こんにちは。REASON代表で、理学療法士の中川恵子です。
春の到来で暖かくなってきて、外に出かけることが増えたという方も多いと思います。
介護の合間に、買い物をしたり気分転換をしたり…そんな時間に、効率的に身体を使うことができれば運動不足の解消につながりますよ。
今回は、ウォーキングの前に行いたい「効率良く下半身の筋肉を動かすための10秒ポーズ」をご紹介いたします。
ウォーキングのポイント
10秒ポーズを紹介する前に、ウォーキングのポイントを解説しますね。
よくテレビや雑誌などで「かかとから先に地面につけるよう意識しましょう」「かかとを前に出しましょう」という話を耳にすると思います。
しかし、歩きの専門家は「かかとから足を地面に下ろそう」と意識しないそうです。 理由は2つあります。
ひとつ目は、前に出す足よりも、地面について体を支えている軸足を意識することの方が大切だからです。
ふたつ目は、かかとから足をつこうと意識しすぎると、前のめりの姿勢になってしまい、膝関節に負荷をかけてしまうことがあるからです。
ウォーキングは、片足で立つことを繰り返しながら前に進んでいきます。
そのため、前に出す足ではなく、地面についている軸足がどうなっているかに意識を向けて、歩き方を見直してみましょう。
ウォーキングの前におすすめの10秒ポーズ
ウォーキングは片足で立つことの繰り返し、とお伝えしました。
それを踏まえて、ウォーキングの前準備としておすすめする10秒ポーズは、次の2種類です。
- 1.フラミンゴのポーズ
- 2.ペンギンポーズ
これらの健康体操10秒ポーズは、リハビリにも使われる運動療法をアレンジしたもので理学療法士の株式会社スタジオユウの福田裕子先生が考案したものです。
では早速、それぞれ見ていきましょう。
フラミンゴのポーズ
やり方
- 1.太ももを床と平行になるまで持ち上げて、片足で立ちます
- 2.そのまま10秒間、静止します
- 3.足を床につけて、リラックスしましょう
ポイントは、地面についている方の足裏と、頭のてっぺんがまっすぐな軸になるように意識して立つことです。
身体の軸をぶらさないように注意したまま、片足を上げましょう。
地面についている片足を踏み込んで、その反発力を使って背筋を伸びあげると、うまくできますよ。
ペンギンポーズ
その1 かかとを刺激する方法
- 1.両足のつま先を浮かせて、かかとで立ちます
- 2.そのまま10秒間、静止します
- 3.つま先を床につけて、リラックスしましょう
もし静止したままバランスをとることが難しければ、両足のつま先を浮かし、かかとをつけたまま歩いても大丈夫です。
その2 つま先を刺激する方法
- 1.両足のかかとを浮かせて、つま先で立ちます
- 2.そのまま10秒止まります
- 3.かかとを床につけて、リラックスしましょう
ポイントは、つま先の母指(親指)から小指まで、指全体を使って立つことです。
小指側に重心を傾けて立ってしまうクセがある方は、母指の方にも体重をかけることを意識しましょう。
その3 しなやかな足首の動きをつくります
両足を床につけたまま、かかと、つま先、かかと、つま先、と、交互に重心を移します。
10秒ポーズの後はウォーキングしてみよう!
フラミンゴのポーズとペンギンのポーズで足首の動きを練習したら、総仕上げとして実際に歩いてみましょう。
歩くときには、一歩一歩、地面を踏みしめて歩きましょう。
前に急ぐばかりがウォーキングではありません。
片足でしっかりと立ち、地面を踏みしめることができれば、足は自然と前に出ます。
周りを見渡すイメージで頭を高く保つと姿勢が美しくなりますし、景色を意識することで心理的ゆとりもできますよ。
足裏に感じられる大地の広がりや安定感、足裏から伝わってくる地面の感触を味わいながら歩きましょう。
足が地面についている時間を立脚期、足が地面から離れている時間を遊脚期といいます。
片足での立脚期が長くなれば、意識せずに大きな一歩を踏み出すことができます。
立脚期を長くするためには、地面を踏む力をつけ、お尻や、太ももの前後ろ、ふくらはぎの力をつけることが大切です。
これらが、歩くことの基本です。慣れてきたら、気持ち良く歩けるようになりますよ。