皆さん、こんにちは。(公社)大分県栄養士会の栄養ケア・ステーションを担当している、管理栄養士の濱田美紀です。
高齢になるとだんだん食欲が落ちてきて、3食の食事だけでは十分な栄養が摂れない方もいます。そのような方には、おやつ(間食)がお薦めです。しっかりと栄養が摂れるおやつがあると、無理なく必要な栄養量を摂取することができます。
今回は「むせやすい高齢者の方にお薦めのおやつレシピ」について紹介します。
高齢者の方には「とろっと」した料理がお薦め
高齢者の方は食べものや飲みものをうまく飲み込めず、むせてしまう(誤嚥)ことが多いです。むせやすい食べものは水分量の少ないパサついたものや、サラサラとした水分を含んでいるものになります。これらを食べてむせて疲れてしまうことで、その後の食事ができなくなる方もいるのです。
このような方には、食べものがのどを通るときにゆっくりと落ちていくような、「とろっとした食べもの」がお薦め。とは言っても、「とろっと」していればなんでも良いわけではありません。介護者や家族が簡単につくることができなければ手間がかかりますし、低栄養の方には栄養補給をしてもらう必要があります。また、食べものを噛む(咀嚼)能力と飲み込む(嚥下<えんげ>)能力にハンデがある方には、安全に食べられるものをつくる必要があります。
高齢者が食べやすく腸内環境も整えてくれるおやつ2選
甘酒トースト
甘酒はブドウ糖やオリゴ糖、ビタミンB群、アミノ酸などを多く含み「飲む点滴」とも呼ばれています。麹(こうじ)の力が腸にやさしく働きかけるというわけですね。つくり方は食パンを甘酒とはちみつを混ぜたものに漬けて、フライパンで焼くだけです。材料と栄養価は下記になっています。
材料
- 食パン:1枚
- 甘酒:200cc
- ハチミツ:小さじ1杯
- バターorサラダ油
1人分の栄養価
- エネルギー:340Kcal
- たんぱく質:8.8g
- 脂質:2.8g
- カルシウム:20㎎
ヨーグルト蒸しパン(約8個分)
ヨーグルトには善玉菌の大好物のオリゴ糖が含まれていて、毎日の食事に加えると腸の善玉菌が増えやすい環境を整えてくれます。この蒸しパンはしっとりして食べやすいのでお薦めです。つくり方は材料を全部混ぜて、アルミカップ等の容器に移し、8分~9分間蒸すだけでお手軽です。
材料
- ホットケーキミックス:200g
- 飲むヨーグルト:180cc
- 溶かしたバター:大さじ1杯
- 砂糖:大さじ3杯
1人分の栄養価
- エネルギー:130Kcal
- たんぱく質:2.4g
- 脂質:2.7g
- カルシウム:45㎎
咀嚼・嚥下能力が低下している方向けのおやつ2選
次に、咀嚼・嚥下能力が低下している方にお薦めのおやつを紹介します。
やわらかスイートポテト
次に、やわらかスイートポテトについてです。
つくり方は、さつま芋を小さめに切って皿にのせ、ラップをかけて5~8分ほどレンジであたためて、指で押して潰れるやわらかさにします。このとき、ミキサーにかけたほうがなめらかで食べやすくなるのでお薦めです。最後にボールに移して、さつまいもを潰しながら砂糖・牛乳・バターを入れて混ぜて完成です。柔らかいうちに食べましょう。
材料
- さつま芋:1本(200g)
- 砂糖:大さじ1~2杯
- 牛乳:大さじ5杯
1人分の栄養価
- エネルギー:128Kcal
- たんぱく質:1g
- 脂質:1.5g
- カルシウム:26㎎
甘酒牛乳(豆乳)
次に甘酒牛乳を紹介します。甘酒に牛乳を入れると、たんぱく質とカルシウムがたっぷり入った飲みものができあがります。つくりかたは混ぜるだけです。
材料
- 牛乳(豆乳):150cc
- 甘酒:大さじ1杯
1人分の栄養価(牛乳の場合)
- エネルギー:116Kcal
- たんぱく質:5.3g
- 脂質:5.7g
- カルシウム:166㎎
時短で簡単なものからつくってみよう
今回紹介したおやつは、どれも短い時間で簡単につくれるものばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。それぞれの分量はあくまで目安です。味や柔らかについては、食べてみながら、ご家庭にあったものに調整しましょう。