有限会社リハビリの風でデイサービスの管理をしている阿部洋輔です。
介護保険サービスの開始とともに、デイサービスを利用している方は非常に多いですよね。
今回はデイサービスがここ10年で何を目的に変わってきて、そして今後どのように変わっていくのかについてお話しします。
この10年でデイサービスは急増している
デイサービスの数は、2000年に介護保険サービスが開始したことで爆発的に増えました。
10年前の2009年はまだ全国で2万5,000ヵ所ほどの事業所数でしたが、現在は4万5,000ヵ所ほどになり、この10年で1.8倍となっています。
ただ右肩上がりで増加しているかというとそうではなく、介護報酬改定の影響などにより、2016年度には初めて減少しました。
それ以降は横ばい傾向になっており、デイサービスの事業所数はある程度落ち着いてきたのが現状です。
コンビニエンスストアの店舗数が2018年12月時点で5万5,743店(JFAコンビニエンスストア統計調査)ですから、デイサービスが全国各地に多く開設されていることがわかりますね。
デイサービスは多様化してきている
前述したようにデイサービスは全国で4万5,000ヵ所と非常に多いのですが、すべての事業所で同じサービスを提供しているかというと、実はそうではありません。
特化している分野などで、デイサービスをいくつかの種類に分けることができるのです。
デイサービスの種類(一部)
- しっかりと機能訓練をする「リハビリ特化型デイサービス」
- 認知症の方を受け入れることができる「認知症対応型デイサービス」
- 長時間滞在できて家族の介護負担も減らせる「レスパイト型デイサービス」
- カジノなどの遊戯ができる「アミューズメント型デイサービス」
- 入浴サービスに特化した「入浴特化型デイサービス」
これ以外にもさまざまなデイサービスがありますが、上記のカジノなどを行うアミューズメント型デイサービスなどについては賛否両論が巻き起こっています。
介護事業の目的やその意味を考えさせられる時期に来ているのは確かです。
介護業界における国の方針の変化
デイサービスの料金には基本料金と加算料金があります。
加算料金とは、基本サービスではない別途サービス(機能訓練など)を受けた場合に加算される料金です。
この加算することで受けられるサービスの項目は、3年毎の介護報酬改定で変更や修正があるのですが、新しく作られる項目を追っていくと、国が進めたい方向性を知ることができます。
主な新設加算
- 2009年
- ・個別機能訓練加算(Ⅱ)新設
- 2012年
- ・個別機能訓練加算(Ⅱ)算定要件変更
- 2015年
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- 認知症加算
- 中重度者ケア体制加算
- 個別機能訓練加算(Ⅱ)算定要項変更
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- 2018年
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- 生活機能向上加算
- ADL維持等加算
例えばここによく出てくるのは「個別機能訓練加算」ですね。
これは機能訓練指導員という機能訓練のスタッフが、運動を指導することで取得できる加算のことです。
最初の頃は集団であろうと機能訓練さえしておけばよかったものが、もっと個別的な対応をすることが必要だということになり、最近は居宅訪問をして利用者さんの自宅の状態を確認した上で機能訓練をするというような変化があります。
機能訓練ひとつとっても時代の流れがあるわけです。
また、デイサービスの評価方法も変わってきています。
2015年には認知症の方や中重度者の方を受け入れている事業所が評価されるようになり、2018年には専門職と連携して生活機能や日常生活動作能力のチェックをする事業所が評価されるようになってきています。
これからのデイサービスは結果重視になる
昔はお世話をするのが介護と言われており、現在もそう思っている方が一定数いらっしゃるかもしれません。
確かに、今まではお風呂に入ってご飯を食べてレクリエーションをして、問題なく時間を過ごすことができれば良かったのです。
しかし先ほどのデイサービスの加算項目の流れを見ても、利用者さん一人ひとりが自立する方向に導いたり、家と施設をつなぎながら心身機能を向上させていくことが、これからの介護業界の方向性です。
つまり、これからのデイサービスは「自立支援」の考えを意識することが必要になってきます。
機能訓練、認知症や中重度者の方の対応、生活機能の向上だけでなく、心身機能が維持向上(改善)したという結果が求められてくるからです。
「治す」という表現は介護業界において適切ではありませんが、確実に介護業界もそういった方向に舵を切っています。
また、結果を重視するという点においては、感覚的にサービスを提供していた部分をいかに客観的数値に落とし込んでサービスを提供するのかも考えていく必要がありそうです。
とはいっても、介護保険制度は2000年にスタートしたシステム。まだ20年も経っていません。
今後もいろんな変化が起きてくるはずなので、サービスを提供する側も、サービスを受ける側も頭を柔軟に対応していく必要があります。
日々これだけ大きく社会保障費の話が大きく取り沙汰されるわけですから、これからの10年は今まで以上に大きな変化が起きると思って間違いないでしょう。
まずは結果にコミットする介護業界に生まれ変わることへの準備をしっかりとしていきましょう!