら、昔旅行したときの話をする
旅行は、楽しい思い出が多くあり、複数人で書き出すことで自然と会話も盛り上がります。
- 2.カラオケを歌って友達づくり
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- 用意するもの:家庭用ラジカセ・ペン・用紙
- プレイ人数:1~5人
【遊び方】
- 普段聞いている歌謡曲や昔の流行した曲目を聞き、曲を流しながら当時の話をする
- 曲が終わったら、曲名と歌手名を書くための用紙を手渡す
- 回答用紙を受け取った後、音楽を再度流しながら曲目と歌手名の答え合わせを行い、最後にカラオケに合わせて歌う
歌を歌うと、唾液が良く出て口腔内の健康維持も期待できます。また、会話が増えることにより、居場所づくりができます
- 3.間違い探し、点結び
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- 用意するもの:市販されている脳トレ本、インターネット上の無料脳トレ
- プレイ人数:1人以上
【遊び方】
市販の脳トレ本やインターネット上の無料脳トレから人数分をプリントアウトして、一緒に点結びや間違い探しを行い答え合わせをする
私が勤務しているデイサービスセンターでも間違い合わせは特に人気があります。

まとめ
今回は、ペンと紙でできるレクリエーションを紹介させていただきました。
レクリエーションというと大げさな準備が必要だと思われがちですが、紙とペンを使用したレクリエーションは、施設から在宅まで場所や時間を選ばずにできるレクリエーションです。
近年、デジタル化が進み、ペンと紙を使う場面が減少していますが、書く行為には脳機能を向上する効果が期待できます。
たまには、パソコンなどから手を放して、文字を書くこともリフレッシュにもなるかもしれません。
あまり外出できない高齢者でも楽しめますので、ぜひ試してみてください。