皆さん、こんにちは。管理栄養士の濱田美紀です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、慢性気管支炎や肺気腫などが原因で肺への空気の流れが悪くなる病気です。症状としては息苦しさや咳などがあります。重症化すると死亡してしまうこともある病気です。特に新型コロナウイルスに感染された方は、COPDが重症化しやすいとも言われています。喫煙の経験があると、中高年になってを発症しやすいとされています。呼吸が苦しくなったり、慢性のせきやたんが出たリする症状が特徴です。
そのような状態になったときに気をつけるべき食習慣についてお話いたします。
COPDの主な症状
COPDになってしまうと必要な栄養が摂りにくい
COPDになると、呼吸で使うエネルギー量が普通の人よりも高くなったり、安静時でも使用するエネルギー量が増えるために多くの栄養量が必要になります。食事中に息切れしたり、疲れを感じたりもします。さらに腹部膨満感もあるため、食べる量が少なくなるケースも少なくありません。
COPDになると、必要な栄養量が増えるのに対し、摂取栄養が減ってしまうという悪循環に陥る方も多いようです。必要なエネルギーや栄養不足は、筋肉の衰えを加速させ、病気の悪化にもつながります。
理想的な体重を知ろう
まず、BMI(体格指数)を知ることで目指す体重もわかります。公式は次の通りです。
COPDなどで体重減少が出てきた方は、さらに体重が減ってしまうことが考えられるため、自分にあった食べ方をして、なるべく体重が減少しないようにしましょう。では、実際に体重を適正に保つためにどのような食事をしたら良いのかをご紹介いたします。下記の表を基に自分の理想体重を調べてみてください。
目標とするBMIの数値
18~49歳:18.5~24.9
50~64歳:20.0~24.9
65~74歳:21.5~24.9
75歳以上:21.5~24.9
COPDの食事療法はバランスの良い食事を!
COPDに限りませんが、できるだけバランス良く食事を摂ることで病気の悪化を予防できます。
【バランスの良い食事の目安】
- 主食として菓子パン、麺類、白パン、白米ばかりを摂らず、雑穀パンや玄米、押し麦なども取り入れて食物繊維をたっぷり摂取する
- 主菜には、揚げ物、加工品、脂身の多い肉ばかり食べず、魚や脂身の少ない肉などを食べる
- 豆や豆製品を意識して食べる
- 野菜やイモ類を積極的に、可能なら毎食摂る
- 毎日、1~2回果物を食べる
- 乳製品を取り入れる。アレルギーなどで乳製品を摂れない人はサプリメントの使用を検討する

摂取エネルギーを増やす方法
体重が減小しているということは、食べているエネルギーが不足しているということです。少しの工夫で普段の食事をエネルギーアップすることが肝心です。そこで、次のことに注意してみてください。
- 食事は少しずつ1日に数回食べよう
- 息切れや疲れのために、一度に食べられる量が限られる方は、何度かに分けて軽食を摂るようにしましょう。アイスクリームやプリンなど、食べやすくて脂質やたんぱく質が摂取できるおやつも上手く取り入れると良いでしょう。
- 油を上手に利用しましょう
- 油は1gで9キロカロリーと高エネルギーです。料理ができる方は揚げ物や炒めものを摂りましょう。マヨネーズ、ドレッシングなどの利用も良いでしょう。MCTオイルやアマニ油、オリーブ油、エゴマ油など、ご飯や豆腐サラダにそのままかけて食べられるものもあるので、いろいろ試してみてください。
- 肉類の部位でエネルギーを増やす
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ご本人の嗜好もありますが、肉類は食べる部位でもエネルギーに差があります。同じ量を食べるならエネルギーの高いものを食べた方が良いでしょう。
●肉の部位でエネルギーの高い順
- 牛肉:肩ロース>もも肉>ヒレ肉
- 豚肉:ロース>肩肉>もも肉
- 鶏肉:もも肉皮付き>胸肉>ささみ
- 栄養補助食品を活用する
- 栄養補助食品として市販されているドリンクやゼリーは、125ccで200キロカロリーほどあるものもあり、エネルギーだけでなく、たんぱく質やビタミンなどもバランス良く含まれています。味の種類も多く、楽しみながら飲むこともできるので、自炊が困難な方や、早急に体重を増やしたい方におすすめです。味も改良が重ねられ、飲みやすくなっていると思います。
- 【必要な水分はしっかり摂る】
- 水分を摂ることで痰が出しやすくなり、気管の衛生を保ちやすくなります。あたたかい飲み物は気管も広がり痰を出しやすくします。最低でも体重1kg当たり30ccの水分は摂った方が良いですが、どのくらいの量かわかりにくいため、ペットボトルや普段使っているコップや湯飲みで○杯と決めておくと必要な量を飲むことができます。

そのほか、たばこを吸われている方は、禁煙も大事な治療の一つです。また、家の中でじっとしていては筋力がどんどん落ちてしまいます。家の中でも動くことを心がけ、近所を少し散歩するなど、なるべく身体を動かしましょう。
COPDなどの肺疾患で大切なのは、「主治医と連絡をとり適切な治療を行うこと」「必要な栄養をバランス良く摂ること」「自分でできる運動を続けること」です。一人で悩まずに周囲の方にも協力してもらいながら、できるだけ健やかに過ごしましょう。