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第427回

高齢者の良質な睡眠のために大切な寝具 ベッドと布団のメリット・デメリット

最終更新日時 2023/08/15
#親の介護 #高齢者の健康
目 次

人生の3割は睡眠時間と言われますが、当然高齢者にとっても重要なものです。

睡眠がどんな役割を果たしているのかについて、まだ謎は多いものの脳神経との関係性が密接であることは判明しています。

ところが、加齢とともにメラトニン※の分泌量が減少したり、夜間頻尿といった睡眠障害になるリスクが増えていきます。少しでも眠りの質を高めるためには、やはり寝心地の良い寝具を選択することが重要になります。

※脳に存在する小さな内分泌器である松果体から分泌されるホルモン。体内時計に作用するとされている

一般的に、高齢者の場合はベッドが良いとされていますが、「どうしても布団が良い」という方もいます。

そこで、今回はベッドと布団、それぞれのメリット・デメリットをご紹介いたします。

ベッドと布団のメリット・デメリット

ベッドのメリット

立ち上がりの動作が楽
あらかじめ一定の高さが確保されているので立ち上がりの動作が楽に行えます。サイドレールや背上げ機能、電動設備のついたものまで、さまざまなな機能が充実しており、足腰が衰えてきても寝具から起き上がりやすいといえます。
介護を行う側が楽
介護者にとってメリットがあります。床から高さがあることで、要介護者の体を起こす、立ち上がりを支援する、ベッド上での身体支援といった介助の際、足腰の負担が大きく軽減されます。
寝具を片付ける労力が少ない
布団のように上げたり敷いたりといった行為がないので、労力が大幅に軽減できます。布団の上げ下げの動作は足腰にかなりの負担が掛かりますので、その必要がないということは大きなメリットと言えるでしょう。
湿気がこもりにくく床面の影響を受けにくい
ベッドは床から離れているため、床に直接マットレスを敷いた場合に比べて通気性が良く、また同様の理由から床の冷たさが直接体に伝わることもありません。

画像提供:photo AC

ベッドのデメリット

転倒や転落のリスクがある
床からの高さがあることから転落の可能性が生じます。また、ベッドへの乗り降りの際に転倒する可能性も出てきます。
かなりのスペースが必要
ベッドは大きなスペースを必要とします。使用していない時も布団のように片づけることができないため、場合によっては部屋全体の余裕を圧迫することがあります。
ベッドの習慣に慣れていない方が多い
年代的にベッドを使用した生活に不慣れな方が多いこともデメリットの一つでしょう。便利と言われていても不慣れなものを使うことは大きな負担となりますし、認知症の症状がある場合、生活習慣を変えることで症状が急速に悪化するリスクや、布団に寝ているつもりでベッドの上に立ちあがってしまう危険性も考えられます。

布団のメリット

場所を取らない
布団の大きなメリットの一つは場所を取らないことです。必要のないときにはたたんで押し入れに収納することができます。布団をたたむことで狭い部屋でも生活空間を広げて使うことができ、一部屋が比較的狭い日本家屋に適しています。
転落の心配がない
布団は床と同じ高さに敷かれているので、ベッドのような転落事故の心配がありません。足腰が弱くなって立ち上がることが困難であっても膝や手をついた姿勢での移動や、お尻をついての移動にそのまま移行できます。
慣れ親しんだ寝具である
高齢の方々にとってやはり何年もの間慣れ親しんだ寝具である場合が多く、安心感や安堵感があることでしょう。気持ちが落ち着くことで良質な睡眠が得られる可能性もあります。
干す・乾かすことで衛生状態が保たれる
ベッドマットレスと比べて、敷きっぱなしにしないことで衛生的ともいえます。定期的にしっかりと布団干しや乾燥を行うことでダニやカビの繁殖を抑えることができるほか丸洗いできるタイプの布団もあります。

画像提供:photo AC

布団のデメリット

立ち上がりや起き上がりがしにくい
いわゆる起居動作全般の負担は、ベッドと比べると大きくなります。立ち上がりまでに必要となる動作や労力をより必要とします。膝や腰に痛みや障害が大きければ大きいほど難易度も高くなります。
介護する側の負担が大きい
起き上がりの補助や立ち上がりの介助はもちろん、布団上で行う身体介助のほとんどすべての動作が介助する側の足腰に大きな負担がかかります。サイドレールや背上げ機能といった動作を補助する機能もないため、介助する側の怪我や腰痛に直結するリスクがあります。
寝具が湿りやすく床の影響を受けやすい
床に直接敷くため、体の熱や汗により湿気がこもりやすくなります。また、床からの影響が伝わりやすく、床が冷たい場合はどうしても温まりにくく冷えやすくなります。介護が必要な状態になった場合には、布団の上で過ごす時間が長くなり、布団を干したり乾かしたりすることが難しくなり、敷きっぱなしとなると衛生状態は一気に悪化します。

介助の要・不要も寝具選びのポイント

介護が必要になると、介護保険の適用となりますので介護ベッドを利用する人も多くなります。ベッドの設置費用や撤去費用もデメリットの一つですが、介護ベッドの場合、そうした費用の負担は大幅に軽減されます。

また、症状の状態に合わせて交換することができるうえ、現在ではさまざまなタイプや補助具が充実しています。

とはいえ、誰もが介護ベッドを必要とするかと言うとそうではなく、生活習慣上使い慣れた布団のまま介護生活を送る人もいます。

それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、介護される人の身体状況や生活習慣や介助する方の負担なども考慮したうえで選ぶことが大切でしょう。

ベッドでも布団でも共通して使える枕や掛布団についても最近はさまざまな素材や種類のものがあります。

身体に制限がない間は使い慣れたものを流用して良いと思いますが、介助の必要性に合わせて洗濯の可否や機能(防ダニ・抗菌・防臭など)で選ぶようにすると良いでしょう。

最近の研究では眠りの深さにはある程度の重さも必要ということが指摘されていますので、軽い素材なら身体に負担がないから良い、というわけでもないようです。

寝具選びは良質な睡眠のために欠かせません。基本的に高齢の方はベッドがおすすめですが、それぞれの状況に合わせて選ぶことが大切です。

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