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第275回

介護現場の業務改善で3M(ムリ・ムダ・ムラ)を解消!PDCAサイクルを回し小さな改善を積み重ねよう

最終更新日時 2021/11/18
皆さまこんにちは。有限会社リハビリの風で施設を管理している阿部です。介護業界ではここ数年、現場の業務の非効率な部分が多く、生産性が低いという指摘をよく聞くようになりました。今回は、介護事業所における「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」を考え、それらを効率化するために必要な改善のポイントを整理するコツを解説いたします。

皆さまこんにちは。有限会社リハビリの風で施設を管理している阿部です。

介護業界ではここ数年、現場の業務の非効率な部分が多く、生産性が低いという指摘をよく聞くようになりました。

正直なところ、どの介護事業所でもそれは他人事ではないはずです。

今回は、第272回でも触れた介護業界の「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」とそれらをいかに改善していくかという業務改善についてのお話をします。

介護現場における「3M」の例

まずは介護現場における3Mについて例をみてみましょう。

  1. ムリ:職員への心身への過度の負担(例.経験の浅いスタッフが1人で夜勤業務すること)
  2. ムダ:省力化できる業務(例.複数回の転記する必要のある記録業務があること)
  3. ムラ:仕事量のばらつき(例.自己流の作業が多く、スタッフ間でのばらつきが多いこと。利用者数が変わらないのに、日によってスタッフ数が変動すること)

こうやってリスト化して考えていくと、どの介護事業所でもいくつか当てはまる事柄があるかもしれません。

いろんな課題が出てきますから、頭の痛い話ではありますが、現場の現状を確認するために、まずは業務を客観的に整理してみましょう。

これらの問題を少なくしていくことが「業務の効率化」につながり「介護サービスの質」「スタッフの働きやすさ」を向上させます。

業務改善におけるポイント

次に、厚労省が公表している『介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン』を参考にして業務改善について考えてみましょう。

一般的に業務改善とは現場の業務からムリ・ムダ・ムラをなくし、現場の業務をより安全かつ効率的に行うことや、負担を軽くすることなどを目的としています。介護業界における業務改善は人材育成やチームケアの質の向上、情報共有の効率化を目的とし、それが介護サービスの質の向上につながることが重要とされています。

とはいえ、日々の業務に追われ、簡単に業務改善に取り組めないというのが正直なところではないでしょうか。

業務改善を実践する前に身につけたい基礎知識

失敗する業務改善の例

介護現場での業務に課題があるのはわかっているのにもかかわらず、業務改善計画がうまくいかないことがあります。

皆さんの事業所でもこのような失敗例を見かけたことはありませんか?

1.業務改善を図る目的が明確でない
ただ上司から言われたからという理由で始まった業務改善計画は頓挫しがちです。業務改善を何につなげていくのかという意味を考えていきましょう。
2.どんな課題があるか現状を把握できていない
いろんな情報があるとはいえ、各事業所の課題は異なります。現場での課題把握ができないと解決策を考えることができません。まずは課題の見える化をしていく必要があります。
3.手段が目的化している
現状把握が正確に行えていないと、解決策もぼんやりとしがちです。新しいシステムを導入すれば問題が解決するだろうと安易に考えると、痛い目に遭います。例えば、せっかく導入したロボット「ペッパー」も、全然稼働していないという事業所もよく見かけます。導入して何をするかという目的が曖昧だと、このような事態になってしまいます。
4.やりっぱなしで振り返らない
せっかく始まった業務改善活動も1回で成功して完了ということはほとんどありません。何度も取り組みを繰り返し、少しずつ微調整して良いかたちが見つかっていくものだと思います。いわゆるPDCAサイクルを回すということが大切です。これはケアプランと同じことですね。

改善活動のステップ

厚労省の資料で挙げられている業務改善に向けた改善活動の標準的なステップは以下の通りです。

  • 手順1:改善活動の準備
  • 手順2:現場の課題を見える化する
  • 手順3:実行計画を立てる
  • 手順4:改善活動に取り組む
  • 手順5:改善活動を振り返る
  • 手順6:計画を練り直す

まずは改善のための活動の準備を行い、現状の課題を見える化したうえで実行計画を立て、取り組みを行います。一度行っただけでは成果が得られたかがわからないので、取り組みを振り返り、今後の実行計画を練り直すというPDCAサイクルを繰り返すことが大切です。

また、うまく計画した方法でも、その成長がいつまで続くかはわからないので定期的に振り返り、新たな計画を立てる必要があります。これらの流れを踏まえれば、先程の4つの取り組みがなぜ失敗したかということも理解しやすいと思います。

取り組みを繰り返し、振り返ることが大切

業務改善はかなり大変なことのように感じてしまいます。しかし、それぞれのステップを小さく分解して実行していけば、必ず良い変化を起こせるでしょう。

  • 現場の課題が見えていない
  • 闇雲に新たなシステムを入れる
  • やりっぱなしで振り返らない

このような状態で、ただ単に業務改善に取り組もうとすれば、良い変化を生み出すことはできません。

業務改善活動のステップを頭に入れたうえで、まずは現場にどんな3Mが存在していて、どのような計画で業務改善していくかということを整理してみましょう。地道に実践して少しでも現場を良い方向に変えていきましょう。

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