こんにちは、「有限会社リハビリの風」でデイサービスを管理している阿部洋輔です。「介護の教科書」を通して、「デイサービス」の活かし方や特徴を皆さんに知っていただきたいと思っています。
一般的に、デイサービスを始めとした介護サービスというと日中のものをイメージしがちですが、家族の視点で考えると、介護をする生活は24時間続きます。なので、夜間帯に活用できる介護サービスも知っておくと、介護の幅が広がります。利用者さん本人だけではなく、利用者さんの家族も負担のかかり過ぎない介護生活を送れるように、今回は、「夜間に活用しやすい介護保険サービス」についてお話します。
ショートステイ(施設×保険内)

ショートステイとは、施設に期間限定で短期間入所して、日常生活のお世話や機能訓練を受けることのできるサービスです。
基本的には、医療的サービスを受けることはできません。費用は介護サービス費、宿泊費、食費などがかかり1泊4,000〜5,000円のところが多いです。しかし、費用がリーズナブルなこともあり、予約がいっぱいになっていることが多く、利用したいときにできないこともあります。利用実績がないと、いきなりの利用は難しいです。
まず、ご家族の休息も兼ねてケアマネジャーにお願いして、まずは試しにショートステイを予約しておくということもされている方も多いです。
お泊りデイサービス(施設×保険外)

お泊りデイサービスとは、デイサービスの利用者さんがそのまま宿泊できるサービス。日中のデイサービスは介護保険のサービスとなりますが、お泊りデイサービスは介護保険が適用されず、いわゆる保険外(自費)サービスになります。
日中は、デイサービスを運営している場所で宿泊をするわけですから、いきなり新しい場所に行って慣れるのに時間がかかる、というデメリットを避けることができます。ショートステイは、なかなか予約ができないことからも、介護者が保険外サービスで最も利用したいものは「お泊りデイサービス」なのです。そして保険外サービスということで、費用もスタイルもその施設によって変わるので注意。また1泊4,000〜5,000円の施設もあります。
- デイサービスを利用している日だと安くて、宿泊だけだと高い。
- 宿泊だけは基本受け入れない。
などの違いもありますので、もしお泊りデイサービスの利用を検討される場合は、その施設に連絡してみると良いでしょう。
夜間対応型訪問介護(在宅×保険内)

夜間対応型訪問介護は、ヘルパーが夜間帯に自宅を訪問してくれるサービスです。こちらは「定期巡回」・「随時対応」という2つのスタイルがあります。
定期巡回は、夜間時、定期的にヘルパーが排泄介助や安否確認などを行います。随時対応は例えばベッドから落ちて自力では起き上がれないとき、夜間体調が悪くなったときにヘルパーの介助や救急車の手配をしてくれます。
自宅で生活をしようという方にとっては非常に重要なサービスです。費用はサービスの種類や事業所の体制によって変わりますので、詳細はケアマネジャーに確認してみてください(保険内なので比較的安価に利用できます)。
企業のサービス:ダスキンライフケア(在宅×保険外)

大手企業も介護保険を使わない保険外介護サービスを提供しています。例としてダスキンライフケア。東京都であれば、2時間7,560円の価格設定のようです(地域や条件で価格は異なります)。サービス内容には「夜間の見守り」もあるようです。今までは介護保険では対応できないサービスというのが一定量あって、それがサービスの使いにくさを助長していました。それが今後一般企業の保険外サービスとして提供されるでしょうから、とても便利になってくるはずです。
番外:自治体の独自サービス
例えば、東京都港区であれば自治体の独自サービスとして…
緊急通報システム
一人暮らしまたは、高齢者のみの世帯の人が自宅で急病などの場合に、専門の警備員が出動してくれる。
緊急一時介護人派遣
病気や怪我などの緊急時または一時的に家事援助や身体介護が必要になったときに、ホームヘルパーを派遣してくれる。
こういったものがあります。これは、各自治体によって違い、お住いの自治体の情報をチェックしておくことが必要です。
夜間の介護保険サービスのまとめ
今までは、介護保険サービスだけを理解しておけば良かったのですが、混合介護の解禁(自費サービスの拡大)の流れもあり、多くのサービスの概要を押さえておく必要が出てきました。
今回紹介したようなサービスの存在を知っておくことで、いざ介護する場合にも少し楽な気持ちで対応できるかもしれません。初めて行う方にとって、介護というものはどうしてもイメージがつかないことが多いので、利用者さん本人とご家族の目線でいろいろなサービスを検討しておくことも必要ではないでしょうか。